おおたまラジオ

しまいには世の中が真っ赤になった。

映画を観に行く友達が少ないんですが

政夫:俺の悩み聴いて貰ってもいいですか。


ろこ:急に(笑)


政夫:あのー、映画を見に行く友達少ないんですよ。切実な悩みで。


ろこ:これ共感してしまうんだけど。


政夫:マジっすか。俺、二人しかいないんですよね、映画観に行ける友達。


ろこ:ちょっと待って。定期的ということ?


政夫:全体で。二人しか映画観に行こうと思う友達いないんです(笑)


ろこ:(笑)あー。俺もそんないないよ。


政夫:例えば高校時代だったら友情割引というのがありまして、3人でいけば1000円だったんですよ。友情割引を餌に映画を観に行っていたんですよ。映画館も学校から近くて。で、高校卒業したら奴らと疎遠になりまして。結局、色んな友人がいますが、トータルで映画を観に行こうと思える友達が2人しかいないんですよ。一番付き合いの長い友人は小・中からの付き合いなんですけど、そいつとは映画観に行ったことないです。今まで。


ろこ:なんで。行こうぜってならないの。


政夫:ならないです。家でDVD鑑賞はありましたよ。飲みながら。本腰を入れて映画館に行こうぜというのはなくて。あくまでも僕の感覚としてなんですが、ガッツリ…いや、『ボヘミアン・ラプソディ』超観たいんですよ。


ろこ:(笑)


政夫:超観たくて。どうしようかなって思っていて…一人映画で良いじゃんと言えば終わると思わないでくださいよ(笑)


ろこ:(笑)


政夫:一人映画でよくないから言っているんですよ。


ろこ:一人で観に行けばええやんけ。


政夫:なんで、こんな話しているのかというと、「何を観る」も大事ですよ、勿論映画だから。同じくらいに「誰と観る」かも大事なんですよ俺にとっては。


ろこ:(笑)おもろいな。


政夫:それを選びすぎた結果、映画を観に行ける友達2人しかいないんですよね。僕が今まで20何年生きてきて、あの時楽しかったなと思い返すことは色々あるんですけど、その中で僕が最後に映画館に行ったのが朝井リョウ原作の『何者』の時なんですよね。『何者』を観て、当時の友達は就活中だったんですよね(笑)

僕は『何者』関連で二人の人間を怒らせたことがあるんですよ。当時就活中だった友達に原作小説を渡し、読ませたという。もう一人は映画ですよね。一緒に観に行って、「今の君には大事な作品だから(笑)」と言って。あれ、ガッツリ就活の話じゃないですか。就活の人間の厭らしいところが暴かれる作品じゃないですか。自意識が、自意識で守られている部分とそうではない部分全部が露呈してしまう、みっともなく足掻いて血反吐を吐きながらもなんとか自分と向き合って前を向いていく超熱い作品なんですよ『何者』は。
当時、『何者』を観てから近場のファミレスで2、3時間ずっと『何者』の話をしていたんですよ。あの時が間違いなく幸せだったんですよ(笑)


ろこ:(笑)


政夫:超楽しかったんですよ、あの時が。僕の基準になっちゃったのかなって。

あの幸せな時間を共有できる友達ってどれくらい居るんだろうと、嫌な話ですが、友達の選別をすると結果的に二人しかいないんですよね。それって『何者』を観たからどうこうじゃなくて。その前からそうだったんですよ、僕の環境は。


ろこ:うん。


政夫:そしたら、他にも誘える奴いるのに、なんであの二人としかえたら映画行かないのかなって考えたら、俺は「誰と観る」かも大事にしているんだなって。

そうなると、『ボヘミアン・ラプソディ』は誰と観るかも大事な映画じゃんってなるんですよ。


ろこ:あんまり分からないけど、Queenの話だっけ。


政夫:伝記映画ですね。


ろこ:その後に喋りたい共有したいんだよね。


政夫:めっちゃ喋りたいです。映画を観た日は、その日眠るまで没入していたいんです。


ろこ:それ前言っていたな。全然分からんわ。


政夫:今年だったら、春に『心が叫びたがってるんだ』というアニメ映画を観まして、あれがとても良い映画だとは思えないんですけど、それでも朝の5時まで眠れなくて(笑)


ろこ:(笑)いやー。


政夫:映画を観てハイオシマイじゃなくて。映画を観終わってからが大事だと思っている派で。だからこそ誰と観るかもめちゃめちゃ大事になってくるんですよ。


ろこ:視点が視聴者じゃないよね。


政夫:なんすか(笑)


ろこ:視聴者というよりも向こう側に行くみたいな。


政夫:向こう側(笑)


ろこ:コンテンツの向こう側(笑)


政夫:新世界(笑)


ろこ:という要素もあるわけだろ。でも、確かにそういう日もあるな。


政夫:僕はそういう日しかないから、映画を本数観れなくなった感じです。10代の時は古い映画をレンタルして観漁っていましたが、20代になってから一つの作品に対する時間の掛け方、特に作品がよければよいほど引っ張られる感じ。でも、引っ張られ過ぎると朝5時まで眠れないから、ある程度の区切りは必要なんですよ。

その作品と僕の自意識の格闘なんかは、マグロ漁船の映像みたいですよ。荒れ狂う荒波の中で暴れまわっているマグロ相手に闘っている漁師さんというビジュアルを想像して貰えれば。


ろこ:想像しづらいです(笑)


政夫:なんで(笑)想像つくでしょ。マグロ漁船のドキュメンタリー結構やっているんだから。


ろこ:解決策としては、他の友達を見付ける。コミュニティとか。そういうことが面白がれる人というかさ。居そうだけどな、政夫君の伝手を辿れば。


政夫:そうでもないですよ。結構みんなサッパリしていて、面倒臭い人間少ないんですよね。こんな話してんだから、超面倒臭いじゃないですか、僕。いや、それは自覚しているんで。

ただ、映画観て楽しかったで終わりたくないんですよ。それがシンプルで感想として集約されているのは重々承知の上なんですけど、その「面白かった・楽しかった」を乗り越えた上に何かあるでしょと。
「面白かった・楽しかった」という感想に比べて、批評的な意見を差し伸べると純粋な楽しみ方から外れていると意見する人がいるんですよ。


ろこ:あー。スタンス的な話。


政夫:ポジションの話ですね。お前の純粋さと俺の純粋さ全然違うからって。軟水と硬水くらい違うよって。


ろこ:それちょっと分からない(笑)


政夫:(笑)他人の純粋さに、己の純粋さという尺度で殴ってくるのダメですよね。入っちゃ。別の話なんですよね。


ろこ:分かる分かる。


政夫:批評的な話をしている人たちが「面白かった・楽しかった」という意見を全く否定しているわけじゃなくて、ある意味、その批評的な態度を取っていることこそが、その人にとっての「楽しい」であり、「面白い」なんですよ。その姿勢こそがその人にとって純粋なんですよ。ろこさんが言ったようにスタンスの違いだけで…僕は面倒くさい側の人間なので面倒臭いくらいめっちゃ喋りたいんですよね。だから『ボヘミアン・ラプソディ』を一人で観るの勿体無いのかなって。


ろこ:なるほどね。話したらいいのに。ラジオやっているんだから、ログとして残るんだし、そういう方法もあるじゃん。


政夫:それもありますが…今回でおおたまラジオ第3回目ですけど、終わって聴き返した時に「『青ブタ』のこの辺、もっとこういう風に喋れば良かったな」ってなるわけじゃないですか。


ろこ:もう、そうだね。


政夫:話し言葉の方がリアルタイムで修正できるんですけど、言葉の数を尽くせる姿勢はとても純粋に届くと思うんですよね。だけど、思っていることの1/3も伝えられないんですよ。


ろこ:だからブログ書いて、と言っているじゃん(笑)


政夫:書き言葉だと過不足なく出来るんですよ。


ろこ:そうそう。ブログって訂正できるんだよね。


政夫:訂正はできますが、読み手と書き手のラグがあるので。話し言葉の今、例えば僕が不適切な言葉を言っても、即座に謝罪と訂正ができるんですよ。

でも、ブログで僕が不適切な投稿をしたら、他人から指摘されるまで僕が気付かなかったとしたら、そこでラグが発生しているんですよ。どっちが真摯な態度なのかは、リアルタイム性を突き詰めれば話し言葉の方が強い。


ろこ:強いかな…


政夫:でも情報量としてはどうかなって。言葉の数を尽くしきれないから。反省点だらけじゃないですか。Youtuberとしてね(笑)


ろこ:(笑)俺、その自覚ないけど。


政夫:ろこさんは映画観に行く友達、どんくらいいるんですか。


ろこ:結構おる。違う趣味から派生した。フェスからね。コミュニティというよりもグループがあって、そこからグループLINEに入り、集合参加型な感じなんだよね。俺はノータッチなんだけど。自分のエネルギーの問題というかね。自分のめっちゃ観たいという映画があっても、エネルギー的な問題で面倒臭いこともある。だから、友達はいるけど体験はしていない。
さっき政夫くんが喋っていた、駄弁っていた時が一番楽しいみたいな感覚はなったことないから、その人らとて。だから難しいな…。


政夫:そうなんですね。


ろこ:地元のツレと行くのもあまり無いからなあ。


政夫:今まで一番、一緒に映画を観に行っている友達とは長いこと色んな作品を観て来たんですけど、お互いにお互いのリズムとかを把握しているから、映画終わって外に出て、彼は喫煙者なので喫煙所に行くんですけど、喫煙所に行って彼が煙草を吸い始めるまではお互いにピリピリした感じで無言なんですよ(笑)


ろこ:それ嫌だわ(笑)


政夫:どっちが先に撃つかみたいな。核のボタンの牽制(笑)
それくらい彼が話す映画の切り口が凄い好きで、それに対して自分も、ギフトに対してはギフトで返さないとみたいなのありませんか。


ろこ:あー。作品との距離感よね。


政夫:よっぽど、彼と映画を観に行く時はお互いに気力が充実していないと中々難しくて。最近は映画観に行こうってならないんですよ、めったに。だから『ボヘミアン・ラプソディ』は彼と近々観に行くんですけど、それでも結局、スケジュールの調整で破談になったのがこれまで色々ありまして。今年でいえば『ペンギン・ハイウェイ』や『カメラを止めるな』とかね。


ろこ:DVDじゃアカンの?俺、とある友人がいて、家に遊びに行って暇だからとりあえずツタヤに行くみたいなノリが大学時代にあったのよ。


政夫:今だったらアマゾンプライムやネトフリでしょうね。大学時代って20年くらい前でしたっけ。


ろこ:随分、俺を年上にするな(笑)随分やぞ(笑)


政夫:(笑)


ろこ:喧嘩になった覚えがあるんだよね。


政夫:映画のチョイスで。


ろこ:観た映画を忘れているという。


政夫:喧嘩になった末にろこさんが妥協して友人が選んだ映画を観て、あの野郎ふざけんな馬鹿野郎と言って忘却したという感じですかね。


ろこ:そうそう。DVDは他に作業が出来るじゃん。


政夫:分かります。その自由度がアレなんですよね。ライドできないんですよね。集中して観ないと思います。自由度があるから。映画館だったら…


ろこ:空間だもんね。


政夫:その場なので全力でコミットできるじゃないですか。


ろこ:面倒臭い(笑)


政夫(笑)


ろこ:今のこの時代に、映画館に行くのは大事だと思うよ。そっちの方が大事だな。


政夫:サービスも拡張されていますものね。4DXとか爆音上映や応援上映だったり。スペシャルな演出があるから映画館は非日常。


ろこ:解決していない(笑)


政夫:だから相談しているんですよ。映画観に行く友達少ないんですけど、どうしたらいいですか。


ろこ:一個はコミュニティよね。時間掛かるけど。


政夫:こういう話していると嫌な人間だなって受け取られるんでしょうけど、顔見知りの線引きをしているわけじゃないですか。コイツとは行ける。コイツとは無理という風に。その結果、2人しかいない。嫌なポジションの話をしているわけですけど。


ろこ:やろ?


政夫:それは事実で、否定しきれない事実で(笑)


ろこ:だって面白さの強制って出来ないじゃん。


政夫:折角シェアするんだったら、「誰と」も観るじゃないですか。その結果が2人ですよ(笑)


ろこ:2人いるのは贅沢かもと思うぞ。


政夫:マジすか。


ろこ:(笑)政夫くんが理想としている形にはならないと思うけどね。話聞いて思ったけど。


政夫:ネットで適当に誰か捕まえて観に行くってやってみましょうか。結局、相談の解決策としてろこさんが言っているのは贅沢言うなってことですよね(笑)


ろこ:いや。政夫君的にその2人が楽しかったという体験があったとして、全く知らん人と行くのはアリなの?


政夫:どうなんでしょうね。


ろこ:その2人だったら、「この後」が分かっているんだろ、映画観賞的に。


政夫:要するにアフターサービスがあるということ(笑)


ろこ:言い方(笑)


政夫:確かですね。それを知っていながらも、わざわざ他の人と行くのってことに…


ろこ:でも、映画コミュニティがあるか知らんけど、そういう人を募集している感じしない?オンラインとか。


政夫:そういう掲示板とかあるんですか。


ろこ:分からんけど、俺がよく聴いているポッドキャストは映画好き集めて、今やっている映画じゃなくて過去作品が上映しているから観に行きましょうって。具体的に日程や場所を指定されて、アフターサービスまでセットで。


政夫:(笑)


ろこ:イベント的にね。やる側はそこまでセットするのが普通やん。それって強制イベントじゃないから。会社の飲み会の後のカラオケみたいな感じじゃないじゃん。


政夫:リアルだな(笑)実体験だなこれ。ブルーハーツ歌ったら盛り上がるやつだな。


ろこ:そうそう。選曲のセンスが難しいんだよね…それは置いといて(笑)

前、政夫君がコミュニティに属していると幸せになれるみたいな話。


政夫:石川善樹さんと吉田尚記アナの共著のやつですね。


ろこ:是非、プレ配信回を聴いて欲しいんだけど。政夫君が属しているコミュニティって何個あるか問題から紐解いてみる?


政夫:ま、家族ですよね。


ろこ:はいはい。


政夫:だけですね。


ろこ:(笑)


政夫:(笑)


ろこ:それはそれで悲しなるわ(笑)


政夫:5つはないです。


ろこ:そこから政夫君次第。増やしたいのかどうか。


政夫:考えていないで誰かと観に行けという話なんでしょうけど、その結果で、僕の中でアタリハズレという線引きが出来ちゃうのが嫌ですよね。こういう話をしている時点で、そこは乗り越えているんじゃないのって思うでしょうけど、僕もそこまで鬼じゃないんでね。ま、ハズレと分かる時点でポジティブであったりするんですけど。


ろこ:根深いなー。


政夫:(笑)


ろこ:普段何かを観るにあたって、モヤモヤするのは映画だけなの?例えばアニメとか。俺は基本アニメは観ないんだよね。


政夫:基本アニメを観ない人が『青ブタ』観ますか?


ろこ:だから要は俺も話したいと思って…


政夫:なんか嫌ですね。俺も話したいと思って『青ブタ』観ていると言えば、こいつきっと反応するだろうなって思われているのが嫌ですね。


ろこ:いやいやいや(笑)

でも、俺は解説してくれよみたいなメールをしたら、政夫君に訊いたらね、その数倍返ってくるんですよ。


政夫:本当、ろこさんが『ハルヒ』や『物語シリーズ』とか観ていればもっと話せましたよ。


ろこ:そうなんだ…だから違う人と映画観に行ったらそんな感じになるんや。政夫君とかが思っているのとは違うアフターサービス的な(笑)


政夫:こんな感じになる…。


ろこ:俺への紹介通話みたいじゃん。それをラジオにしているのはどうかなって思うけど。『ボヘミアン・ラプソディ』って前情報は必要になるんじゃないの?伝記でしょ?


政夫:ウィキペディア見ればいいですよ(笑)


ろこ:ボーダーが軽くなった(笑)


政夫:Queenリアルタイム世代ではないのでね。伝記映画って前情報必要なんですかね。これから映画で語るのにって。


ろこ:確かに、ジョブズの映画は結構観れたな。


政夫:伝記映画ってそういうものでは。


ろこ:これ解決するのか。


政夫:しないでしょうね。


ろこ:(笑)一人は嫌なんでしょ?


政夫:そうですね。


ろこ:一人でモヤモヤして、観ていないやつに喋るスタンスではないんだよね。


政夫:ろこさんが凄いなと思うのは、僕が観ていなくてろこさんが観た映画を、メールとか通話とかで何々観たんだけどって紹介するじゃないですか。あの辺のスタンスって凄いなって。摂取して咀嚼して他人にプレゼンするって、違う回路のエネルギー使ってないと難しくないですか。分かるんですよ。良いものを観たら誰かに勧めたくなる感覚や感情は凄い分かるんですけど。それを毎回の頻度でやっているから…


ろこ:摂取に重きを置いて、忘れる人間だから。


政夫:自分が観ていて他人が観ていない映画のプレゼンは、違うエネルギーだからあまりビジョンが浮かばないんですよね。勧め慣れていないという話なんでしょうけど、それよりも前提として誰々と共有している約束の下、誰かと話すのが僕の中では楽かなって。前提を省略できるんで。


ろこ:はいはい。


政夫:あらすじとかね。第2回で『コンビニ人間』の話をしたじゃないですか。『コンビニ人間』の物語どうこうみたいな話はあまりしてなくて、する必要がないと思っていて。ろこさん読んでいるし。それが省略できる方が楽なんですよね。
感想ブログとかであらすじ長々と書いているのって愚かだなって思うんですよ。そんなのググれば誰でも分かる情報だし、それだったらお前がどう思ったのか書けよ最初からと。そこを省略できるかどうかが大事なんですよね。だからこそ改めてゼロから相手に伝えるのは、僕の中では違う回路のエネルギーかなって。それをろこさんが毎回プレゼンしてくるから凄いなって(笑)


ろこ:(笑)


政夫:疲れちゃいます。


ろこ:疲れる…ないな。へー。どうなんだろう。ベクトルなのか…。


政夫:ろこさんのスタンスの方が引き出しは多いように見えますよね。前提の有無がないから。


ろこ:広いというかね。どっちが…どうなんですかね。

 

※11月に配信した音声を一部文字起こししたものです。

 

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どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた

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