フトボル男

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レアル・マドリー対アトレティコ カゼミロと3センターの再確認

情熱のマドリード・ダービーの結果は1-1の引き分け。レアル・マドリーとしては勝ち点3を取れた内容だっただけに、勝ち点2を失った試合だった。セットプレーの重要性や采配のタイミングなどと見所が多い試合で、ジダンの動き方は疑問視されているが、その部分は積極的にオープンに議論を重ねるべきでしょう。

 

今回は、カゼミロ起用で得るものと失うものについて。得るものはスチュワート・バクスターの言う、スクリーニング(トランジションの際に鍵となる選手=奪った後に高確率で経由するであろうという選手の位置を把握しておく事)としての機能。アトレティコとの試合の特に前半のカゼミロはスクリーニングの鬼だった。全盛期のマルコス・セナとかその辺のレベルで。一方で失うものは展開力。チーム収支としては、レアル・マドリーというチームデザイン上、カゼミロは欠かせない。失うものも他で遣り繰りできるという考えも頷けるが…

 

4-3-3の中盤3枚のポジションバランスって難しい。カゼミロの位置取りは相手2トップを絞る底。アトレティコのプレッシングラインもいつもよりは控え目。フィジカル面と交代カードを計算した現実的なペースだと思う。

カゼミロにボールが入ることもあったが、その時にアトレティコのプレッシング隊は抑え目。MFラインからのCHによるチェックも無かった。どちらかというと、アトレティコのMFラインはマドリーのモドリッチを呼び込みたいような低さ。MF-DFラインがは隙を作らせないように。だからカゼミロには持たせても大丈夫でしょ守備だった。事実その通りでカゼミロには展開力が無い。そういうことから、クロースがカゼミロのサポート役としてビルドアップの鬼となって配球していた。その分、IHが本来活動するべき2列目前からライン間のエリアよりも低い2トップ脇の位置取りでプレーすることが多かった。このプレーエリアを区別するなら2枚のピボーテを配置したようなもの。そのためにモドリッチが前の方でトップ下的ノリを持って活動しないといけないが、ボールを失うエリアの選定やカバーリングポジションを考慮すると前に出るに出られないジレンマ。カゼミロが責任感で前に潰しにいった場面のカゼミロが空けたスペースを埋める必要がある。IHのカバーは必須で、局所的な数的不利を生み出さないようにカゼミロ脇はモドリッチのカバーが求められる。

 

インテンシティの高いハイレベルな試合ではカゼミロのポジショニング感覚は必要。守備において、IHとのチェーンを埋めるフットボールのツボを押さえているカゼミロの守備的役割は大きなメリットを与える。アトレティコ戦のクロースもそこは把握していて、バランスが取れていた。

しかし、そのためにボール保持時のIHの位置取りが徐々に引っ張られてズレていく現象も見逃せない。そして、前線との距離が間延びする。ベンゼマが最高の状態で、プレーエリアがえげつないコンディションの時には解消されるが、それを常に求めるのは無理がある。クロースのサイドチェンジ攻撃とサイドの質的優位でクロス完結でもお釣りがある程度貰えるチーム設計だからこそ結果は出る。だから勝利を積み重ねているマドリー。しかし、今季は特に内容が悪いとサポーターも不満気である。それもその筈で、中盤に極上の食材が並んでいるが、実にデリケートなバランスが求められている。この辺の相互作用というか配分は難しい。出場している選手の特性や機能美をフルで活かすのは理想論なのか?

 

アトレティコ戦の中盤はしっかり機能していた。機能性はあるが、微妙なズレが攻撃の位置取りを引っ張っていく。IHのプレーエリアが萎んでいくように連鎖的に全体に影響していく。その僅かなギャップが試合結果に繋がっていくものだ。

レアル・マドリーの失点は初歩的なミスだった(釣り出されたカゼミロの位置。サポート役のモドリッチがコレアのマークを緩めてしまう。外のボール詰まりからのサイドチェンジ警戒でフィリペを見過ぎてルカス・バスケスの絞りが遅れまくりのコンボ。2トップ脇牽制からSBのケアといった守備的役割を担わされての投入だったのに凡ミス。責任感の表れなんだろうけどね)が、2点目を取れなかったことに目を向けた方が良い。攻撃的に出た中でのボールが詰まった時の修正。攻撃スピードの上げ方。支配している中での不透明性は中盤やアタッカーの配分によるもの。

ジダンの腹の中は分からないけど、ビルドアップの鬼となっていたクロースのサポートによる消耗が抑えられていたら、ジダンの守備的442変換(守り切れるとは言っていない)はどうなっていたのか。時間との駆け引きが行われていただろう。そこは気になる。結果論だけど。

 

以下はアトレティコ戦でマドリーの面白かったところの図。