おおたまラジオ

しまいには世の中が真っ赤になった。

ボーンマス対マンチェスター・シティ どうする?ペップ、532に433をぶつけて

 

f:id:futbolman:20171024210040j:plain

 

シティは433

ボールを持つのはシティ。ボーンマスは532撤退守備と前プレの組み合わせ。ボーンマスが日常的に5バックをしているのかは知らないけど、エバートン戦からヒントを得た可能性もあるわけで。横幅が狙うサイド奥にWB-CB間を狭くして多少の横スラをしても最終ラインの枚数をある程度確保したい意図かもしれない。その辺はボーンマスファンに訊いて。

シルバは右IH→相手2トップ脇に落ちる。右SBのダニーロを上げる。IHがビルドアップ時に2トップ脇に入っていなかったら、SBは低い位置で組み立て参加。フェルナンジーニョが底に入って3CB化は見られず。相手2トップに対して、ボール保持の形は2CB+CHの構成。フェルナンジーニョを落とさないのは相手FWを一枚釣りたいから。なんでもかんでも落とせば良いってわけではない。CBのパスコースを考えると、横並びにすると逆CBまでが中央に落ちたCHによって消されてしまう。2CB+CHの方が常に逆CBと斜め前に居るCHを確保できる。

高い位置にいるSBにボールが入ったらIHは横のラインを作る。それに対して相手3センターは、1stDFではない2枚目がカバー位置よりも人に付く意識が強いので、横並びのような状態に。90分通してその現象があったわけではないけど、カバー位置が取れていないのも印象的。3センターに段差が無いのでパスラインが出来やすい。そして、1stDFのカバーには最終ラインのDFがケアしないといけなくなるので、WGの中絞り(WB-CB間)についてのマークが緩くなる。

ボーンマスは532守備

フェルナンジーニョにはCHかFWで受け渡しながら、前プレする時はするよ守備。オタメンディとコンパニまでプレスラインを上げる。枚数的には2v2でも、そこまでバタバタしていなかった。鍛えられているだけはある。被前プレ時のシティは、IHとSBも降りつつジェズスがCH間を狙うように縦パスを受けるまでがプレス回避。

 

【シティが苦戦した理由】

ボーンマスが頑張ったのが大きいけど、シティにスポットを当てるならばという話。

試合通して一回だけだったが、デ・ブライネをSB位置で空けて、SBを高い位置に送り込む。相手3センターはズレるから、ボールサイドに寄せてきたCHとCHの間にスターリングが降りることで縦パス。勿論、前を向かせないようにWBがデート。でも、WBの外にはメンディーがいるから、相手DFラインもスライド。それでボールサイドに圧縮した相手DFを広げるようにデ・ブライネからサイドチェンジ。デ・ブライネを左で使うと、右足からこのサイドチェンジが出来るのは強い。この要素をもっと使って欲しかったと思う。理由として532守備の崩しのセオリーにHSの使い方がある。

532に対して433の崩しの理想は3センターを広げること。

 

 

f:id:futbolman:20171024210130j:plain

これは理想図。

今節はその点が全然ダメだった。ポジショニングは取れているけど、効果的なボール循環ではなかった。

両IHの位置+横幅で2トップ脇~3センター外を使うことでDFを広げるのが効果的。逆IHの位置が外(HS)ならば、相手DFのマークは難しい。ただ、ボールに寄ってしまう左IHのデ・ブライネ。利き足の都合上、中に入りがち。逆IHが中に入れば、逆SBが上がる時はSBのカバー位置を取るためにやや降りたりも。その辺はケース・バイ・ケースで。でも、デ・ブライネは左IHの場合、中に入りつつ高い位置で前を向きたいから、その傾向が強くなる。相手WB-CB間には絞ったWGなので、横幅はSB。リスク管理もあるから(後述)、最初から高い位置は取れない。それはタイミング次第。だから、出し手的には前への選択肢が減っているような状態。メンディーの馬力は目を見張るものがあるけど、左WGのスターリングが絞ったままなので、サイドのタスクは整理されていても固定的。外と内の二択攻撃を迫る場合でも、相手DFも絞り易かったと思う。もう少し、スターリングが外に出たりすれば面白いのだろうけど、外(左サイド)に出たところで右利きなので難しい。試合終盤で、スターリングが右WG起用。カットインも大事だけど、縦に抜けるのは正義という再確認。

 

シティの前プレ時、SBも積極的に縦スラ参加。そのSB裏はボールサイドのCB担当。最終ラインは2CB+逆SBの構成で、フェルナンジーニョは中央の管理。組み立てはあまり参加しないフェルナンジーニョがガッツリ入るのが、GK+2CB+フェルナンジーニョの菱形ビルドアップ時。ボーンマスの3センター的にはシティのIHをどうするか?フリーのフェルナンジーニョをどうするか?CHで人に付く意識をすると、WBかCBがカバー位置を取らないといけないので、シティのWGを離してしまう。CBがチェックに行く場合はジェズスがその裏を取る動き付き。実際にパスは出るから、CBは枚数に余裕があっても動かしたくない。

WBが対応する場合は、外のSBが空くのでいけない。サイドを速く変えることで、相手WBにSB(外)かWG(内)かの二択攻撃ができる。結局、WBはステイ判断なのでCBが埋めないといけない。それでジェズスの出番。ボールサイドから一枚飛ばしで逆サイドのケースにおいては、リスク管理時と同じように逆SBが絞る位置を取ることで、WGが外、IHが中に居る位置を取る。SBへのチェックには一枚飛ばしのパスが絡んでいるので、3センターは勿論のことWBも外の選手を離すことになるのでボール保持者はフリーのまま前進可能。これがIHへの一枚飛ばしケースなら、3センターは横スラで精一杯なのでライン形成だけ。すると、IHがボールを持てることになるのだけど、そこはFWのプレスバック。ボーンマスも鍛えられていた。

 

【シティの守備強度と攻撃】

シティの守備時 WG-SB間の強度は気になる。前プレ時、SBが縦スラ→ボールサイドのCBが横スラケアのケースはそれほど。ただ、陣地に侵入された場合のIH裏付きで怪しい。フェルナンジーニョは極力中央から動かしたくない。プレッシングに出ているIHの裏を使われるから、そもそもIHが居ないのもあるけど、それは織り込み済みでCBが前に出て潰す仕様。それがあまり潰せていない。一応、残し気味のフェルナンジーニョ+CB+逆SBがあるから大丈夫計算なんだけど、トランジションゲーム化すると相当怪しい。

シティのポジトラ時 逆SBはボールがサイドに来れば絞り気味の位置から横幅を取る役割。メンディーは特にそれ。だけど、ダニーロはインサイドに残り気味のままも。その場合、3センター外は右IH。WGはWB-CB間。横幅は基本的にはSB。そして、これがシルバだったりすると、左足で中に入って、1stDF(3センター)のカバー位置に入っている2枚目の逆を取れたりすることで、中央が空く(受け手はWG 逆IHとIHが絡むのは2列目前での交換のイメージ。これがデ・ブライネが中に入りがちの側面)。

 

 

 

f:id:futbolman:20171024210205j:plain

守備位置と横幅の特性から、レーンを動かすところは動かして、動かさないところは残したまま。そういう意味では左サイドの方は速い仕掛けならば、メンディー、デ・ブライネ、スターリングの三角形で相手WBとCBの基準点をぼかす攻撃はデザインされていたが、詰まった時の変化というのは静的。デ・ブライネが沈黙。要因としてオタメンディが起点になっていないのもある。その分、一枚飛ばしのサイド変えからの組み立ての恩恵を得ていることで、コンパニの起点は目立つから、シルバの方は動いていた。右WGのシウバの質が足りていなかったから花は咲かなかった。

相手2トップ脇に落ちるのはシルバの特徴。その引き出す動きが右サイドの循環に繋がっている。その作りをするには、左サイドから一枚飛ばしのパスで、テンポが速くなっているのもあるけど。左サイドの起点はオタメンディ。相手前プレ時にはデ・ブライネも降りてくるけど、シルバほどではない。右よりも左はSBとWGとIHの位置が固定気味で、オタメンディがそこに出せるかどうか。相手DFも分かっているから、チェックに行くので縦パスを付けるのは難しい。オタメンディがある程度運ぶなら相手DFはズレるのだけど、それは後ろが3枚時の話。フェルナンジーニョを底に落として3CB化は無いので、CBがドライブするのを抑えているのもある。だから、無理にオタメンディから縦を付けるタスクは無いようにも思えた。相手の横スラ圧縮の起点にする狙いからサイドを変更、左IHから右CBへのプレス回避のパスは仕込まれているので、右サイドは活性化するという感じ。

 

ボールが入った逆SBへのアプローチには相手WBの縦スラ→WB裏に絞っていたWGのパラレラ(SBの横ラインにはIH)からカットイン+SBのオーバーラップのサイドの三角形の攻撃力。中に入りぱっなしのWGが一旦外に出ることでの攻撃力。縦のオプションはSBに。WGはWB―CB間から外に流れるので、仕掛けやすいスペース付きでDFから離れることができる。IHがパラレラするシーンもあったが、これをやるとフェルナンジーニョをボールサイドにより動かす必要があるし、SBの縦への能力を活かしきれない上にIHの利き足の都合上面白くない。

SBを高い位置に送り込みつつ、3センターを広げる。大外はSBだけど、その一つ内はIH

 それによって2列目DFライン前に右WGのシウバが降りてくることで、CHと横ラインを形成。左サイドへの出張もあったり。この辺のフリーロールはスターリングには無かった。でも、掛けたリスクに対しての質的には足りていなかった。単純にDFを抜けきれなかったのもあったから、SBとのコンビネーション付きの熟練度上げは必要。

 

アグエロ投入後、フェルナンジーニョの位置が動く。最終ラインの左右のワイドだったり、中央の底だったり。変則3CB化=底の位置から離れた場合にはデ・ブライネが入る。あくまでもボール保持時の話。デ・ブライネがそのまま中央のフィルター役をやるわけではなく、ボールが前進すれば自身のポジションも前に。だから、ネガトラ時のプレスは厳しくないと結構運ばれる。後ろは2CB+フェルナンジーニョだけなので、サイド~IH裏がオープン。ここはSBの戻りが大事だけど、無理なファイアー方式。手数を掛けず強引な攻撃が目立つから、跳ね返されてトランジションゲームからコンパニとオタメンディがドタバタ背走。

無理な攻撃の原因になっていた効果的ではなかったWGの絞り位置取り。その渋滞を解消させるようにサネ投入+スターリングのサイド変更。利き足問題から縦を狙おうと。そして、スターリングの決勝弾と謎退場というエンタメ度高めだった。

 

【3142では無かった理由を推察】

 

単純に532相手には433をぶつけたかったからかもしれないけど…

ジェズスの方がアグエロよりも守備的意識と最終ライン~2列目間での連携面が良いので、アグエロでは無くジェズスがスタメンだったのは納得。仮に3142を選択した場合、アグエロのコンディション面というか2トップ時の旨味があまり無かったからもありそう。なんとなくDFライン前での粘りが無くなったような。パフォーマンスが落ちた印象。ペップに色々注文されて混乱しているだけなのかどうかは本人に訊かないと。

ブライトン戦、エバートン戦同様に3142でミラーゲームになるかと思ったら違った。ストーンズのコンディションの面も?相手は2トップでも、後ろの枚数は2枚(+CH)で足りる判断。そのわりにはもっとコントロールしないとキツイ展開を強いられるわけで。コンパニとオタメンディは頑張っていた印象だけど、もう少し全体で調整しないとトランジションゲームで痛い目にあう。

相手に5バックでWB-CB閉じされていたから、横幅SB+中絞りのWGの二択。単純なWBでサイド奥を取るのは難しいと思ったのかも。エバートン戦の教訓兼ねて。

 

次節はリバプール戦。相手は433

この433でミラーを仕掛けるかどうか。それとも3142か。この試合のようにトランジションゲーム化の対応だとリバプールのWGが暴れそうな気もするし、433前プレを考えると、ホッフェンハイムのような3142の後ろの持ち方が求められる。それくらいの質を披露できるのでしょうかね。