おおたまラジオ第1.6回「ぼくのなつやすみは日本人の原風景と宗教」
ぼくのなつやすみは日本人の原風景と宗教
おおたまラジオ番外編です。またしても一人喋り。いつになったら第2回は行われるのだろうか。未定です。
今回は突発的な雑談回で明確なゴール設定がありません。
なんだか8月が終わるから夏の話をしたいなと思っていました。
夏といえば。
祭り?花火?西瓜?海?プール?BBQ?浴衣デート?水族館デート?キャンプ?
そんなの喋っても超つまらないでしょ。楽しいけど、面白くないでしょ。
で、個人レベルではなく、ビッグピクチャー的な夏を語るとなると神ゲー『ぼくのなつやすみ』がフックとしてあると思い付いたわけです。
ザックリいえば『ぼくのなつやすみ』におけるノスタルジーの体験とシェアが時代性を飛び越えるのはもはや宗教みたいなもん!って内容です。
喋っていく内に色々と爆発して、最後に『サマーウォーズ』と『デジモン』の身体性の有無における差異について喋るつもりが尺足らず。細田守の夏休み映画といえば入道雲。あのカットに蝉時雨。なんか胸がスッとしますよね。そういうのも喋る予定だったのに…やはり全体のある程度のデザインは必要だと反省。
きっとラジオ内で言及したスピリチュアル系も宗教の一部については首肯できない部分もあると思いますが、それだけ宗教観が固定化されていて本来身近なもの、だって日本は八百万の神が存在する国ですから、見えていたのに見えなくなった=大人になると見えない『トトロ』の世界ですよ。糸井重里が声を充てているお父さんにはトトロ見えないでしょ。あれ、大人になった私たちのことですよ。みんなジブリ好きでしょ。金ローでやっていたら観るでしょ。実況ツイートするでしょ。相変わらず視聴率高いでしょ。あの共有された瑞々しい夏の心象風景というのは日本人の宗教と言っていいと思います。
極め付けは『魔女の宅急便』の主題歌。トトロと順序が逆ですが。
ユーミンの『やさしさに包まれたなら』の冒頭なんて確信的。これは日本人だから書ける感覚なんですよ。
小さい頃は神さまがいて
不思議に夢をかなえてくれた
日本的価値観というのはアップデートされていっています。アナログからデジタルへ。ラジオ内でも喋っていますが、昆虫採取をしなかった私はポケモンやデジモンを捕まえていました。代替ですよ。私にとってクワガタを捕まえることはポケモンを捕まえて育てるのと同質。
それが日常的だったのにも関わらず、『ぼくのなつやすみ』はゲームで〝ぼく〟をロールプレイすることで時代と風景とライフスタイルと文化を超越して一旦立ち返らせる技術がありました。魔法です。振り向けば夏です。私には非日常的な夏の過ごし方がゲームを通して日常化したのです。
私はアナログとデジタルの橋渡しである過渡期を過ごした少年時代だったのでこのノスタルジーへの没入感を堪能できましたが、今の小学生や中学生には共有できるのかという疑問はあります。だから今後『ぼくのなつやすみ』が作られるならば私たちのような大人になってしまった〝少年たち〟をターゲットにするんだろうなと。
もう、8月が終わりますね。
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