フトボル男

サッカー、フットサル、読書、冗談。

伊坂幸太郎『SOSの猿』感想 伊坂幸太郎が伊坂幸太郎を実験した

SOSの猿 (中公文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2012/11/22 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (42件) を見る 正義の話である。 徹底的な善悪を管理するために組織的構造へ展開したものが、監視社…

藤井太洋『オービタル・クラウド』読書感想

オービタル・クラウド 上 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 藤井太洋 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2016/05/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (13件) を見る 久しぶりにSFを読んだ。 ミステリが主食な私は、サイバーパンク系は今まで何度か手にした…

伊坂幸太郎『死神の精度』感想 死神が観た人間のどうしようもない活力

死神の精度 (文春文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2008/02/08 メディア: 文庫 購入: 24人 クリック: 178回 この商品を含むブログ (500件) を見る なぜ、伊坂幸太郎は死神を書いたのだろうか。 死神とは何のメタファーなのか。 私…

2015年から2016年に書いたテクストをブログに移した。 この際だから改訂作業をしてみようと試みたが、殆ど手を付けないまま組み込んだ。 ぶち込んだ文書は大体が『読書』と『memo』へ。 2016-01-01から1年間の記事一覧 - フトボル男 これで空白だった2016年…

坂口安吾『桜の森の満開の下』感想 エモいだけで生きられない

桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫) 作者: 坂口安吾,川村湊 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1989/04/03 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 38回 この商品を含むブログ (135件) を見る 図書カード:桜の森の満開の下 ゼロ年代はエモかった 住めば都、郷に…

文章ってセンスではなくてスタイル

文章のノリが悪い。 書き続けないと錆びるってのは本当で、構成や要点の掘り出しを付け足しては削るみたいな作業が久しぶりにきつかった。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている12巻』感想「本物」への歩み - フトボル男 『夜、僕らは輪になって歩く』…

徹夜本

10代の私は伊坂幸太郎が好きだった。 撃ち抜かれてしまった。 陽気な伊坂幸太郎が世界を回していると思っていた。 今、彼の著作をいくつか読み返している。 そして、徹夜本を思い返した。 数多の読書体験の中でも徹夜本という機会は多くない。 読書する頻度…

『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』感想 狭い戦争

作劇上の機能性 『ガンダム0083』のジレンマ 地球連邦もデラーズ・フリート(ジオン残党)もよく見えない。 消耗していくだけの戦争であり、『ファーストガンダム』と『ガンダムZ』の間を補完するミッシングリンクが本分なだけにその目的化から、落とし所と…

バルセロナ(Barça Lassa)対Santiago 試合メモ

前半19:31 バルサのDF、ジャンプ、サイドの2列目のマークの受け渡し、相手はカーテンと中ドリ、それに対するリアクションでの数的優位の絞り方。 前半19:10 レオ・サンタナの中抜け~パラレラでのセンターレーンの解放、右サイドでのジョアオの左足のアング…

グロ描写アレルギーの私がオススメできる凄い本

グロ耐性が無い。 医療ドラマのオペシーンですら無理。出血シーンも相当厳しい。 宇多丸師匠のATB映画の『アポカリプト』を観た時のショッキングさは忘れない。グロ抜きでも映画自体の内容も衝撃的だったけど。 「暴力の上書き保存」が描かれたことから考え…

バルセロナ(Barça Lassa)対Pescara 試合メモ

前半19分30秒頃のフェラオへの当てからカバーリングポジションを捨てて飛び出すレオ・サンタナのチーム内での相互作用、プレーエリアの噛み合わせ、ダイナミズムが光る。 前半19:04秒 レオ・サンタナの持ち出しとピヴォ当ての相手DF時のポジショニング。 前…

映画『夜は短し歩けよ乙女』感想 森見登美彦の魔性的な京都を描く難しさ

「夜は短し歩けよ乙女」 Blu-ray 通常版 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2017/10/18 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (8件) を見る 酔いどれ感想 森見登美彦の描く「京都」 作家と作品は別物ではない 前置きとして、私は熱心な原作ファンではない。 …

メールで良かった

映画を観た。 アニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』を観た。 面白いだとか好みだとか置いといて凄かった。 衝動的に複数の知り合いに夜深い時間帯にメールを書き殴り、送り飛ばしてやった。 昨年からスマホがずっと壊れている。 だから知り合いとの連絡手段はPC…

今野晴貴『ブラックバイト 学生が危ない』読書感想

ブラックバイト――学生が危ない (岩波新書) 作者: 今野晴貴 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/04/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (6件) を見る 概要 他人事では済まされない半径5m以内の問題 消費行動も政治的行動である 概要 学生たちを食…

『コードギアス 反逆のルルーシュ』感想 捻じれた構図と因果

コードギアス 反逆のルルーシュ 5.1ch Blu-ray BOX (特装限定版) 出版社/メーカー: バンダイビジュアル 発売日: 2015/05/27 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (7件) を見る 自分を王だと思っている王は、自分を王だと思っている乞食と同じだけ気が狂…

AI住宅の台頭 相対化される価値の見直し

中国政府はAIの発展を重視していて、昨年に世界スマート大会が天津市で行われたことには意義があったと思う。 天津市は直轄市の一つで、軽工業、機械電機、化学工業などが盛んな総合産業都市である。天津市は中国の近代の工業の発祥地でもあるから、開催地と…

Ekonomac対バルセロナ(Barca Lassa)試合メモ

Ekonomac戦の気になったことについて。 Ekonomac戦はバルサが勝利したものの、勝ち試合において今季一番苦戦したと思う。 前半19分46秒の失点シーン。 相手のゴールクリアランスから3-1でのボール保持。中央レーンの選手が、サイドに叩いた後に抜ける。サイ…

江戸時代の離婚

離婚とは、結婚生活という規制の弛緩を意味するもの エミール・デュルケーム『自殺論』 高校生時代の旧友が、事ある毎に「離婚してー」と言っていたのが高校2年の秋。 勿論、未婚であった。 この『論理のアクロバット』に魅せられたことから、私は都筑道夫を…

米澤穂信『氷菓』感想 薔薇色と灰色の叫び

氷菓 (角川文庫) 作者: 米澤穂信,上杉久代,清水厚 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2001/10/28 メディア: 文庫 購入: 17人 クリック: 956回 この商品を含むブログ (573件) を見る 米澤穂信は「古典部シリーズ」の『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリ…

冬に読んで面白かった本のまとめ 2018年1月~3月

宮台真司『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』 戸部田誠(てれびのスキマ)『1989年のテレビっ子』 広瀬和生『噺は生きている 名作落語進化論』 アンディ・ウィアー『火星の人』 斎藤環『「文学」の精神分析』 宮台真司『私たちはどこから来て、どこへ…

天才への追憶 『少女キネマ』を添えて

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫) 作者: 一肇 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2017/02/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 一肇『少女キネマ』を読んだ。 作中にあった文章に目を奪われた。 「あいつは……天…

さよなら リッスン?2-3

文化放送『リッスン?2-3』が終了した。 私は、みかこしこと小松未可子の月曜日リスナーであったが、昔に比べると(特に生放送時代から録音放送以降)聴く機会は徐々に減っていった。 久しぶりに聴いたリッスンは生放送で最終回。 放送内でも語られていた裏…

メッシに思いを馳せて

www.soccer-king.jp レオ・メッシはサッカーが楽しめているのだろうか。 そこがバルサとアルゼンチン代表の違いだと思う。 クラブと代表を比較するのもそもそもバックボーンを考えるとオカシイ話であるが。 背負っているものが重過ぎる。 メッシに限らず、し…

問おう、貴方が未来の読書家か

本が好きだ。 現代の本好きの大半は紙の本に慣れ親しんでいると思うが、市場を鑑みれば電子書籍の波が大きなうねりとなって飲み込んできている。 www.sankei.com ここでアンチ電子書籍として攻撃するつもりも、紙の本こそ至高だと持論もとい愛情を叫ぶつもり…

東川篤哉『探偵さえいなければ』読書感想

東川篤哉『探偵さえいなければ』 探偵さえいなければ 作者: 東川篤哉 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/06/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (6件) を見る 内容紹介:東川篤哉の本籍地・烏賊川市シリーズ、待望の最新刊。傑作…

ゲーム実況動画視聴童貞が何故ゲーム実況が賑わっているかを考える

私はゲーム実況動画を観たことがない。 恥の多い生涯を送ってた私*1としては細やかな自慢である。 友人の一人が、休日は飲みながらゲーム実況動画を観て過ごしていると酒の席で零して衝撃を受けた。 お笑い芸人のヒロシのキャンプ動画をオススメされたことも…

バーチャルYouTuber視聴童貞の考察

友人が酒の席で「最近バーチャルYoutuberにハマっている」と言ったのが昨年末。 彼とはそれ以来会っていないが、理由を問うことを忘れた。その時は酒に夢中だったから。 しかし、それが後々考えてみると魚の小骨のように喉に刺さっていた。 バーチャルYouTub…

『機動戦士ガンダムUC episode 4    重力の井戸の底で』感想 バナージ・リンクスを考える

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) [Mobile Suit Gundam UC] 4 [Blu-ray] 出版社/メーカー: バンダイビジュアル 発売日: 2011/12/02 メディア: Blu-ray 購入: 25人 クリック: 687回 この商品を含むブログ (71件) を見る 『ガンダムUC』で一番好きなエピソード…

「テレビの嘘とくだらなさ」と不条理は等号なのか

news.livedoor.com テレビの構造の主要素として「嘘とくだらなさ」があると思っている。 嘘という言葉が強いと思うならば、「虚構」と言い換えても差し支えないだろう。「虚構」だからこそが描けるものがある。 テレビのキラキラとした演出は嘘であるから日…

オーストラリアの教育的価値観とスポーツの精神性からみるアイデンティティ

ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 (Sports Graphic Number Books) 作者: 生島淳 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/08/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (10件) を見る オーストラリアの教育活動…