RADIO BOOK LAB TOKYOが終わる
ラジオが好きだ。
テレビを観る量とほぼ同じくらいラジオを聴いている。
隠しきれないインテリジェンスでクリス・ペプラーの語り口そっくりな私は、主にBBCのニュースとシャンソン特集のラジオが好みだ。
本当は芸人のラジオが殆どなんだけど。TBSラジオばかりなんだけど。朝から昼ずっとラジオが聴けるなら『伊集院光とらじおと』、『ジェーン・スー生活は踊る』、『たまむすび』のコンボを永遠に浸っていたいだけの人間。
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年末に驚愕のニュースが入ってきた。
昨年の11月からハマっていたラジオがとても残念であるが、終わるかもしれない。書店BOOK LAB TOKYOのラジオ『RADIO BOOK LAB TOKYO』である。
動画がアップロードされたら、翌日の朝にコーヒーを飲みながら出掛ける準備をして聴いていた。
書店員ならではのセレクトを活かしたラジオチャンネルで、私が書店に足を運んでも視野に入らなかったであろう分野をこのラジオのお陰で目に留まることが増えた。
もともと書店に行くことは習慣であったが、現役の書店員さんがオススメする書籍が聴ける場は貴重で。店内にはポップがあるにしても、ポップに書き切らないところというのはあるはずで。読書好きにとっては嬉しいラジオだった。
私自身、Youtubeにチャンネルが開設された直後から、聴いていた熱心なリスナーというわけでもなかったのだが。
キッカケはラジオ『ハトトカ』である。
キング・オブ・コントの結果を踏まえて「コント」に切り込んだ『ハトトカ』の第107回『「コントって何なん?」 自称お笑い好き松田が今更考えた話』を偶々聴いてから、私はリスナーになってしまった。今では更新日が癒し。
第107回『「コントって何なん?」 自称お笑い好き松田が今更考えた話』 | ハトトカ いつかあなたと文化祭
個人的な2017年配信回のオススメは以下に添付。
第九十二回『松田のバーデビュー 〜心にしみる竹鶴の味〜』 | ハトトカ いつかあなたと文化祭
第110回『スポーツ頭で考えるM-1グランプリの面白さ。 ~漫才ショーレースは生き様と浪漫の宝石箱や!前編~』 | ハトトカ いつかあなたと文化祭
第111回『スポーツ頭で考えるM-1グランプリの面白さ。 ~漫才ショーレースは生き様と浪漫の宝石箱や!後編~』 | ハトトカ いつかあなたと文化祭
ちなみに、『M-1』回の松田さんの「和牛ととろサーモンのネタ被りによる、和牛のネタの入れ替え」への言及は、『たまむすび』特別配信で大吉先生が触れていた内容と殆ど同じ。その「ネタ被り」についてラジオで言及していた芸人は大吉先生だけだったので、松田さんの鋭さが窺える。震えたね。
その『ハトトカ』に辿り着くまでにも道程があるのだけど、ザックリ言えば、中村慎太郎の『サポーターをめぐる冒険 Jリーグを初観戦した結果、思わぬことになった』を昨年に読んだから。
昨年に読んだ書籍マイベスト5に入るくらいの傑作だった(その他は順不同で
小川哲『ゲームの王国』
ミゲル・ロドリゴ『フットサル日本代表監督ミゲル・ロドリゴのフットサル戦術 パーフェクトバイブル』
デイヴィッド・ベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』
サン=テグジュペリ『人間の土地』)。
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本はいつ読んでもいい。
でも、きっと本との出会いはタイミングも大事だろう。
経験的には10代の頃に読んだJ・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』、中学生時代の大沢在昌と椎名誠『岳物語』。
お陰様で誰がどう見てもハードボイルドな男。ダシール・ハメットが似合う男になってしまった(本当はロスマク派)。
その点に限定すれば、『サポーターをめぐる冒険』は近年で最も刺さった本かもしれない。ちょうどサッカー観戦に悩んでいた時期であった。
とてつもなく揺さぶられた。ポップな表紙から想像もつかないほどの力強さ。著者の視点を通じて「12番目の選手であるサポーター」の存在を突き付ける。
著作に救われて憧憬を抱いたこともあって、本ブログでも大袈裟に良く言えばオマージュ的で、実際は著作にただただ影響を受けたまま自分語りをした記事を書いた。
まさか、このような記事を書いた人間が直後にフットサル観戦に魅せられるなんて露ほども思わず。何が起きるか分からんね。
それから中村慎太郎さんのブログを読んだり、『ハトトカ』のアーカイブを漁り、『RADIO BOOK LAB TOKYO』を楽しみにしていたのだけど、そういう運びになったらしい。
中村さんと面識は無い一読者、リスナーである私が言うのも変かなと思うが、本当にお疲れ様でした。面白かったです。
中村さん、BOOK LAB TOKYOが、今後どのような展開を見せるのか楽しみだ。