スペインVSベラルーシの雑感
MARCA『イスコは新しいスペインを支配する』
MARCA紙『魔術師 イスコの魔法』
AS『イスコは、未来であると宣言』
MD『疑問へのゴレアーダ(大量得点)』
MD紙『ラ・ロハのカムバック』
ASのアンケート『イスコはその時、最高の選手でしたか?』
YES 82.13%
NO 17.87%
</span>
試合感想
3-0 スコア以上の完勝。
相手の迫力不足ということもあって、セスクやシルバやイニエスタ不在の穴を感じさせることもなく、終始スペインのペースで試合がコントロールされていた。イニエスタらの不在の中で、どれだけスペインらしさを見せることが出来るかという点では満足できる内容であったことは間違いないが、ユニット間やグループ間の連携やシステム全体の組み込み方は確認が出来ただけで、それ以上の収穫を求めることは難しい試合だったとも言える。相手との実力差がありすぎて、この顔ぶれのスペイン代表を図るのは難しいというのが本音。
さて、試合について。
フアンフラン ピケ ラモス アルバ
ペドロ パコ
スタメン発表から現地メディアの予想した布陣は、4-4-2だったが、試合が始まると予想された通りの4-4-2の配置。ペドロとパコが前線に、コケとブスケツが並んでドブレピボーテの形。
ベラルーシは5バック(5-4-1)の自陣撤退。兎に角、最終ラインに人を増員して、大量失点を免れたいプランが垣間見える立ち上がり。
時折、6バック(6-3-1)になったり、ラインを低くして、裏抜けさせるスペースは与えない構え。ベラルーシはプレッシングラインも自陣まで下げており、スペインのビルドアップは楽な形。ブスケツかコケを最終ライン付近に落として、ボールを引き出すこともなく中盤を制圧。いつも通り、高い位置に両SBを上げて押し込む。どれだけベラルーシが粘れるかという展開に。
基本的に、スペインの最終ラインはピケとラモスの2枚がハーフラインぐらいまで押し上げて、リスクマネジメントとしてボールサイドではないSBがつるべの動きで計3枚残し。
ベラルーシのワントップはラモス付近でターゲットマンに。そのため、空いているピケはボールを積極的に前に配球。
アルバは外に張って、イスコは中に。逆サイドのフアンフランは外のみならず内に入り、その度にカソルラが外に出ることも。
ベラルーシはラインが下がりすぎて、そこに人を動員しているために、中盤の枚数が足りておらず、スペインは簡単に間受けが出来る状況に。セリエAで見られる『バイタルトラップ』をするわけでもなく、ただただラインを下げて裏抜けを封じるのみ。居るべきところに枚数を掛けずに、ゴール前に人を集めるベラルーシ。
じわじわと攻撃する、スペインの遅攻祭り。
ワイドや中央で間受けが出来るイスコやカソルラは、ドリブルでアクセントを付けて何人かを引きつけて、ボールを叩く。そのサポート役にコケとブスケツのドブレピボーテ。
その斜め後方にポジショニングし、ボールホルダーの保険に。コケは間受けする為に、前に出たりとすることもあったが、ブスケツとともにネガティブトランジションの際のファーストディフェンダーになって、ベラルーシの反撃の芽を摘む。
イスコ、アルバ、コケのサイドでボールを回して、ブスケツはそのサイドが詰まった時に逆サイドに配球できるような位置に顔を出し、ボールを受けてサイドに振る形も。
サイドにボールがある時は、ピッチを縦に割って半分にしたかのように選手たちが中央に絞って密集し、ブスケツと逆サイドのSBがカバー兼サイドチェンジ時のために待機。
主に左サイドに重心を傾けて作って引きつけた後に、がら空きの右サイドにいるフアンフランに供給して、スペースにマイナスのクロスを送る狙いで、イスコのゴラッソとブスケツのミドルシュートを演出。
サイドを深く突き、ラインをより下げさせてマイナスのクロス→バランスの取れたブスケツとコケのファーストディフェンスでボール(セカンドボールも含む)を回収→波状攻撃、といスペイン代表のプラン。
ベラルーシは無暗にロングボールを蹴らず、危険回避の時のみ放り込むだけで、基本的にサイドからのショートパスによる組み立てが形だったので、スペインの速い攻守の切り替えにハマっていた。ベラルーシはボール奪取後にピボーテを経由してサイドに活路を見出したいが、そこをブスケツらに潰される。スペインとしてはそこを剥がされると危ないが、破られることもなく無難な展開に。まさにフルボッコタイム。
前半途中から、ペドロが右サイドや中盤に顔を出す。前線はパコが1人となってディフェンスラインに張っているのとは対照的な動きのペドロ。カソルラがまるでトップ下のように絞り始めて、空いた右サイドにはペドロ。1列目の動きというよりかは1.5列目的なプレーを見せ始める。4-4-2ではなく4-2-3-1気味に。中央により集める意味合いも。
後半からは、ブスケツに変えてブルーノ。よりハッキリとした4-2-3-1に。コケとブルーノがバランス取るように並列。
スペインの最終ラインにプレスを仕掛ける事もなく、ボール回しを静観していたベラルーシの前線達も後半からは人数を掛けてプレス。しかし、ベラルーシのワントップの脇に生まれるスペースに、ブルーノやコケがポジションニングしてビルドアップ。
前掛かりになっても依然として変わらないベラルーシの5バック(3点差になっても)だが、その最終ラインの前にはより大きなスペースが生まれているので、スペインは楽々と配球してボールを前に進める。
ブルーノも役割やポジショニングは基本的にブスケツに近いが、コケとボールサイドにポジションチェンジして、ファーストディフェンダーをコケに変更。コケの斜め後方にカバーするように位置取って、ブスケツ・コケのドブレピボーテよりも攻守の役割(チャレンジ&カバー)がハッキリしている感があった。
まあ、ブルーノよりもコケの方がネガティブトランジションの際に強さを見せることが出来るので、妥当な役割分担と言える。
その後はカジェホンとモラタを投入して、システム変更なく新顔のお披露目。
危なげなく勝利。試合終了間際に、ベラルーシに思い切って人数を掛けた足元への細かいパスでボックスに侵入されたが、それ以外は特に脅威を感じる場面もなく。
ドイツとの親善試合も控えているが、これで公式戦は来年までお預け。その時はどのようなメンバーが選ばれるか分からないが、イスコは期待の若手から中盤の新たな柱になることは間違いないでしょう。ディフェンスを苦にしない軽やかなプレーをどのメディアも賞賛。納得のクオリティと言える。後はシルバやイニエスタやセスクといった偉大な先輩を超えることが求められるが、もうその時は近づいているのかもしれない。