おおたまラジオ

しまいには世の中が真っ赤になった。

おおたまラジオ第1.5回『落ちた花嫁』

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落ちた花嫁 (小学館文庫)

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ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)

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DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

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ポケットモンスター 緑

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結城友奈は勇者である-結城友奈の章-Blu-ray

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2018年上半期マイベスト本 - フトボル男

桜庭一樹砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

宇野常寛が論じた「サヴァイブ系」の系譜に入る作品で、作中での「実弾主義」は生存競争における武器を持って戦うためのコミットメントを端的に表現している。

引きこもり貴族な兄=ロマン、シティな転校生=現実から離れたファンタジー、ローカルな主人公=徹底的な現実主義者の三点のバランスを描きながら、不安定な心の拠り所として「家族愛」や「親愛」をコミットの目的と対象として。

歪な依存状態=共依存により、安心と甘えが孤独と自立から距離を取り、自立して戦わないと生き残れない/中二病的武器だけでは生き残れない主人公=リアリストから、転校生=テロリストの依存状態へと展開していく。

互いに甘えることで飢餓感を和らげ、離れさせないようにしているものはまるで「砂糖」的で、強くなれない少女たちの傷の舐め合いは「迎合」そのものだ。

しかし、『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』し、戦うことができない。

砂糖菓子の弾丸=ファンタジーでは生きられないことを残酷的に知っていく少女たちの思春期を経て、大人へとなっていく通過儀礼だ。

その中で、愛とは「痛み」であることをグロテスクに表現し、ダメージそのものが愛の証明になる悲しい物語だ。

「愛」や「生」の実感を痛みでしか与えられない親子像に欠けていたのは母性であり、このアンビバレントなコミットメントを歪なまま享受できてしまう家族という形態と、実際に手段としての武器を持っていない「実弾主義」の少女が戦えないが、戦うしかない非現実的かつ圧倒的現実から目が離せなかった。

 

 編集後記

お聞き下さった方ありがとうございました。

マイクの調子が悪く、特に序盤は所々聞き取り辛いかと思います。

なので後日、文字起こししてブログに上げようかと。正直、二度手間です。

これもこれもマイクですわ!

切実に音声トラブルでおおたまラジオに支障が出ているので、える・ろこさんに迷惑をかけてしまっている感じをどうにかしないといけないのですが。

今回のおおたまラジオ番外編は『落ちた花嫁』という海外のサスペンス小説を紹介してみました。

ラジオ内でも触れているように、やや過剰に脚色した語り口になっていると思いますが、作品と作品(群)が個人的にリンクした瞬間というのは感動的です。

自分だけ勝手に腑に落ちる快感ってありふれた幸せの形の一つだと思っています。

まだ、一人喋りが慣れていないので劇的さというのは伝わり辛いでしょうが、自分的には面白い発見をした心情に近い、例えると少年時代、夏休みに近所の公園でクワガタを見付けた時みたいな。

あの時のような興奮ですよ。

私自身は虫が大嫌いなんですが。