フトボル男

サッカー、フットサル、読書、冗談をぐつぐつ!

芝浜の酒

人情噺の傑作の一つに『芝浜』がある。

あらすじはwikiよりそっくり引用。

天秤棒一本で行商をしている魚屋の勝は、腕はいいものの酒好きで、仕事でも飲みすぎて失敗が続き、さっぱりうだつが上がらない、裏長屋の貧乏暮らし。その日も女房に朝早く叩き起こされ、嫌々ながら芝の魚市場に仕入れに向かう。しかし時間が早過ぎたため市場はまだ開いていない。誰もいない美しい夜明けの浜辺で顔を洗い、煙管を吹かしているうち、足元の海中に沈んだ革の財布を見つける。拾って開けると、中には目をむくような大金[1]。有頂天になって自宅に飛んで帰り、さっそく飲み仲間を集めて大酒を呑む。

 翌日、二日酔いで起き出した勝に女房、こんなに呑んで支払いをどうする気かとおかんむり。勝は拾った財布の金のことを訴えるが、女房は、そんなものは知らない、お前さんが金欲しさのあまりに酔ったまぎれの夢に見たんだろと言う。焦った勝は家中を引っ繰り返して財布を探すが、どこにも無い。彼は愕然として、ついに財布の件を夢と諦める。つくづく身の上を考えなおした勝は、これじゃいけねえと一念発起、断酒して死にもの狂いに働きはじめる。

 懸命に働いた末、三年後には表通りにいっぱしの店を構えることが出来、生活も安定し、身代も増えた。そしてその年の大晦日の晩のことである。勝は妻に対して献身をねぎらい、頭を下げる。すると女房は、三年前の財布の件について告白をはじめ、真相を勝に話した。

 あの日、勝から拾った大金を見せられた妻は困惑した。十両盗めば首が飛ぶといわれた当時、横領が露見すれば死刑だ。長屋の大家と相談した結果、大家は財布を拾得物として役所に届け、妻は勝の泥酔に乗じて「財布なぞ最初から拾ってない」と言いくるめる事にした。時が経っても落とし主が現れなかったため、役所から拾い主の勝に財布の金が下げ渡されたのであった。

 事実を知り、例の財布を見せられた勝はしかし妻を責めることはなく、道を踏み外しそうになった自分を真人間へと立直らせてくれた妻の機転に強く感謝する。妻は懸命に頑張ってきた夫をねぎらい、久し振りに酒でもと勧める。はじめは拒んだ勝だったが、やがておずおずと杯を手にする。「うん、そうだな、じゃあ、呑むとするか」といったんは杯を口元に運ぶが、ふいに杯を置く。「よそう。また夢になるといけねえ」

 

 

良い話だ。

『芝浜』というと立川談志のもんという認識がある。談志は『芝浜』をはじめとする落語と格闘した生涯をおくり、演者立川談志のみならず評論家立川談志として芸談・落語論を披露してきた。

芸について語りたがらない落語家もいる中で、常日頃に落語と鍔迫り合いをした談志は晩年に『談志 最後の根多帳』でこう書いている。

「談志ほど落語に興味を持った者は、過去一人も居るまい」

 

 

 

初めて『芝浜』を観たのは、先輩たちの劇だった。落語ではない。

『芝浜』を題材にした劇は圧巻の一言。今となっては美化されているかもしれないが、あれほど良いもんを仕立て上げた先輩たちに、初めて年上に尊敬の念を抱いた。

「たかが2つくらい早く生まれただけでイキるな阿呆」という主張を取り下げた記念日だ。

未だに観劇の趣味は無いが、素人のもんでも圧倒的なストーリー性。正直に捩じり曲がっていた10代前半、「劇なんてくだらねえ」と思っていた時分、死角から繰り出されたアッパーカットは脳天をぐるんぐるん揺さぶり回した。よう回った。

あの『芝浜』は未だに友人たちと語り草である。

あれ以来、私にとって『芝浜』は特別な噺になった。そして、立川談志との出会いとなる。

談志は「落語は業の肯定」と言っていた。本質的よりも一人歩きしている感は否めないが、他にも『イリュージョン』やら『江戸の風』といったワードを遺している。

しかし、『芝浜』などの人情噺は「業の肯定」とは言えない代物である。その点を「談志の自己矛盾」と指摘されるのもしばしばだった。

落語評論家の広瀬和生は「それでも『芝浜』を演らなければならなかったのが談志の業」と評した。

『芝浜』は「業の否定」とする向きはある。金拾ったら、使うでしょ。夢にされたって酒は辞めないでしょ。飲むでしょと。

しかし、「そういう状況になっても、辞められるんだ、使わないんだって風に捉えると、談志は凄く人間を優しく見ていたのでしょう」と言ったのは三遊亭兼好だ。

『芝浜』をはじめとする噺から、談志の人間観が透けて見える。

「落語は人を殺さない」という談志の言葉にあるように、世間的にはどれだけ毒舌を吐いて七面倒臭い家元のイメージが付き纏っていても、これほどまでに落語を通じて談志の素直な人間愛といった情念が滲み出ているのは揺るがない。

 

 

 

さて、『芝浜』のクライマックスについて。

妻が芝の浜で拾った財布の秘密を告白した後、久しぶりに酒を飲むかいと勧める一節。

夫は注がれた酒をみて「いい色だ」と目で堪能する。久しぶりの対面に感激しながらも、思い止まってサゲの名台詞が出るわけだが。

ここで一つ思い出したことがある。

昔、居酒屋で知り合いに「酒は飲めんの?」と訊いた。

「イケる口です」

「辛口がいい?甘口がいい?」

「は?」

 ここで話が通じていないことに気付いたわけだが、酒っていうと日本酒を指すのは常識だと思っていた。

じゃあ、お酒ってのは? 日本酒以外だと。

勿論、『芝浜』の酒は日本酒だ。変でしょう。芝の浜がどうだこうだ言ってんのにワインやらジンだったら。ま、灰皿にテキーラよりかはマシ。

黄金色を楽しむってことでビールだったらワンチャンあるか。いや、ギネスだったらどうなるか。何にはしても酒の席にビール瓶は危ないからどかさないと。

『芝浜』を海外で公演する際には字幕が出ると思うんだが、その場合はSAKEかJAPANESE SAKEなんだろう。SAKEが外国人にウケているってのも見聞きしたし。出来れば前者であって欲しいが。

落語を英語で演るって時も前者であって欲しいな。だってSAKEの方が語感がいいじゃない。JAPANESE SAKEは冗長だから避けてくれ。

 

 

少し私用が落ち着いたのでごゆるりと飲もう。落語を聴きながら。お酒はほどほどに。

AFCフットサル選手権2018を終えて フットサル日本代表へ

正直に書こう。

代表は結果が全て。

タジキスタン戦の内容の悪さよりも勝ち点を得たことの方が大事である。内容の悪さが目立っていた序盤から試合を重ねていく毎に仕上がっていった日本は、アジアのトップを賭けたイラン戦で力尽きた。

悔しい。

 

 

フットサル観戦歴1年目の新規ファンである私は、ブルーノ・ガルシアの日本代表の今までの試合を自分なりに纏めながらブログで追い掛けた。

モチベーションはアルゼンチン代表に興味があったから。

Fリーグを初めて観た今シーズン。

日本代表の選手たちを把握できるくらいにはチェックしていたが、日本代表よりもW杯王者なるアルゼンチン代表への関心が勝っていた。

そして、アルゼンチン戦2試合を書いた後の次なる目標はイラン戦、つまり決勝で日本が戦うであろう相手を目標にAFCフットサル選手権を書き続けようと思った。

私は、一度スイッチが入れば短期間だけ集中的に行える癖がある。それは逆説的にいえば大半がオフのままで飽きやすいだけなんだが。

 

フットサルは、サッカーよりもスケジュールがタイトである。バーレーン戦、イラク戦に至っては連日の日程だった。決勝の打倒イラン戦を目標に試合毎に纏め上げると自分に課したが、タイトなスケジュールに勝手に追いやられていた。

途中で「俺、なにやってんだろ」と思うくらいに、たかがブログなのに趣味よりも義務感が生じるような気味の悪さ。

それでもなんとかイラン戦までに辿り着いた。

日本代表は、イラン戦直前の準決勝のイラク戦時点でチームとしての一体感が出来上がっており、セット毎、チームの成長が見て取れた。

その形をブログに書き殴っていたら、日本代表への想いも強くなっていく自分がいた。キッカケはアルゼンチン代表から始まったものだったが、いつしか日本代表の勝利に安堵し、気持ちが良かった。

目当てのイラン戦がおじゃんになるから? いや、そんな計算は無くなっていた。

そして、イラン戦。

清々しいほどの完敗だった。

相手のイランはアジアを超えてワールドクラスである。W杯を狙えるチームなのだから、親善試合のアルゼンチン戦の結果だけをみれば日本が負けるのは別に不思議なことでもないかもしれない。

しかし、アルゼンチン戦からイラン戦まで重ねてきた現代表としてのキャリアは、着実に成長をしている部分を示していた。

もしかしたら。そんな夢を見るくらいには。

悔しい。

後半は涙が出そうになった。

現地まで足を運んで声を枯らして応援しているわけでもないし、特別に思い入れのある選手がいるわけでもない。

日本代表が仮にイランに勝利したとしても、日本フットサル界の止まった時計の針の重さとかよく分からないし、私の日常生活になにかプラスになるわけでもない。それは同時にマイナスになることもないわけだが。

ただただテレビの前で観ていただけだ。

それなのに、なんでこんなに悔しいのだろうか。

きっとこの1年でフットサルに魅了されたからだろう。フットサルの素敵なところ、改善しないといけないところが分かるようになってきたこの1年で、最も試合の結果に一喜一憂した。

 

フットサル日本代表の試合を観たのは今回が初めてだった。

フットサルを観る前、1年前の私は知らなかった選手たちが日本を代表として戦った試合を記録した。

それだけだった。

無力だ。

それが悔しさに拍車を掛ける。何もできないもどかしさだけが残っている。

なにか力になれないだろうか。

さきほど、日本代表が勝とうが負けようが私の日常に何かしらの作用が働くものでもないと書いたが、撤回する。

イラン戦から、悔しさで彩られている。ネガティブ一色。

今は悶々と耐え忍ぶしかないのだろうか。時間が癒してくれるのだろうか。

無力である。

 

 

今はイランに勝てないかもしれない。いずれイランのような高みに辿り着くと信じるしかない。

アジアを超えて世界を狙うチームになるために、代表は次に進まないといけないのだろう。そのためには協会を含めた環境整備に危機感を抱いているのは、ブルーノ・ガルシアのコメントにあるように。

日本フットサル界が次のステップを歩むことを信じて、私個人でも何か尽力したい。決して日本フットサル界に何かを投じようといった使命感やら責任感はないし、改革のキャンペーンをやるような影響力もない。

それでも、新たなに進むために何かやってみたい。

個人でどうこうなる簡単なものではないし、驕っているわけでもない。私が何かしたところで何かが変わるわけでもないだろう。

しかし、なにも出来ない無力感が和らぐなら喜んでやる。

日本フットサル界のためと言いながらも、自分のためなんだと思った。人間だから打算が働いているだけかもしれない。

それでもいいと開き直っているのが今。何かを進めるなら今だ。

イラン戦の後半から試合が終わるまでの時間に湧いた気持ち。もう味わいたくない。

2年後、フットサルに携わっている人たちが笑っていられるように信じながら、今から動くしかないと思った。

 

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AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsイラン代表① 最高の前半だった日本 - フトボル男

 

後半

日本は1stセットから。

イランはプレッシングラインを下げて、スコア優位性からくる心理的な力関係とシンプルなピヴォ当てで攻撃。

イランのキックオフ直後、3-1でのサイドからサイドへのボールに対しての西谷の寄せの速さ。パスを受けた選手は懐でグッと持ち替えて西谷の矢印をズラしてサイドを突破。サイドを運びきられないように中央にいた森岡、そして対面の西谷の2枚で挟もうとするが、森岡の股を抜くサイドチェンジのパス。森岡、西谷、逸見、滝田の全員がボールウォッチャーになってしまって、イランのウィークサイドのバックドアに反応出来ないシーン。サイドチェンジの横パスが、縦のピヴォ当てと同じように視野をリセットさせる効果があることを示した。

 

  • 18:56 イランの2点目。日本陣地でキックイン、3-1でのポゼッションを図ろうとしたが、イランは高い位置からのプレッシング。サイドチェンジで横幅を使って逸見のエントレリネアスから起点になろうとした瞬間、逸見のライン間への移動のスピード、走路の工夫が無いままなのでマーカーが剥がれていない。逸見のマーカーは少し空けさせてから、逸見に入った瞬間にスピードを上げてプレス。身体の角度を限定させて逸見のアウトサイドのパスラインを読んでいた2枚目のDFの連動からイランのショートカウンター。日本のDFの1-2列間、マークのズレによる右サイドのスペースを使ったイランは、ボールに対応している日本のDFの死角となっている右サイドの角を取って落としをシュート。シュート力の違いがそのままゴールに結びついている。

 

  • 18:21 星、吉川、森岡、室田といったセットの組み方。
  • 17:47~ イランのピヴォ当て後の日本のカウンターシーン。イランのピヴォをプレスバックで囲む日本のDFのトランジション。起点はイゴールから室田へ。状況は3v2の日本のカウンターであるが、運び役の室田が中央レーンを抑えていないので、3レーンを使えずにサイドがダブってしまっている。イランとしては1-2列間を使われているシーンであるが、1列目の戻るべき中央のスペース、2列目のDFがサイドでコースを切りながら、時間を掛けながらDFをするリスク管理が見て取れる。
  • 17:05 皆本、吉川、星、室田のセット。その後、室田は清水と交換。

日本とイランのトランジションの速い展開が続く。イランはシンプルなピヴォ当てから。日本はそのピヴォ当てを奪ってカウンターなど。ボールを落ち着かせるかどうか。星はスペースへのアタックを狙いつつ、吉川はアラとしてのサイドでの受け方と運ぶための工夫をしているシーンがあった。

  • 15:40 皆本のウィークサイドのバックドア。星のライン間の移動とサイドチェンジのボールでイランのDFがボールウォッチャーになっている。吉川からの対角へのロングボールで皆本をスペースに走らせる。イランのDFはボールとウィークサイドの皆本を一度に視野に収められない姿勢なので、どうしてもリアクションが遅れる。皆本のゴール中央へのクロスには詰められず。

イランはクリアランスやゴレイロを使ったロングボールでピヴォ任せ。ピヴォのキープを信用して、ある程度日本のラインを下げさせてから、イランの2列目がサポートに出る順序なので、イランのピヴォは孤立気味。だから日本のDFとしては囲いやすいが、さきの時間帯とは違ってイランはラインを下げているのでピヴォ当て後のカウンターが狙えない。しかし、イランは陣地が回復できないので、日本がボールを握る展開になる。クワトロで持ちながら、どこを基準点にするか。サイドでの受けた時のボディアングルと攻撃のスイッチになる縦パスのタイミングとパスライン作りをボールを動かしながら、選手もポジションを動かす。横幅で広く使いながら、ライン間を取ることで深幅が取れない日本。ピヴォの要素をどのように使うか。ただ、ライン間を使っているのでイランのDFは上げられない。無理をしてラインを上げる必要もないのはスコアの優位性。

 

  • 14:15 イランの浮き球処理を奪った日本のトランジション。ポジションのバランスを取りながら、イランのハーフに敷いているDFのライン設定を崩せるかどうか。イランの1列目のDF、星のマーカーを逆を取る星のピサーダによる2v1でのサイドの優位性、時間を得るためにバックステップでリターンを受ける星からウィークサイドを埋める吉川へ。サイドからサイドへではなく、一度中継点を挟むとイランの2列目のDFもマークがしやすい。

 

  • 14:08 逸見、森岡、滝田、仁部屋のセット。

今大会の日本のOFのオプションでもある左サイドでの逸見―森岡のペアが活かせない。逸見が右サイドから旋回して左サイドへ流れるイメージとしても、前線で起点になる森岡がボールを収めるのに苦戦しているので、日本としては時間を作れない。そして、イランはシンプルなピヴォへのボールを集めるので、日本のDF1枚では恐いから1列目のプレスバックが欠かせない。イランのピヴォを囲んで奪っても、森岡などのポジショニングが下がっているので基準点自体が低いままで、イランを押し込むためには一工夫が必要となる。そのための逸見のサイドでのドリブルや森岡のキープ力になるのだが、そのペアの長所が発揮できない日本。

  • 12:40 イランのカウンター。イランとしてはDFラインを下げて日本のミスを誘うことで効率よくカウンターを狙っている。スコアの優位と残り時間の優位から、日本の集中が切れる瞬間に仕留めるイメージ。イランのボール保持者に対して滝田が中央を抑えて、ニアをイゴールで消すように対応したシーン。

 

  • 11:56~ 仁部屋のアイソレーションからイランのカウンターへ。ボールラインまでの撤退を求められる日本のDFとスペースへアタックするイラン。サイドを起点に、サイドに膨らみながら斜めのパスラインを作りつつ、サイドからサイドへのパス。ペアの関係性だけで日本のゴール前まで侵入したシーン。リスク管理も徹底しているイランなので、その直後にセットを交換した日本に対してプレッシングラインを上げて対応。星、吉川、西谷、逸見。

3-1でのボール保持から吉川→星へのピヴォ当て。星のマークの外し方と受ける位置によって吉川のランニングのスペースを作っているからこそペアの関係性でシュートまで持って行ったシーン。その後に逸見と室田を交換。

 

  • 11:18 イランの3点目。イランのエントレリネアスに対して日本のDFの足が止まったシーン。誰が絞るのか? 中央ゾーンをドリブルで使われてDFとしてはラインを下げるしかない。DF2枚が釣れたタイミングでウィークサイドのフリーの選手にパスを出すことで、DFが付き切れない。DFの数が足りていない=スライドが間に合わないスペースと時間を与えてしまい、失点。シュートも凄かった。

 

  • 10:00 西谷から星へのピヴォ当て。西谷のウィークサイドへの移動。星から吉川へ。ピヴォ当てによってラインが下がっているイランのDFはサイドに偏っているので、ウィークサイドが空いている。西谷の非言語コミュニケーションからバックドアは、イランの2列目のDFに読まれてカットされるが、その後のトランジションでの吉川のプレッシング。西谷の裏のスペースをケアするDFの速さが見事。

 

  • 9:11 皆本、清水、逸見、仁部屋のセット。

清水が深幅を取れるピヴォなので(直前にもサイドに流れて受けた後の反転からシュートまでいけていた)、アラとして突破力が求められている逸見、仁部屋を起用。ピヴォ、アラ、フィクソの関係性を明確にしていた組み方。仁部屋や逸見に仕掛けさせるためにはどのようにカバーリングのDFを消すかが大事。清水を起点にストロングサイドを構築してから逆サイドへの展開なのか。清水がサイドに流れることでDFを釣って、日本の2列目の選手がスペースへアタックするのか。ピヴォ当てからの連動なのか。

 

  • 7:54~ 気になるシーン。
  • 7:28~ イランのカウンターシーン。逸見、皆本のピサーダでの2v1からボール前進。イランのDFのバランスが崩れているのは中央寄りとライン設定が低すぎるから、1-2列間が分離している。ドリブルをしている皆本にとっては選択肢が多い状況で、3レーンを抑えている(仁部屋、渡邊)から幅も取れているが、ボールを奪われて3v2のカウンターを食らい、ポストに救われた。イランの中央スペースが空いていたことから皆本のドリブル判断、スペースを使うための前掛かりな攻勢は3点差という劣勢から引き出されるもので、イランとしてはそこを突くためのカウンターを準備していればいい。

 

  • 6:49 イランの日本のプレス回避としてのウィークサイドへのロングボールでの好きなシーン。渡邊がウィークサイドをケアしてヘディングで1列前の室田に繋ごうとしたボールをイランの3番にカットされたシーンであるが、本来ロングボールのターゲットはこの3番であった。しかし、渡邊がスペースに入ってケアしてヘディングで繋ぐことを読んだ3番は渡邊と競り合わないでヘディングのパスコースにポジショニング。勝てない勝負をがむしゃらに仕掛けるのではなく、先読みでリカバリーするセンスが好き。その後の室田のプレスバックも集中しているからこそイランのミスを誘った。

 

  • 6:14~ 吉川から渡邊へのピヴォ当て。吉川が抜けてイランの1列目のDFを押し下げる。そこを起点に室田のアイソレーションへ。渡邊はニアに移動して室田にとってのカバーリングのDFを消して、吉川はセカンドポストへ。ウィークサイドの西谷のポジショニングがあるから、イランの1列目のDF間は空いている。そこを目掛けて室田のカットインからシュートまで。その後のイランのカウンター。カウンターのスペースは室田の裏。逆FP(このシーンでは西谷)のウィークサイドのバランス、絞りが緩いのは今大会の日本の特徴でもあるので、裏のスペースをケアするのはイゴール

 

  • 5:23~ 日本のPP 今大会初めてのPP機会でもあった。セットは皆本、仁部屋、星、清水、吉川。2-1-2の形で2列目のボールの回し方、サイドの角の取り方を探る日本。イランはDFラインをそこまで上げない構え。イランのライン間にポジショニングしている味方をどのように使うのか。ストロングサイドのブロック役として角へのパスラインを作るためなのかが曖昧なので、角を取る選手のポジショニングも浅い時もあった。その後、1-2-2の形に修正した日本。左利きがいないのが悔やまれる。こういう時に真価を発揮してほしかったのは斎藤なんだけど。

日本が連続的にPPを行えないようにボールを取り上げるためにぷらっシングラインを上げるイラン。ボールを奪ったらゴレイロまで戻してロングボールでのピヴォの優位性からキープで時間を削る。

タイムアウト後の日本のPPのセットは森岡、室田、逸見、西谷、渡邊で1-2-2の形

  • 2:57~ 逸見から室田へ。西谷と逸見のポジションチェンジ+西谷のストロングサイドの1列目のDFをブロックすることで1列奥を取った逸見への一枚飛ばしとなる。マークのズレが起きないように2列目のカバーで対応したイランのDFは逸見の右足を切りながら寄せている。セカンドポストには渡邊がいるが、そこは消されていた。
  • 2:37~ 渡邊がライン間に入ってブロック役になることで西谷が角を取ったシーン。角を起点にイランのDFの全体を下げさせて、逸見経由で室田のミドルシュート
  • 1:59~ ライン間でブロック役の渡邊と西谷のポジションチェンジから角を取ることでイランのDFを崩したシーン。イランがボールウォッチャーになる部分とDFの死角を突いた渡邊のポジショニングから生まれたチャンス。

その後のイランのDFの1-2列間の圧縮でライン間を消す修正。角を取られるのは割り切ることでコンパクトにDFしている。

  • 47秒 吉川、渡邊、森岡、逸見、西谷によるPP 森岡が持つことでイランのDFを引きつけることで生まれた逆サイドのスペースへアタックした吉川の判断に対して身体を投げてシュートブロックするイランの1列目。セカンドボールを拾われてPP返しから4点目。PP時のミドルシュートでの終わらせ方の難しさというかリスクであるが、残り時間から悠長にボールを持っていられない焦りと使命感、そして責任感。今大会でチームをプレーで牽引してきた吉川がPP返しの起点になったというのは残酷だ。あれだけチームを支えてきた選手にフットサルの神様は微笑まないということなのか。センチになるくらいには切ない終わり方だった。

悔しい 。まだ悔しさが残っている。

後半のイランの強さは尋常ではなかった。イランがラインを下げてカウンターでギアを入れるタイミング。これは前半終盤に先制したことによるスコア優位性だろう。

日本としてはあれだけ仕上がっていた集中した内容でも1点も取れなかったことを踏まえると、前半以上のものを求められる。スコアは既に劣勢という事実からくる心理的負担。

ゲームを壊さないように大事に運ぼうとするリスクヘッジと保守性、必要な状況でのリスクを掛けた攻撃性といったバランスから、フィジカル的にもメンタル的にも思考が鈍るハードな後半。

イランの上手さが際立った。

シーズン終了直後からの過密スケジュールを言い訳にするものではないかもしれない。それを口にすることは、ここまで辿り着いた選手たちを軽んじるものだろう。

日本は懸命に戦ったが、勝てなかった。

2年後を見据えて人選は変化するだろう。このメンバーで臨む最後の機会になるかもしれない。

環境整備や選手年齢の高さについてブルーノ・ガルシアは警鐘を鳴らしているので、積極的な若手起用が増えると思う。

どうなるか分からない。しかし、次に進むことは確かだろう。

Fリーグのシーズン終了から、フィジカルとメンタルが休む間もなく代表戦が始まり、試合続きだった日本代表の皆さまお疲れ様でした。

次こそは。

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsイラン代表① 最高の前半だった日本

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsイラク代表 仕上がってきた日本と逸見の異能 - フトボル男

試合を経ることで日本代表としてのチームの一体感は増していき、仕上がり具合はイラク戦で上々だったと思う。

アルゼンチン戦から数えて8試合目。チームとしての成長が見て取れた今大会。順当に勝ち上がり、正直イランを除いて決して難しすぎる相手とぶつかってきた訳ではないが、盤石な体制のまま迎えた決勝戦

そして、決勝の相手はイラン。

結果的には0-4の完敗だった。今も書きながら悔しさが尾を引いている。後半に至っては泣きそうになった。少年マンガなら逸見や室田が覚醒して打開する展開になるのだろうが、現実はそうは上手くいかず。

しかし、前半の日本はブルーノ・ガルシアの日本代表で最もパフォーマンスが良かったと思う。インテンシティを維持するように高速でセットを流動的に回して、イランにぶつけた日本。

前半の日本は今大会一番の集中力でDFを遂行。良い守備から良い攻撃は生まれるといったように、先制点を奪っていれば、プレーテンポを維持したままスコア優位からゲームを進められたと思うほどに調子が良かった。

それだけに悔やまれる。現場の選手たちも手応えを感じていただろうし。
日本のDFの堅実さは強みであったが、得点力という部分は最後まで突き付けられた。

一方で、前半でリードしてから、後半のイランの試合運び、スコア優位を利用した試合巧者には成す術が無かった。それだけに前半での失点の仕方、時間帯が痛恨となってしまった。仮定の話は勝負の世界では非現実的で尽きることはないが、どうしても…。

また、これまでの試合で日本のストロングポイントとなっていた1stセット(森岡、西谷、逸見、滝田)の長所をイラン戦では引き出せなかったのも痛かった。

左サイドでの森岡ー逸見のペア、森岡のキープ力、逸見のドリブルによる質的優位が封じられてしまい、森岡としては一番大人しい試合になってしまった。日本のピヴォへのマークが厳しく、今大会、森岡が最も潰された試合となった。

また、イランのピヴォを潰すためのフィクソ不足を痛感させる試合でもあり、ピヴォーフィクソの縦関係の構築がこれほど大変な試合は、今大会ではイラン戦しか無かったのは痛い。フィクソ不足は前述の記事で触れていたが、イランのピヴォを相手にするとなると更なるスケールが求められる。

イランの選手の懐の深いキープ、遠い足と足裏の使用で日本のDFのリーチでは厳しい場面が目立つ一方で、日本のFPの死角から足が伸びるイランのDFのリーチも難しかったと思う。

そういったリーチを活かした対人のDFがハードなコンタクトだったイランのファウル数が前半の早い段階で3になった後から、審判の基準が変わったことで試合の流れも動いたと思う。

日本としてはピヴォを基準にしつつも、イランの背後を狙うOFであり、イランはピヴォへの信頼から作られたOF

ゴレイロのロングスローが重要なファクターとなっていて、イランは「表」的なピヴォ当て。日本はイゴールから「裏」へのボール。詳しくは後述するが、イランの先制シーンはイゴールの「表」へのロングスローをカットしたことによって生まれたもの。

 

前半

日本は1stセットから。イランは3-1のセット。

キックオフ開始直後の日本のサイドチェンジからの逸見のピヴォ当てがカットされたシーン。強いチームの特徴として、アラーアラのパスに対する逆DFの寄せの速さと1列目のDFがどれだけサイドチェンジのパスラインを消しているかどうかが一つの目安だと思っているが、イランは日本の3-1に合わせて1-3で守る際に、どうしても逆DFは中央のスペースをケアすべく絞り気味になる必要があるので、サイドチェンジ後のアラへの寄せは物理的に遅れるわけだが、このシーンから分かるように速い。ちなみにサイドチェンジのパスラインを消してしまうというのはアルゼンチン代表がそれだった。イランはハードなDFでの球際の強さ。ボール保持者が背中でボールを守っていても後ろから足がギュっと伸びて出てくるような部分が顕著で、足のリーチを活かしたDFが目立つ一方で、細かいパスラインの消し方といった組織的なDFはアルゼンチンの方が印象的。

 

  • 19:50 西谷から森岡へのピヴォ当て。森岡の質的優位のキープ力で勝ってきた局面であったが、イランのDFに潰されたシーン。この試合を象徴するような一つの場面で、森岡の潰し方はこれまでのチームに比べるとハードすぎた。

 

  • 19:33 イランのエントレリネアスを森岡のプレスバックでボールを奪った後のイランのDF プレスバックで奪われたDFともう一枚のDFでの挟み込みからジャンプ。スペースと時間を奪うイランの寄せ方。

 

  • 19:15~ 日本の集中したDF ピヴォを降ろして旋回するイラン。ロングパラレラの要領でサイドに流れたイランの3番に付き切った逸見。

 

  • 18:26~ イランのピヴォ当て。日本の1-2列間を通すサイドチェンジ。日本のDFの撤退によるイランのスペースの確保から、日本の1列目を下げさせることでピヴォへのパスラインを作り、もう一度ピヴォ当て。

 

イランのセットプレーが続く。日本のラインが下がっていることから、シュートブロックなどでクリアが浅かったりすると、セットプレー地獄になる。仕方ないこと。イランは空中で点で合わせるようなデザインも。

イランの14番の安心感。イランのピヴォに対する日本のフィクソ不足。ボールが収まるので無理が効く。それに対してキープをさせないように森岡への潰し。日本がウィークサイドでのバランスを考えて、強みの左サイドでのスペースが狭いまま森岡-逸見のペアが活きずにセット交換をした17:19 2ndセットへ

 

  • 16:56~ 日本のセットプレーからの被カウンターシーン。イランのカウンターの起点になる選手のドリブル、DFの背中を取る動き、清水の中央スペースへの戻り方、斎藤のセカンドポストへの侵入を図ろうとするファーのイランの選手と中央のスペースの中間の取り方によるケアが良い。

 

  • 15:13~ 室田から皆本へ。室田のパラレラ。皆本から清水へのピヴォ当てによるストロングサイドの構築から、室田のオーバーラップでDFを釣って清水に時間を与える→吉川へ。サイドからサイドへ、吉川の中ドリに合わせて清水のブロック。吉川から皆本。ボールを受ける準備でのスペースの確保をしている皆本とエントレリネアスをするために抜ける動きのフェイクでマーカーを下げさせた吉川の工夫。吉川への選択肢としては皆本とのワン・ツーと清水へのピヴォ当て。

 

  • 15:00~ 日本のセットプレー後のイランのカウンター。日本の撤退とウィークサイドにいた皆本の中央を埋めた後のコース切り。その後の日本のプレッシングの矢印をズラそうとドリブルで剥がそうとするイランのプレス回避に対する日本のリアクション。1列目のDFがズレても、イランにサイドを限定させることでスペースを潰す。裏へのボールにはマーカーに付き切ること。日本の良いDFのシーン。

 

  • 13:57 セット交換をするために一部シャッフル。吉川、仁部屋、星、皆本。クワトロでの裏抜け。皆本から星へ。皆本の裏へのパスはイラク戦でも目立っていた。

裏を取られたイランのリアクションとしては、ゴレイロのカバーとDFの撤退。クリアランスになれば、ゴレイロのロングスローから前線へ。陣地の回復とピヴォへの信頼感。浮き球処理もある程度の無理が効く選手が揃っている辺りはアルゼンチンを思い出す。ゴレイロからピヴォのパスラインが効果的であるから、日本のDFとしてはどうにか対応しないといけない。クリアの優先度も高くなり、ラインが下がり、被セットプレーの機会も増える。

 

  • 12:54 森岡、逸見、皆本、仁部屋といったセットの組み方。12:50~ イランのプレッシングを回避しながら裏を狙うシーン。イゴールを使ったことでイランのDFの数が合っていないことから得られるサイドの時間、仁部屋のドリブルでDF2枚を引きつけて、皆本をフリーにさせる。裏へのロングパスの準備。逸見のダイアゴナルな裏抜けでパスを引き出したシーン。DFの死角からの移動だからこその効果的な動き出しであった。
  • 12:40 皆本に替えて滝田を投入。

自陣でも敵陣でもピサーダが効果的なシーンが2回続いた日本。イランのDFを引きつけることで2v1を作るピサーダのパスラインの有能性。

 

  • 11:52 イランのピヴォ当て。ピヴォのキープに対して逸見と森岡が対応。イランの選手がピヴォの外をオーバーラップすることで、中を切っていた逸見が引っ張られて中へのパスラインが空いたシーン。イランのウィークサイドの選手が滝田の前に出るタイミングと三角形のバランス。森岡、逸見のマークの交換をするべきだったのか否か。

 

  • 11:13 逸見、清水、西谷、吉川といったセットの組み方。
  • 10:50 イランのセットプレー後の日本のカウンター。イゴールが起点となって清水のシュート。1-2列間へのカットイン、西谷のセカンドポストへの侵入も。

 

  • 10:02 日本のキックインに対するイランのプレッシング。3-1から、西谷の中ドリに対しての逆サイドのサポートが無いが、吉川が周ってサイドを埋めることで2v1のピサーダの連動が起点になる。清水のエントレリネアス、室田のライン間への移動でプレスに掛からず。イランのDFが撤退しているスペースを使いながら、清水のダイアゴナルランでサイドのスペースを空けて、室田のドリブル。ドリブルでDFがズレるのでイランの2列目はスライドしないといけない。そのスライドしたDFの背中を取る清水のポジショニングからの決定機。イランのDFが足りていなかった状況であったが、ゴレイロのカバーと詰め切るためにゴールに侵入した室田を離さないDF

 

  • 9:10 吉川、皆本、仁部屋、星のセット。

流動的で速いテンポでのセットのローテーションでDFの強度を維持しようとしている日本。プレッシングが効いている。

 

  • 7:48 イランの旋回でのプレス回避。偽ピヴォとピサーダの組み合わせでサイドで2v1を作ることで、サイドチェンジの時間とスペースを確保。イランの抜ける動きに合わせて日本のDFが撤退するラインと前に残るラインの2-2となったシーン。1-2列の分離、2列目のカバーリングが作れていない状況を判断したイランのドリブル突破からのシュート。

 

  • 6:56 森岡、皆本、仁部屋、逸見のセット。森岡へのピヴォ当てシーンが2回続く。仁部屋―森岡のペア。ピヴォ当て前の仁部屋のDFのズラし方とキャンセルから、森岡とDFの1v1を作るために2枚目のDFを消すために抜ける。左サイドでの森岡のピヴォ当てから質的優位で作ってきたシーンであるが、DFに潰されるところの難しさ。しかし、DF面ではイランのピヴォへのマーカーになることが多い森岡のリアクションは良い。
  • 6:00 室田、森岡、吉川、滝田のセット。

 

  • 5:49~ イランのピヴォの収まり具合がオカシイ。5:43~も。吉川との距離を作ってからのコントロール。ピヴォに入ったことによる日本のDFの撤退。イランはアイソレーションをするために、ウィークサイドのバランス、滝田のカバーリングを引っ張るポジショニング。室田―森岡間が空き過ぎているので、カットインの選択肢としては余裕。

 

  • 5:17~ イランの速攻。3レーンの活用から、サイドのドリブルの時間で日本の1列目を下げることで、逆サイドを確保。セカンドポスト周辺のゾーンでは滝田vイランのピヴォのポジショニング争いが行われており、ボール保持者について対面のDFとして森岡が切るようにしているが、ゴール中央へ滝田のバックドアから滝田の身体の前にポジショニングすることでパスラインを作るピヴォへのパスとシュート。

 

  • 5:06 清水、吉川、西谷、滝田のセットに交換。

ピヴォ対滝田のゴール前でのポジション争いとイランのアラのドリブルによる日本のDFの1-2列の圧縮とスライドを強いられるので、イランとしては余裕を持ってボールを回せるだけのスペースが生まれている。

直後に吉川に替えて逸見が投入される。

 

  • 4:30 イゴールを使ったプレス回避している日本。イゴールから逸見へ。キックフェイントとドリブルによる加速。逸見へのDFはサイドに追いこんでサイドチェンジへのパスラインを切る寄せ方をするので、逸見としては縦が空く。DFが振り切られた後に清水がブロックして逸見をフリーのまま運ばせて、イランの1-2列間を通すサイドからサイドへ。滝田にシュートまで行って欲しかった日本の速攻シーン。滝田の選択は、後方からのオーバーラップをした清水を使うことで落ち着かせるためのコントロール

 

  • 4:00~ イゴールから清水へのピヴォ当て。清水のライン間の活用から生まれる時間と3レーンの抑えている日本のOF。清水が運んでDFを引きつけつつ、サイドを限定されながらもDFの股を通すことでウィークサイドの西谷へのパス。西谷はア・ラ・コルタでDFをズラし、イランのDFの門を通すパス→滝田へのファー詰め未遂。絶好機だった。

 

  • 3:43 滝田と清水に替えて皆本、星を投入。
  • 3:03 左サイドでの逸見のアイソレーション。カットインシュート後のイランの速攻を抑えるための日本のDFの撤退の仕方。1列目のDFとしての星の非言語コミュニケーションでの2列目のDFのスペース管理の連動をすることで、コースを切りながら撤退。

 

  • 2:23 吉川からウィークサイドの仁部屋へのロングボール。バックドア。ウィークサイドを空けるために星がイランのDFを引っ張ることが大事。シンプルなウィークサイドのバックドアは効果的だったが、その裏へのボールの精度が求められる。

仁部屋、吉川、逸見、星のセットの組み方になっている日本。

 

  • 1:07 日本のファウル後のイランのリスタートから速いタイミングでのピヴォ当て。日本のDFの1列目の数が合っていない状況(1-2-1的)だったので、簡単にピヴォへのコースが空いている。イランの後方の選手の上がり=オープンな選手へのマークの遅れ→ピヴォ当てによる日本のDFの視野リセットからボールとスペースの認知から、イランの選手への対応が遅れるので、シンプルなオーバーラップ+ピサーダ(2v1)からシュート。イゴールのカバーが光った。

しかし、その後のイゴールパスミスから失点。

イゴールからのロングスローが裏ではなく表だった点、イゴールの判断とサイドでの星と吉川が向けている矢印、そのスペースの違いから生まれたズレによるところ。表へのパスであったことからイランのDFは守り易かった。裏へのボールを効果的に使ってきた日本だけに悔やまれるチョイスだった。

1点のリードを許したまま後半へ。

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AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsイラク代表 仕上がってきた日本と逸見の異能

1stセット 森岡、逸見、西谷、滝田

2ndセット 清水、吉川、室田、斎藤

3rdセット 星、皆本、渡邊+α

 

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsバーレーン代表 スコア優位と吉川智貴の存在 - フトボル男

吉川と皆本はシャッフルして他のセットに組み込むことも珍しくなかった。一方で、斎藤のプレー時間は徐々に減り、仁部屋は出番が無かった。前日のバーレーン戦でプレー機会が無かった渡邊は3セットのピヴォとして前線で張り、星や皆本とバランスを作っていた。

 

日本の調子がいい。盤石の勝利ではないだろうか。

アルゼンチン戦から数えて7試合目。チームが明らかに仕上がってきている。森岡などの質的優位で勝ってきた部分から、セット毎、そしてチームの一体感が見て取れる。さらにDFの強度、特にプレッシングの面が維持できているのは好材料

準々決勝のバーレーン戦からの連日の試合であったが、バーレーンイラクとの2試合を観て、グループステージの方が難敵だった気もするが、日本の練度が上がってきたということだろう。それだけに安心感のある試合運びが出来ている。

 

気になるのは逸見について。異物感が強くなっている。

やや暴走気味に映る仕掛けからカウンターを食らうといったシーン。バランスを取っている滝田の気持ちは如何に。どうしても奪われた後のサイドのDFが緩いのも気になる。カバーリングが足りているとはいっても。

しかし、逸見のボールスキルとセンスは異彩を放っているので、この逸見の仕掛けからDFとしてはラインを低く設定してスペースを消すことが求められて、逸見もDFが食い付くまでボールを離す/離さないのタイミングを見計らっているからこそ日本の2列目には時間が生まれる。また、左サイドでの森岡―逸見のペアからストロングサイドを作ってウィークサイドへといった展開も余裕をもって作れる。

ミゲル・ロドリゴが「フットサルはカウンターゲーム」と言っていたように、カウンターのリスクを減らす攻撃は大事。奪われ方、奪われる位置に対してのDFのバランスは常に配慮するもの。

日本は今大会でボールを握る定位置攻撃の要素が強かったので、相手は対抗手段としてカウンターとセットプレーが攻撃の要素になっている。その相手のカウンターをケアするためのDFとセットプレーのDFが日本には必要。

逸見がチームの停滞感から突破する作用(スコアの優位性からクワトロでのポゼッションでボールを守りながら意図的に時間を管理するシーンなども含めて)、この方向性でチームプレーとして大きく還元するならば、分かり易い覚醒が欠かせない。収支が合うかどうかの話になる。あと一つ。次はイラン戦。頼むぜ!

 

 

前半

 

  • 19:48~ 逸見―森岡のペア。左サイドでのピヴォ当て。もはや日本の代表的なオプションの一つでもあるが、パス後の逸見の抜ける動き+森岡のキープ+ウィークサイドの滝田の非言語コミュニケーションからア・ラ・コルタによるストロングサイドの構築。ウィークサイドはどうするか? そのまま滝田がスペースに戻って担当するタスク。そのままサイドチェンジを受けて、イラクのDFを崩す定位置攻撃の日本。森岡の中抜けでイラクの1列目の中央を下げ、サイドチェンジのパスラインを確保。滝田から逸見へ。逸見が受けるのに合わせて西谷がゴール前に抜けることで逸見から2枚目のDF=カバーリングを消す効果。アイソレーション。ゴール中央へ表の抜ける動きの森岡、セカンドポストの西谷というポジショニング。逸見のカットインに合わせた森岡のDFのブロック、逸見のダイアゴナルパスで西谷へ。シュート。

 

西谷のシュートから得たセットプレーから森岡の先制点に繋がっている。DFからするとコーナーキックの処理の難しさが表れている。ラインが下がっているのでセットプレーが連続的になることも珍しくない上で、森岡のボールへのミート。このセットでは大会開始からセットプレーにおける森岡のシュートをどのように活かすかがテーマでもあり、森岡や清水や渡邊をどのように浮かす仕組みを作るかが問われていた。

 

  • 18:53~ 日本のキックインから森岡→西谷。ウィークサイドのバランスを取るためのバックステップ。サイドを変えるか否か。中央レーンだからこその選択肢の多さ→サイドを埋めた逸見へ。西谷の2枚目としてのサポート。カーテンのフェイクもあり、逸見が見ている逆サイドの滝田へのパスラインを確保する為に森岡が抜けて、イラクの1列目の逆DFを釣る。サイドチェンジで滝田へ。抜けた森岡がサイドに流れることで滝田―森岡のペア。森岡のキープに合わせてウィークサイドのバランスを取っていた逸見が中央ゾーンのリスク管理として絞ることでバックパスへの顔出しにもなるが、イラクのハードな寄せ。

 

  • 18:31 森岡に替えて清水を投入。

 

  • 18:11 イラクのピヴォ当てのシーン。イラクは3-1で浮き球のロングボールも厭わない感じであるが、ある程度の無理が効くピヴォがいるからだろう。それを象徴するようなボールの収め方とレイオフ。ピヴォ当てによってDFとしては視野のリセットと背走が強いられるメリットを活かしたイラクのシュート。

 

  • 17:50 セットの交換。清水、吉川、斎藤、室田。交代のペースがこれまでの試合の中で最も速い。

日本陣地での日本のキックインに対してはイラクのプレッシングラインが上がっている。基本的にはハーフが設定であるが、バーレーンと違うのはハーフでの上下動がしっかりしている部分。日本の旋回、クワトロ的要素に対してラインを上げてピヴォ(清水など)に深幅を作らせないようにしている。

 

  • 16:46 イラクのポゼッション。ピヴォをどのように使うのか。日本のDFの1-2列間は締まっているので、バックパスを使ってスペースを探して作る必要性がある。バックパス経由でサイドチェンジ。それに対応している室田のプレッシングから逃げるように矢印を自陣に向けている選手からのバックパス後の展開。バックパスで日本のプレッシングラインを上げさせることで1-2列間を空けさせるように誘う。バックパスを受けたイラクの選手は当然オープンな姿勢なので単純な裏へのボールがピヴォへ。そのカバーに出ているイゴールの判断。この後、イラクのセットプレーが続く。そして、日本のボール保持においても前進が思うように出来ず、悪い奪われ方をしているシーンが続いた。イラクのライン設定が上がっている。

 

  • 15:58 セットの交換。星、皆本、吉川、渡邊。
  • 14:52 皆本からウィークサイドの味方へのロングボール。このシーンでは吉川のバックドアからゴール中央への渡邊の決定機を演出。吉川へのマークをするために渡邊のマークが外れたので、渡邊がフリーになった。しかし、イラクゴレイロと1列目からの戻りによってシュートコースの限定がされた。皆本が右足で右サイドの奥へロングボールを使うのはセット交代直後のシーンでもあった。

 

  • 14:17 日本の3-1でのプレス回避シーン。吉川、西谷、皆本でのポゼッションに対して、イラクのDF3枚のポジショニングの高さはハーフ。皆本の中抜けからサイドチェンジを促し、吉川から渡邊へのピヴォ当て。イラクのDFは当然ピヴォ当てを警戒しているのでプレッシングを仕掛けている訳だが、ピヴォの位置でポジショニング争いで頑張った渡邊の落としから吉川のシュート。今大会ではズレたり収まらなかったりと良いプレーが多くなかったが、身体を張りながらレイオフ。ピヴォとしての矜持を見た気がする。あとは得点!Fリーグ得点王だから。その直後のセットプレーから西谷のファー詰めで日本が2点目。セットプレーまでの流れそのままにゴールに押し込むといった得点内容。

 

  • 13:46 皆本から渡邊へのピヴォ当て。府中コンビ、ピサーダの展開から皆本のシュート後のイラクのカウンター。西谷のリスク管理は皆本のシュートシーン前のつるべの動きから。イラクのカウンターシーンは取られた逸見と西谷によるサイドの限定が出来ているが、サイドでの逸見のDFにどうしても緩さを感じてしまう。

このセットの組み方は無かったのでサイドが詰まった時のパスやサイドチェンジのタイミング(中抜けも)の精度、旋回含めてズレる部分がある。パスミスタッチラインを割ってイラクにボールを渡すことで、被セットプレーの機会が増える。

 

  • 12:50 1stセットに交換。
  • 11:59 イラクの中抜けに対して誰がマークするのか? 日本のDFが止まったシーン。イゴールのカバーで事なきを得た。イラクは交代をした直後でバランスがクワトロになっている。リスク管理として2列目に残っている西谷がウィークサイドに寄っており、森岡―逸見間を抜けたイラクの選手へのマークが曖昧となってしまった。森岡が1列目のDFとして相手のカットに付き切れないのはアルゼンチン戦、タジキスタン戦からあったシーンであるが、西谷のポジショニングもイラクのOFに合っていない形なので難しいところ。逸見はサイドチェンジのパスを警戒してイラクのウィークサイドを見ているので、そもそも中抜けをスルーしている。イラクがサイドチェンジをした時のための1stDFとしてのタスクを意識しているから。

 

  • 10:06 左サイドでの森岡のキープからの作り。室田が2枚目のDFを消すために抜けるが、イラクのDFがそこまで釣れない(マークの受け渡しをした)。ストロングサイドのサポートが足りていないので、吉川と室田を動員する時間を作りながら、イラクの1-2列間を通すウィークサイドの滝田へのパス。このパスに対して逆DFが準備しているかどうかで良いチームが分かるような気がする。イラクはしっかりとそのボールをカットしてカウンターに繋いだ。森岡の戻りのスピードと自陣のセカンドポストへの最短距離の選択。責任感の塊のようなプレー。

 

9:33 2ndセットに交換。皆本、吉川、室田、清水。斎藤がいなくなっている。

スコア優位からクワトロでボールを持ちながら時間を進め、機会をみては前進からシュートを狙っている日本であるが、中の抜け方とサイドの使い方がバラバラの時があるから、思うように選択肢が作れずに後退するしかない場面も。ボール保持者が自陣ゴールの方に矢印を向けたら、一気にラインを上げるイラクのDF。あわよくばショートカウンター。そうでなくても高い位置でのセットプレーという狙い。

 

  • 8:49 室田から清水へのピヴォ当て。落としを室田がシュートを狙ったシーンであるが、奪われ方が悪い例となってしまった。ピヴォ当てに対して前掛かりになったことでバランスを崩し、イラクのカウンターを食らう。1v3の状況。皆本の経験値に助けられたシーン。もう少し中央レーンの選手に運ばれたら怖かった。ただ、イラク的にはファー詰めデザインから味方の利き足を考慮した上でのサイドの選択だったと思う。

 

  • 7:58 セットの交換。星、皆本、斎藤、清水。斎藤の左足からのピヴォ当てがバーレーン戦から精彩を欠いているが、セット交換直後のシーンでも。

 

  • 7:44 イラクのプレッシングラインが高いのを見越した上での皆本の右足による裏へのボール。3-1での保持から、皆本のマークの外し方から斎藤のバックドア。清水はウィークサイドに寄ることでDFを釣るようにして(そのDFはアラ裏をケアする的確な判断をした)。

 

  • 7:20~6:43 日本のプレッシングがここまで回避されたのは今大会で初めてだと思う。イラクのサイド、ライン間、三角形、ピヴォ当てといったスペースの作っていくことで高い位置からプレッシングをするラインの高い日本を下げさせてシュートまで持ち運んだイラク

 

  • 6:39 セットの交換。皆本、逸見、星、渡邊。ラインを下げずに対応しているイラクのDFにスコア、ファウル数の優位性から安全にボールを持ちながらどこかのタイミングでピヴォ当てを狙いたい日本であるが、さきのセットから縦パスのカットが目立つ。ラインを下げないで踏ん張っているイラクに対して、どうしてもボールを持つためには旋回などのポジションチェンジが必要なのでピヴォが一時的に消える。その後に誰が前線に抜けるのか。抜けた選手へのデートと縦パスの切り方がしっかりしているイラクのDF

 

  • 5:00 星に替えて滝田を投入。
  • 4:24 吉川、西谷、滝田、渡邊というセットの組み方。3-1を崩さずに、渡邊をサイドに降ろさずに前線でポジショニングを張らせることで3v3の状況でボールを持つ日本。勿論、中抜けがあれば、渡邊はサイドを埋めるように偽ピヴォのように流れるが、それでも1-2列のバランスは崩さないようにしている。サイドを使って、逆サイドを空けてからサイドチェンジといった展開でスペースを作る。吉川から渡邊へのファー詰めデザイン。イラクカバーリングがいない状況を作り、アラとしての質的優位を示したシーン。

 

  • 3:35 森岡、滝田、西谷、吉川のセット。森岡のライン間でのマークの外し方、吉川からのピヴォ当てに対して第2PKにリーチの状況でもボールへのアタックはいけると判断したDFの強烈さ。中央での収める難しさはバーレーン戦から難易度が上がったような気がする。

 

  • 2:21~ 森岡のアイソレーションを作るまでの過程。偽ピヴォでの定位置攻撃から、ストロングサイドを作ることでDFを寄せて森岡のサイドへ。西谷、吉川の抜ける動きでDF2枚を引っ張ることで、森岡の1v1が活きる状況になっている。イラクの1列目のプレスバックもあり、タイミングを図ってからウィークサイドの滝田へ。プレスバックをしたDFが本来見ないといけないわけで、滝田は時間とスペースを得ているシーン。シュートの精度は欲しい。

 

  • 1:17 吉川と交代して室田が入る。セットの組み方は清水、逸見、皆本、室田となっている。1stセットから逸見がズレたかもしれない。また、吉川が他のセットにズレた分、皆本が補完するタスク。現時点で斎藤の出番は少なく、仁部屋は出場していない。

前半終了間際の日本の3点目の起点はイゴールからのロングスロー。セットプレー後のケアは難しいということで。逸見の浮き球のコントロールイラクのDFを滑らしたターンで得た時間、セカンドポストに張っている室田を使ったファー詰め。日本もグループステージで再三と自分たちのセットプレー後のリアクションが怪しかったと書いたが、イラクもそれにハマってしまったシーン。残り時間によるイラクの人数の配置と掛け方、ボールの取られ方、イゴールの冷静な選択と日本のトランジションによって生まれたゴール。

 

後半

 

1stセットから。

  • 19:40~ クワトロからの日本の展開。誰が裏に抜けるのか。どのようにボールをスペースに送り込むのか。逸見のカットイン、サイドを埋める滝田と森岡。滝田へのピサーダと森岡へのサイドチェンジを確保してから中ドリ。西谷がサイドの角を取るように抜ける=イラクのアラ裏。逸見の中ドリにイラクのDF2枚が釣れるので、森岡に時間が与えられる。ストロングサイドの構築。ゾーン間からライン間への運び。森岡が中央レーンで中への矢印を明確にしているから、サイドの西谷が空く。西谷のクロスに詰める森岡はイラクのDFのバックドアであり、ゾーン間でもあり。

 

  • 19:28 イラクのキックインから前線へのロングボール。このボールを収められるピヴォへの信頼。今大会でこの手のやり方を日本相手に行ってきたチームは多いが、これほど上手く収めたのは殆どいなかった印象。アルゼンチンは別として。

 

  • 18:31~ 日本のクリアランスに対してプレッシングラインを上げているイラク。3点差だから当然なんだが、日本としてはどのようにプレスを回避するのか。偽ピヴォで保持する日本、西谷の中抜けがハマったシーン。西谷のマーカーの死角を取りながら前に抜け、そのマーカーはサイドに散らされたボールを視野に収めようとするのでどうしても西谷の中抜けに対して遅れる。ボールの行方を視野で確保しながら西谷に追い付こうとすると、背走することになる。ここでボールを見るのか見ないのかがDFとしては問われるシーンである。

 

  • 17:45 逸見のプレスバックから日本の3v2のカウンター。西谷、逸見、滝田の3レーンの活用。実際、滝田サイドにはDFが撤退しながら準備しているので西谷サイドが現実的。アウトサイドのパス。リターンから(西谷はセカンドポストへの侵入)逸見のシュート。ニアの奥で滝田が要求していたが、中への折り返し~ファーまではイラクのDFがポジショニングしているので難しい場面だと思う。

 

  • 17:25 2ndセットに交換。

イラクの11番が収まる。結構、無理なボールでも入るから日本としてはプレッシングラインを上げている状態からバックパスで引き出されて前線への縦ポンだったり、サイドでコースを切っている中でもタッチライン際のグラウンダー(日本としては潰し所が明確になっている状況)でも収めてくれるピヴォの存在がいるので、どうしてもラインを上げた分だけ撤退する必要性がある。すると、イラクがボールを持てるスペースも生まれる。

 

  • 15:34 皆本、星、渡邊、吉川のセットに交換。
  • 15:12 星からの渡邊への対角ロングボール。バックドア。このシーンの前も左サイドから右サイドへの皆本のバックドアを促す対角ロングボールがあった。日本としてはストロングサイドの構築と自チームと相手チームのウィークサイドのバランスを考えたらという感じ。

2ndセットから、イラクが日本陣地に侵入してシュートチャンスやセットプレーの機会が増えているが、コースを切るべきところにいるポジショニングの安心感がある日本。コースの限定とサイドに追いやって角度をどれだけ削れるか。その無理なシュートをブロックされてもイラクにはキックインなどの機会が得られるから悪くない。日本の2ゴールはセットプレーなので。セットプレーは大事。

 

  • 13:15 セットの一部を交換。皆本、森岡、逸見、西谷。
  • 13:12 日本の定位置攻撃からの崩し。運ぶことでイラクの1列目を下げながら、ストロングサイドの構築。3人目としての逸見が角を取るようにパラレラ。逸見が空けたスペースを森岡が使う。西谷から逸見。逸見のマーカーは西谷のターンに対してストップする判断で、逸見に付き過ぎると西谷のカットインのスペースを空けてしまうから。逸見のクロスは森岡へ。イラクのDFを外す森岡の動きと先にポジションを取られてもなお最後まで食らいつくDFの攻防。

 

  • 11:22 逸見の貰い方からシュートまで。永久保存版。なかなかファウルを貰えずにイライラしていたところでの冷静な判断と技術の結晶。

 

  • 11:01 森岡のアイソレーション。逸見と西谷が前に抜ける。ウィークサイドの皆本のバランス。イラクの1列目のDF(2枚目)は森岡のカットインに意識が強い。森岡から皆本へ。スペースをどのように使うのか→シュートフェイクから持ち替えて左足のシュート。この形で枠に打つ精度が大事。良いシーンだった。

 

  • 10:05 イラクのPP開始。日本のセットは吉川、室田、滝田、西谷。

イラクのシュートレンジは羨ましい。イラクのPPが深幅を作れているので、どうしても後方でボールを散らして作っている選手にプレスが掛かりきらない状況が生まれてしまう。金山解説員によれば「イラクゴレイロが左サイドの角を取っているので、トランジションの面でイラクゴレイロが戻る距離があるので日本が優位に立てるからPP返しは狙いやすい」と。その後、サイドの角を取っていたゴレイロのポジションを1列下げたイラク

 

  • 6:54 タイムアウト後の日本のセットは、逸見、吉川、皆本、星。ボールを持てたらクワトロでポゼッションをする日本。スコアの優位、残り時間から試合を殺す展開が求められている。ボールを貰う前の工夫でイラクのDFの矢印をズラしながら、サイドチェンジ、ライン間の活用でスペースを作りつつ、徐々にマーカーからズレていく。イラクが焦れて無理してプレッシングしてくればファウルを誘えると。
  • 4:45 セットの一部を交換。皆本、逸見、滝田、西谷。イラクのPPが長いので、星や吉川などを投入したりしてDFの集中を保つ日本。PPのクオリティに関してはイラクは他の4チームに比べると高かったが、それでもライン間や一つ飛ばしのパスを切って中距離シュートを打たせてPP返しを狙う日本のDFは素晴らしかった。吉川のプレッシングとボールキープは別格でした。結果的に、イラクのPPの時間が長かったので、日本としては被カウンターの機会が減る(PPによる秩序維持)のはプラスに働いたと思う。

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsバーレーン代表 スコア優位と吉川智貴の存在

1stセット 森岡、逸見、西谷、滝田

2ndセット 清水、吉川、室田、斎藤

3rdセット 仁部屋、星、皆本+α

 

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsウズベキスタン代表 前半マッチレポ - フトボル男

 

ブルーノ・ガルシア政権になって初めての完封勝利。実力差はあり、そのままスコアの優位性から試合を運べた。

バーレーンは3-1でハーフからの構え。日本の定位置攻撃を迎え撃つためにもDFラインが低めに設定されていた。ハーフでの構えからラインの上下動(3/4まで)で押し出すのは珍しくないが、バーレーンは撤退してスペースを消す方法を採用。日本との実力差を考えると無難だったかも。

かといって、日本にずっとボールを持たれるのも厳しいので、クリアランスは繋ぐ傾向もあった。しかし、最終的には日本のプレッシングを嫌ってロングボールへ。バーレーンの自陣でのキックインはゴレイロをエリアの外に出すプレス回避。その際にはロングボールのターゲットとして前線2枚に。

実力差があってもセットプレーは恐い。バーレーンのロングボール後のセカンドボールや日本の処理から(クリアが浅い場合)バーレーンのセットプレーを与えることになるので。

一方で、日本は森岡のボールの収まりが悪かった印象が強い。特に前線中央でのピヴォ当ては苦戦。

ただ、スコアの優位性から森岡、清水のそれぞれのセットにおいてクワトロ的要素がこれまでの試合に比べて強かった。3-1のピヴォ当てというよりも、ボールを持ってコントロールをしよう。

また、バーレーンのDFラインが低いので定位置攻撃におけるピヴォ当ての旨味があまり無いのも(DF1-2列の圧縮)

日本のテーマとしては、定位置攻撃とミドルシュートの精度となっていたようなバーレーン戦。特にシュートレンジと精度は大事。

1セットだけではなく2セットもクワトロ要素が強かったので、清水のポジショニングとして降りる動きが多かった。旋回による前進としての手段は、ピヴォ当てよりもエントレリネアス。

気になった点は2つ。

3セットでのローテーションから、徐々にセットの組み方を一部シャッフルしているブルーノ・ガルシアであるが、バーレーン戦では渡邊の出場は無かったこと。そして、吉川のプレー時間が多かったこと。どんなセットでも潤滑油として機能する吉川のポリバレントさを考えると不思議ではないが、フィジカルが気になってしまう。

もう一つは、右サイドでの斎藤の左足からのダイアゴナルパスをケアするためにバーレーンの1列目の門が閉じることでパスカットを狙っている=読まれているシーンが2回ほど。個人的には真横に運ぶような中ドリではなくて、相手のDFの門に対してマイナスに持ち運んで角度を作るような工夫も欲しい。

 

 

前半

 

  • 19:54 バーレーンのキックインに対して、日本の1列目(森岡、逸見)がマークに付き切るリアクションが見られる。マンマークとして森岡が相手がファーの動きに付いて、逸見が森岡が空けたスペース=バーレーンの2列目に対応できるポジショニングに入る。

 

  • 19:40 偽ピヴォでのボール保持している日本。逸見が中央レーンで運ぶことで、横幅に時間が与えられている。逸見から滝田へ。逸見はストロングサイドに流れるように抜け、滝田の中ドリ。サイドチェンジのために森岡がサイドを埋める。滝田から森岡へ。このサイドチェンジのパスラインを守るためにも西谷がバーレーンの1列目を釣っているのも大事。森岡のアイソレーション。西谷がファーに逃げることでDFが付いていくので、森岡にとって2枚目のDFが消されることになる。カバーリングが無い状態のバーレーン。サイドでの1v1とシュート。

 

  • 19:07~ 日本の3-1でのボール保持。逸見が右サイド。この後に旋回で左サイドに流れるわけであるが、ストロングサイドの構築の基準点となる森岡のサイドに降りる動き。それに合わせて逸見は森岡のサポートとしてストロングサイドに入ろうとしたが、キャンセルしてセカンドポストにポジショニング。そうすることで、森岡のアイソレーションを作り、バーレーンカバーリングをするDFを引きつけているので、1v1が出来上がっている。サイドを変えて、ウィークサイドのバランスを取る動き。旋回でボールを持ちつつ、左サイドの逸見を使うシーンが18:47(中央の森岡がバーレーンの1列目を押し込んでいることでサイドのパスラインが確保されている)であるが、逸見にとってはバーレーンのDFのカバーリングが揃っている状態なのでストロングサイドに引き寄せて、逆サイドへ。サイドからサイドへ。これがハーフスペースで受ければ左足不足の日本でもシュートのレンジ・アングルなどが解消されるのだが。

 

  • 17:37~ 逸見がバーレーンのDFの門を通すピヴォ当て。森岡の降りる動きとセット(エントレリネアス)で、滝田への時間を与える。西谷が滝田へのスペースを作るためにDFを引っ張りながらサイドの角を取ることで2枚目としての準備もしている。滝田はキャンセルして森岡へ。さらに逸見へ。アイソレーションカバーリングのDFはいない状況であるが、中央~ウィークサイドのポジショニングが揃っていない日本。逸見と対面していたDFもコースを切りながらサイド奥まで粘った。日本のコーナーキック後のバーレーンゴレイロからのロングスローでピヴォへのカウンターシーン。セットプレー後のトランジション、リアクションが課題である日本だが、上手く対応して撤退。

 

  • 16:28 2ndセットに変更。吉川、清水、室田、斎藤。
  • 16:21 3-1でのポゼッション。吉川のカーテンによって室田が中ドリ→バーレーンの1列目はマークが被らずに3枚のバランスをキープしている。室田から斎藤へ。横幅を使いながら、中を空けながら。室田を中継地点としながら中抜けでサイドチェンジのパスラインを作る。吉川が中ドリをするとサイドを埋める必要があるので、清水がサイドに降りる。吉川の非言語コミュニケーション。バックドアを気にしたバーレーンの逆DFは撤退。吉川からスペースを確保しながら足元で受けられる斎藤。サイドチェンジをしながら前進。日本のアラにとってサイドでのDFのカバーリングを消す状況を狙いながら、ゴール中央での清水のポジショニングでポストプレーも準備。セカンドポスト侵入タスクもある斎藤がボールの動きに合わせて、ストロングサイドの角を取った16:05 吉川から斎藤へ。吉川のパス後の動き方。縦パスによるDFの視野のリセットを突いた背中を取る抜け方とライン間へ。

 

  • 15:37 吉川の仕掛けのシーン。ゴール前のハーフスペースの清水。セカンドポストの斎藤。中央ゾーンのリスク管理の室田といったバランスであるが、吉川の持ち方に対してバーレーンの1-2列間の圧縮と対面のDFと1列目のDFが横並び状態であるからカットインを切られ、対面に縦を切られている苦しいシーン。ここまで相手の1列目が下がっているようにDFラインが下がっているならば、室田のポジショニングをもう少し上げても良いと思った。そうすればミドルシュートで終われる可能性が高いので。

 

  • 14:47 斎藤からのピヴォ当て。左利きの価値が出ている。ボールを持ちながら角度を作って、対面のDFをズラすことでDFの門を割くようなパスを供給。室田がサイドに流れている一環で清水に入ったので、ストロングサイドの構築が出来そうなシーンであったが、どうしても日本のポジショニングが中寄りであるからバーレーンのDFも圧縮して対応できているシーン。

 

  • 13:50 室田に代わって星が投入された直後の日本の先制シーン。斎藤の中ドリに対して斎藤が空けたサイドを清水が埋める。斎藤から吉川へ。斎藤はパス後にはセカンドポストへ侵入するためにポジショニング。吉川の間と星のポジショニング。バーレーンのDFが日本の選手と距離を空けすぎて、星が浮いている。日本のボール保持に対してシステム上の数合わせが出来ていないバーレーンのDF。人数は揃っているが、スペースと時間は与えている状況。その星からダイレクトなダイアゴナルパスを斎藤が冷静に決めた。左足だからこそのシュート角度でもある。先制後に斎藤は皆本と交代。

 

13分台には日本のセットは吉川、皆本、星、清水という組み方。ダブルピヴォである。

 

  • 12:52~ 日本のボール前進が停滞した瞬間に皆本が抜けることで旋回したシーン。皆本がサイドを空けて、ピヴォに入る。清水はウィークサイドを埋める。ピヴォに入った皆本が降りてエントレリネアス。中央に一回当てることでバーレーンのDFを収縮。吉川、清水には時間を得ることが出来るが、精度が伴わずミス。清水に入っていれば、ライン間の皆本がストロングサイドの構築のためにサポートに行っていたので、星がピヴォに入って攻撃を進められたと思う。

 

  • 12:30 3rdセットへ 星、仁部屋、皆本、吉川。吉川をこの時点まで引っ張っているのが特徴的。

 

  • 12:02 バーレーンのセットプレー後の日本の3v2のカウンターシーン。Fリーグでも多い光景であるし、アルゼンチン戦から日本代表の試合でも不発であることが多いシーンの一つだが、3v2のカウンターがハマらない。中央レーンの持ち運び方、横幅と足りているにも関わらず、サイドへのボールを離すタイミング、角度、精度が揃わず。

 

  • 10:59 星は森岡と交代。森岡、逸見、仁部屋、皆本といった組み方。
  • 10:44~ 逸見から森岡へのピヴォ当て。これまでの試合(アルゼンチン戦から)、左サイドでの展開はあったが、右サイドでの逸見―森岡のペアは殆ど無かったのでレア。森岡の落としをそのまま右足でシュートした逸見。その後のバーレーンのポゼッションに対する日本のDFは前プレ。バーレーンがワイドを使って保持している(2-1-1)のにサイドの奥に追い込んだ後の皆本の対応が緩い。突破された後のリアクション。逆サイドの仁部屋の非言語コミュニケーションとスライディングでのコース限定。イゴールも安心してニアに入れる。

 

  • 10:13 皆本と滝田が交換。
  • 9:55 セットプレー後の逸見のドリブル。異物感というか異能というか。滝田がニアに入ってサイドを空けたのもあるが、バーレーンの2枚目のDFは消えていない状況でのサイドを抉ってクロスの選択はどうだったのか。その後のバーレーンのカウンターシーンへ。中央レーンからサイドへ。仁部屋のスライディング、森岡が中央、滝田がセカンドポスト、イゴールがニアに入っている位置関係によるコース限定が出来ていた。

 

  • 8:41~ 日本のハーフからのプレッシング。バーレーンの3-1に対してハーフで構えるが、ハーフに留まることを意味するものではない好例。バーレーンの中央の選手の中抜け、サイドチェンジを行おうとする8番について激しい寄せをする森岡。ボールを守りながら逆サイドを埋める時間を作る8番からサイドチェンジをした後の逆FPの中ドリ(西谷がマーク)、森岡のポジショニングが横幅と中央の中間にいる(ハーフスペース)から、中ドリと横幅の8番を見られる状況。

 

  • 7:55 一部交換。西谷、吉川、逸見、清水。
  • 6:55 西谷と逸見が下がって2ndセットへ。
  • 6:47 バーレーンゴレイロを使ったプレス回避。ワイドの2枚への日本のライン設定と、降りる相手に付くマンマーク。この場面では斎藤が受け手を潰したわけであるが、2-1-1的なバーレーンに対して、しっかりとシステムを合わせて斎藤がサイドに出たのに調整して1列目の逆DF(清水)が中央をケアするように絞るポジショニング。清水―室田間に入っているバーレーンのピヴォへのボールをカットしたシーン。

 

  • 6:35 これまでの試合で右サイドで受けるシーンが目立っていた斎藤が中央寄りでプレーする機会が多く、斎藤が空けている右サイドにピヴォが入るのはしばしば。このシーンでは清水が埋めている。そして、斎藤の中抜け。この中抜けからグルッと回ってストロングサイドの角を取る動きと連動した清水のアクション。ボールを舐めてタイミングを調整してから、斎藤へ。サイドへの流れ方でボディバランスがやや泳いでも斎藤は左利きなので左足での落としはズレない。その落としから清水がシュート。

 

  • 前半6:16~5:51 気になるシーン。バランスと基準点。

 

  • 5:28~ 斎藤の右サイドからの中ドリ。バーレーンのDFのズラし方。清水のパラレラで相手DFの2列目が釣れる。斎藤の持ち運びによってバーレーンのDFが被り、門が空いている状態。個人的には左サイドの室田がバックドアをして欲しい。フェイクでもいいからバーレーンのラインを下げて欲しかった。結果的に、斎藤から吉川へ。斎藤が左サイドに抜けることで、中央のDFを動かして吉川へのシュートコースを空けているが、DFの中央の密度からしてリスクもあった。吉川がポジションを上げた際のリスク管理のためのつるべの動きが無かったのも気になる。

 

  • 4:45 タイムアウト後にセットの交換。星、仁部屋、皆本、吉川。吉川は引っ張っている。
  • 3:18 日本の定位置攻撃でどのようにバーレーンを崩すか。吉川の中への持ち替え方に対して、星の抜ける動き+皆本のエントレリネアスの要求でバーレーンの1列目を崩す。後方の星が抜けたことでのリスク管理として仁部屋が逆サイドを埋めながら中央へのつるべの動き。逆サイドを睨みながら中ドリをする吉川のサポートをしているのは皆本のブロック。バーレーンの1列目のDFから吉川を守り、ウィークサイドの星や仁部屋の動き直しの時間を作っている。結局、使わずにターンをして吉川から皆本へ。吉川の中抜けで中央のスペースを空ける。皆本のカットインからシュート。星がカットインに合わせてゴール中央に入っているのはDFを動かしてシュートに対してブラインドを作るため。

 

  • 2:05 セットの一部交換。仁部屋、森岡、逸見、滝田。

 

後半

 

2ndセットから開始。(アルゼンチン戦から初めて1stセットからではない)

  • 19:55 日本のキックイン。室田のロングパラレラに対してバーレーンのDFは付き切らずにゾーンで対応。ゴレイロのカバーによる危機管理。

 

  • 19:39 3-1での日本の保持。吉川から斎藤へ。吉川の抜ける動きの変化で1列目のDFを押し下げるフェイク→エントレリネアスで外してからピヴォ当て。清水を囲うためにバーレーンの1-2列は圧縮するが、吉川が死角への移動をするために外の走路を選択。股を抜いたワン・ツーからシュート。

 

旋回の一環で清水がサイドを埋めた際に室田がピヴォの位置を埋めて、ピヴォ当てを受けようとして潰されたシーンのように、中央ゾーンでのピヴォ当てに対してのバーレーンの2列目の激しさが目立っていた。森岡も苦戦気味。

 

  • 17:40 セットの一部を交換。森岡、斎藤、逸見、滝田。
  • 17:24 斎藤に代わって西谷が投入されたことで1stセットへ。

 

  • 17:15~16:47 このシーンも要チェック!

 

  • 16:34 日本の1-2列間でのバーレーンの10番のキープについて、前後2枚で対応するシーン。サイドへの追い込み方、ストロングサイド前方を切りながら、ターンをした瞬間に足を出して引っ掛ける。バーレーンはウィークサイドの選手がつるべの動きをしているので、トランジション後の森岡のエントレリネアスに対応できない。滝田→森岡からラインを下げる様に運びながらタイミングを合わせて逸見へ。逸見のバックドアからのシュートは枠外。

 

  • 15:11 左サイドでの逸見から森岡へのピヴォ当て。ブルーノ・ガルシア政権で最もポピュラーな形の当て方、ペア。逸見のセカンドポストへの侵入でバーレーンの2列目を下げるが、森岡へのマークはDFが2枚(1-2列間の圧縮)。バーレーンアイソレーションになりやすい状況に対して、DF2枚(縦と中を切る)を作る用意が印象的。その代り、森岡に釣られた後の日本の2列目へのバックパスの反応は遅れるし、ミドルシュートも撃たれ放題であるが、その精度は基本的に悪い。このシーンでは、西谷からファー詰めデザイン。逸見のアイデア

 

  • 13:55 星、西谷、吉川、逸見というセットの組み方(早々と森岡に代わって星が投入されていた)
  • 13:44 逸見のアイソレーション。この状況を作る過程での吉川のサイドチェンジと抜ける動きからセカンドポストへ。逸見からみて2枚目のDFがゴールのニアに入っている状況で、対面のDFだけが浮いている。逸見の前のスペース(1-2列間)も突破することができるくらいには確保されている。中へのフェイクから持ち替えて縦に抜けて左足のシュート。零れ球。

 

  • 12:52 皆本、吉川、清水、星といった組み方。これまでに無い組み合わせ方。今までは渡邊が入るところに清水を起用している。2ndセット以外で清水が投入されることは、森岡に替えて1stセットの面々とプレーする以外には無かった。

それが功を奏したのが日本の2点目のシーン。バーレーンのクリアランスを回収したイゴールの吉川へのスローから。バーレーンのクリアランスではロングスローの選択だったので、前線に選手を送り込んでいたのでトランジションが緩くならざるを得なかった。イゴールのスローの選択も左をみてから右サイドで浮いている吉川へ。バーレーンのDFが撤退し切れていない中での速攻から、清水のパラレラ。マーカーは中を切っているので反転をさせたくない対応について、清水は縦への反転からシュート。DFが中への選択肢を削っているのだから、ゴレイロとしてはニアに専念すればいいのではと思うが、シュート精度は日本トップクラスの清水。当たり前のようにセカンドポストに侵入している星も。

 

  • 11:45 日本のプレッシング。1stDFがしっかりしているからこそ2列目の基準点となるシーン。吉川の対応。直前のシーンでも光っていた。しかし、その後のクリアランスからのカウンターで星がイエローを貰ったシーンでの中央ゾーンのリスク管理はどうだったのかと気になる。仕方ないイエローであるにしても、スコアの優位性と時間からセーフティな選択すればFP4人全体が前のめりになりすぎだったか。バーレーンのDFラインが低いのは今に始まったことではないが、相手が前線に1枚残していたのはレアだった。

 

  • 11:02 セットの一部を交換。清水、逸見、西谷、皆本。セットプレー後に清水に替えて森岡。

クワトロセットで、皆本、森岡の抜ける動きからサイドチェンジを促して、如何にゾーン間を突くのか。皆本はパラレラ。森岡はダイアゴナルに。ボールを持ちながら左サイドでの森岡―逸見のペアをどのように作っていくのか。また、撤退しているバーレーンのDFに対して誰が抜けてピヴォの位置に入って、ボールを入れてズラしていくのか。スコア優位、リスク管理バーレーンのDFが止まっていることから無理をする必要はないままボールが持てる状況の日本。バーレーンのDFもラインを上げる素振りは少ない。ゴール前、中央を締めることに専念。そのために使えそうな裏のスペースは無い。バランスを崩してピヴォ当てを狙って、前掛かりになったところをカウンターを食らうのだけは避けたい。

 

  • 7:16 吉川、仁部屋、星、斎藤のセット。
  • 5:00 タイムアウト後は吉川、滝田、室田、西谷のセット。ピヴォ枠が居ないのは初めてかもしれない。パーレーンのPPの時間を出来るだけ削るためにボールを持つ日本のプラン。バーレーンも撤退しているだけでなく日本のボールを奪わないといけないので、ラインを上げてDFをするシーンも目立ち始めたが、ハーフ以上のライン設定でプレッシングをしても、サイドで2枚のDFで追いこもうとしてもライン間を使われてプレス回避されるシーンがあっったように、サイドでのコースの切り方、ライン間への移動に対してのマークのズレ、1列目に合わせた2列目のライン設定などといったボロが見えていることも。このセットはバーレーンのPPに合わせたDFをする目的もあり、4:30~PP開始。PPへのリアクションとして、強いチームは前からプレッシングをすることで相手にPPをやらさないように時間を削り、ボールを回収した後にポゼッションをするものだと思っているが、バーレーンに対して日本は殆ど遂行出来ていた。イゴールを使ってポゼッションをしたり。バーレーンのPPのシーンでもサイドの角を取られて、中へのクロスも無く、ライン間を活用されることも無く、セーフティに終了。

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsウズベキスタン代表 後半マッチレポ

前半と試合のまとめは以下に。

futbolman.hatenablog.com

 

後半

 1stセットから。

キックオフ開始直後からお互いのテーマはプレス回避となるような互いに高い位置からのプレッシング。サイドチェンジと偽ピヴォ、1-2列間の活用でのプレッシングの脱出を図ろうとするが、前線の基準点でもあるピヴォへのマークがしっかり付いている。そして、前からのプレッシングを敢行したからこそのウズベキスタンゴレイロへのバックパスを誘発。森岡が決めて1-1の同点に。

 

  • 18:55~ ウズベキスタンのプレス回避~トランジション~DFの絞りまでのシーン。ピヴォ当て後の日本のDFの動かし方、生まれるスペースに対して動き直し(パラレラ)で前進をすることで、サイドに展開される。中央の走路を作るために2枚目が抜けることで森岡が付ききらないといけない。パラレラをして受けた選手が反転して中へと持ち運べるコースが生まれている。しかし、キャンセル。西谷のプレスバックによるもの。18:33の日本がボールをカットした後のウズベキスタンのDFが見事。中央レーンで森岡がボールを持っている時に、ニアの逸見はDFを引っ張るためにゴール前にに入ることで、右サイドのレーンにいる滝田が空く。滝田の対面がいないウズベキスタンとしてはスライドして対応なので、森岡に付いていたDFがズレる。1-2列間、ゴール中央での森岡へのパスが死角から入って来た逆DFにカットされるわけだが、スライドとマークの交換が綺麗だったシーン。

その後に、森岡に替えて清水を投入。一部セットの入れ替えとして下げる選手と引っ張る選手。

 

  • 17:43 セットが仁部屋、吉川、逸見、清水。仁部屋はこの試合初めての出場となる。怪我とかではないのか。その直後に逸見と星を交換。今までに無かったセットの組み方となっている。

吉川、星のDFからカウンターへ移行した吉川のサイド~中央レーンへの運びで得たセットプレーから、清水→星と逆転した日本。失点直後のウズベキスタンの前プレはイゴールまでに及ぶ変化も出てきた。

 

  • 15:58 ウズベキスタンのキックイン。中の選手がスルーしたことでサイドに流れた、日本の1-2列間、マンマークで絞り切っているDF間を通されてからのシュートに対するイゴールのカバーが凄い。飛び出すタイミングとファーを埋める清水のDFも大事。

 

  • 15:39 1stセットに交換。韓国戦同様に3rdセットを飛ばす選択をしたブルーノ・ガルシア。星と仁部屋を他のセットにシャッフルして組み込んだり、一部セットの選手を引っ張ることでセットを組んでいることから、3rdセットは解体した可能性もある日本。2セット+αの組み方かもしれない。

 

  • 15:32~ 森岡へのピヴォ当てとキープ。その時間に動く日本の横幅とサポート。滝田から森岡へのピヴォ当て。ストロングサイドの構築から、3枚目の動きとしての逸見のアンダーラップでウィークサイドの西谷へのパスコースを作る。1-2列間。

 

  • 15:08~14:54 日本のカウンターとウズベキスタンのカウンター返しとなったシーン。どうしてもカウンターのケアが甘くなるので、ボールの取られ方は気を付けたい。このシーンでは日本としてはカウンター返しへの対応はポジショニング、中央のスペースとどうしようもなかった感じがあるが、ウズベキスタンの中央を埋めるカバーのDFがトランジションによってそのまま中央レーンで浮く好例になるだろうか。定位置攻撃における森岡の質的優位で機能していたセットだからこそ、このようなオープンゲームは避けたい。森岡、逸見での時間の作り方でのゲームテンポの落とし方が、この時間帯は厳しくなっていた。森岡に入れば収まる安心感がある一方で、逸見の使い方の問題だろうか。

 

  • 13:57 日本の失点後(スコアは2-2)、2ndセットに交換。失点シーンはどちらも1stセットの時であるから印象は悪い。星、仁部屋、清水(直後に渡邊と交換)、吉川といったセットへ。

 

  • 12:56 日本のコーナーキック。ニアでの仁部屋を使ってからの再度のセットプレーであるが、中央での渡邊らしさが見えたボレーシュートが炸裂。ようやく今大会で渡邊らしいシーンが観ることが出来た気がする。

 

  • 12:39 星のバックドアから決定機まで。仁部屋が一度、星のバックドアを認知したタイミングでボールを供給しようとしたが、ウィークサイドのDFも反応していた。そこで仁部屋がキャンセル、持ち替えて間をズラすと星に付くはずのDFは2列目のライン形成で止まっているので、星のバックドアが綺麗にハマった。

 

 

  • 8:23 1stセットに交換。

ウズベキスタンのセットプレー後を狙ったカウンターが出来ない日本というシーンが目立つ。ウズベキスタンのサイドでの1v1のDFと撤退がスムーズだから。一方で日本は前述のようにセットプレー後のケアはよりデリケートにならないといけない。それはアイソレーションも同様でウィークサイドのバランスからの予防も。

 

  • 8:07~ 日本の3-1でのプレス回避。逸見がこの試合では左サイドを初期配置としないで、右サイドにいることも多い。旋回から最終的には左サイドで逸見―森岡のペアを使うためのプロセスとして重要な部分である。この試合では森岡―逸見よりも、森岡―滝田のペアも印象的なので、森岡が右サイドでピヴォ当てを受けるシーンも目立っている。その時の逸見は中央スペースのリスク管理であるから、バックパスを受ければある程度のスペースと時間は確保されていることになる。そういう意味では悪くない配置であるにしても、カウンター時のDFには不安があるのは否めない。このシーンではサイドチェンジから逸見―森岡、西谷のライン間への移動があるからボールを持っている逸見としては2つ以上の選択肢が用意されている状況。西谷の柔らかいタッチから、大外の滝田へ。決定機だった。ライン間を使うことで逆DFは絞りきるので外は空く。

 

  • 6:35 ウズベキスタンのスペースへのアタック。滝田のマークがパラレラで森岡―仁部屋の裏を使おうとするシーン。滝田の死角からパラレラへの移行。森岡、滝田がボール保持者に寄せに行く(1-2列間の圧縮であるが、マークがズレている。首振りでの確認は無い)。滝田としてはサイドチェンジを切るためのポジショニング。森岡がダブる位置取りをしているので、中は切れているからサイドへの限定は一見できているように思えるが、それでもボール保持者の空間はある状態からのキャンセルと裏へのパス。裏へのパスをカバーするイゴールの適切な判断。

その直後にセットを一部交換。森岡、吉川、仁部屋、星。

星の詰め方が3点目に繋がった。森岡のキープ、2枚目としての星の動き出し(予測からゴールまで詰める大事さ)。止まらずに居るべき所に詰めることで生まれた3点目。日本3-2ウズベキスタン

  • 5:38 森岡に替えて清水を投入。
  • 4:56~ 日本のカウンターシーン。3レーンの活用による3v2であるが、ファー詰めデザインに対してウィークサイドのウズベキスタンのDFの最短距離の戻り方が上手くコースを消していた。外に膨らみながらセカンドポストへの侵入は逆DFの背中を取れるが、このようなシーンだと消されてしまう。

 

  • 3:35 日本の前プレに対してウズベキスタンの中央ゾーンのドリブルでの3v2の速攻シーン。ドリブルをするためのバックパスとポジショニング修正でDFとの距離感を作る。中を切る清水としてはサイドチェンジをさせたくない重心の掛け方から、逆を取って一気に振り切ったボール保持者の緩急、ライン間でサポートのために顔を出していたウズベキスタンの選手が中からサイドに流れることで中央ゾーンの受け渡しが出来るから、そのままスペースに運ばれたシーンだった。中央に寄りすぎた日本のDFからサイドを突かれた。しかし、中央ゾーンのケアは最優先であるから、選手間のバランスと距離はもっと繊細にならないといけない。

 

ウズベキスタンのPPに対する日本のDFは吉川、滝田、室田、西谷。これまでPPへのDFとして1列目を担っていた森岡は不在で、セットの組み方が流動的になっている。1列目のDF(西谷、吉川)の強度が、DFの基準となる1stDFとしてのスイッチを入れて、ウズベキスタンのボール保持者の矢印を限定させるように追い込むプレッシングからボールを奪い切ってPP返しで4点目。勝負あり。

 

 試合全体としては、韓国戦の時ほど森岡を引っ張らずに依存しない試合展開が出来た日本。逸見ー森岡のペアがアルゼンチン戦以降の試合としては一番大人しかったかもしれない。しかし、森岡ー滝田のペスカドーラ町田ペアからの展開、西谷の2枚目~3枚目のサポート、逸見のバランスを取る動きとスペースの確保というサイドの変更は大きな違いか。

さて、次はバーレーンとの準々決勝。ようやくスケジュールに余裕がある状態なので、しっかり休んでください。

印象的なシーンとして。

前半9:42~9:28は要チェックしましょう!それと、清水のフリーキック時のシュート性のキックの精度の高さよ。