おおたまラジオ

しまいには世の中が真っ赤になった。

小論・雑談

2024年8月16日~2024年8月17日の記憶と志向性の在処

これもまた日記。 だらだらした散文。 2024年8月16日の21時30分から、俺ガイル研究会でジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』の読書会があった。 『火刑法廷』のラストの評価、ミステリにおける意義などのジャンル内の話をしたが、誤解を恐れずにいえば、私…

2024年7月11日21時~7月13日12時までの断続的な生

これは日記。断片的な生の。細切れな時間の。 2024年7月11日~2024年7月13日に至るまでの、ひとまずの生存報告。 少なくとも、私たちはまだしぶとく生きているつもり。 www.zaikakotoo.com アニメ批評について、『小市民シリーズ』の記事で書き切れなかった…

文学フリマ東京36に行きますよ

昨年末のコミックマーケットC101でめでたく完売した俺ガイル研究会『レプリカvol.1』でありますが、5月21日の文学フリマでも出店予定となっております。 現在は『レプリカvol.1』自体はメロンブックスさんの通販でも購入することはできるのですが、内容的に…

言葉は言葉でしかなく

2023年4月8日 土曜日。 天気 曇り。 「言葉に引き裂かれて」、通称コトヒキ会で鑑賞した『グリッドマン ユニバース』について才華さんが素敵な文章を書いた。 www.zaikakotoo.com さらに、補足として才華さんがツイートした内容が僕には刺さった。この日記は…

言葉と図式をめぐって

2023年4月4日 火曜日。 天気、晴れ。春。 天気を記すことが日記たる所作であると、荒川洋治『日記をつける』や古井由吉の小説から教わった。当然のように天気に手を加えることはできない。書くことそのものは虚構である、と堀江敏幸は書いたが、その意味では…

大玉代助を作った100冊

りこさん(@pistolstar_1742)がやっているのを拝見してやってみたくなった。 happyend-prologue.hatenablog.com 正直、100冊を選ぶのは苦心した。読書をしているわりにはそれほど影響を受けていないのかもしれないと感じるくらいには。 しかし、ここに挙げ…

『俺ガイル』・小休止・メモ

先日、『俺ガイル』連載シリーズの前期(1巻~6巻分)が終了しました。 futbolman.hatenablog.com 前期と後期に分けているのは僕の都合でしかありませんが、こんなに長いのに変わらず付き合っていただいている読者のあなたの存在で僕は救われています。本当…

批評と私

僕に「批評」は書けない。だから、僕は「批評」に憧れている。 これまで書いてきた記事は少なくとも「批評」と呼べるものでもない。カテゴリは分からない。なんと呼ぶかは自由ですが、「批評」だと思ったことは一度もありません。 「批評」とは何か。 端的に…

『SSSS.GRIDMAN』 響裕太への批判・屈託のなさ

今、再放送を観ていますが、懐かしい。 その当時も、リアルタイムで観ていて色々語った記憶はありますし、それなりにインターネット上では盛り上がっていたはずではあったけども、今となっては宝多六花と新条アカネのWヒロインへのフェティシズム以外「人気…

吐き気という身体性の発露--ブログを書く理由

あけましておめでとうございます。 2010年代の総括という名の私的な記事がちらほらと目に留まるようになりました。もちろん、私的であろうが主観的に記録として残すことは大事な営為であることには違いありません。 むしろ2020年代は「コレだ!」的なイデオ…

師匠

内田樹の著作を読むと随所に師弟関係の話が盛り込まれている、と思っているのだけど、端的に言えば「師との出会いを通した人生の豊かさ」になるのかな。そんな「師」と仰ぎ見る存在を持つことの意味を色々と記していたりするのだけど。 僕にも師匠と呼べる存…

暗中模索・書くことの難しさ

ブログ上ではこの数か月、『俺ガイル』読解に費やしてきたわけですが、4巻の記事を書いたところから具合が悪くなってしまった。正確には5巻の記事の準備に取り掛かっている辺りで。 健康の問題というよりも「このまま読んで、書いてみても、想定していた以上…

近況報告*僕は書けなかった

書かなかった。書けなかった。 この違いは大きいわけですが、僕はどちらかに割り切れないまま往来するようにして悶々としていた。 スランプなんて格好いいものじゃない。野村克也に言わせれば未熟者にスランプは無いらしい。じゃあ、スランプは縁遠いものに…

本と私 いかに時間を調整していくか

本を読む際には「中」を読むのと同時に「外」を読むことが大事だと考えています。 本を読むのは大変です。 なんといっても「読む」ことが難しい。只でさえ「中」を読むのに四苦八苦するのに「外」も読まなければならない。 昨年末から「文学」について考えて…

『俺ガイル』を通した内省的なあとがき

futbolman.hatenablog.com この一か月間は、日夜文学について考えてきました。 その中で、文学とは「時間軸を作る」ことだと一時的な結論を出しました。 むしろ、文学のみならず批評などの二次創作含めた表現全般に言えると思いますが「語り直す」ための時間…

『選ばれた子』

人が嫌いだ。 馴れ合うのは疲れる。人と話したくない。 だから、声なんかいらない。 そう、少年は願った。 ある日、少年は声を失った。会話することに疲れていた少年は口を閉ざし、心までも閉ざした。 そして他人と距離を取り、少年は疲れることすらも止めよ…

新年!2019年が終わってない

タイトルにある通り、2019年の振り返りも2010年代の総括も終わっていない。 何ならゼロ年代の亡霊を葬る祈りもまだ途中。 テン年代の亡霊って出てくるもんなんですかね、とか考えると、私は2010年代を「眼差しの変容」と評したい気持ちもある。 圧倒的な情報…

なぜ、おおたまラジオは挫折したのか

最後にラジオを配信してから半年が過ぎようとしています。 およそ一年弱、月一ペースで配信をしていた私たちがなぜ沈黙をせざるを得なかったのか。 これは内省的な文章でしかありません。 まず前提として、これまで依存していた配信環境のサービスが終了して…

おおたまラジオ第10回 突発的超雑談/谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』喪157感想

政夫:一応第10回と銘打ちましたけど、今回は本来ならば古市さんの『希望難民ご一行様』をもとに読み解いていこうかなという流れだったんですけど、今日はちょっと違うということですよね。 希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新…

SNSとクラスタ化に伴うフィルターバブルについて

政夫:ポッドキャスト、地味に更新しているじゃないですか。 podcast-is.seesaa.net ろこ:はいはい。 政夫:第7回のスロウハイツの回をちまちまと更新している(笑) で、僕のおおたまラジオツイッターアカウントでは、ろこさんがポッドキャスト化したリン…

『revisions リヴィジョンズ』感想 ハードな世界を生き残るには主人公であるべきなのか

谷口悟朗監督作『リヴィジョンズ』を観た。 revisions リヴィジョンズ BD-BOX [Blu-ray] 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ 発売日: 2019/06/28 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る よく出来た群像劇だと言えるのではないだろうか。 …

『ゆるキャン△』感想 ゆるいからこそ担保される多様性

私の基本的な『ゆるキャン△』感想の文脈は以下にある通りであるので、本記事はその総括という名の補足です。 ゆるキャン△ 3 [Blu-ray] 作者: 大塚明夫 出版社/メーカー: フリュー 発売日: 2018/07/25 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (2件) を見る f…

相対化していく途中で自分探しが止まらない 『ブリグズビー・ベア』を添えて

ろこ:こんばんは。第8回。モヤっとしますね。番外編を聴きましたよ。 futbolman.hatenablog.com 政夫:ありがとうございます。 ろこ:なんすか、鋭いパスというか、受け手を全く考えていない。 政夫:鋭いパス(笑) 番外編は、今の時代的に居場所を変えて…

自分を変えるか、世界を変えるか。いや、居場所を変えろ! 異世界転生と『宇宙よりも遠い場所』と『ブリグズビー・ベア』

こんばんは。 おおたまラジオ番外編です。 2019年に入ってから、える・ろこさんと毎月一度はおおたまラジオをやっていきたいよね、というのを隠れテーマにやっているんですけど、映画を立て続けに傑作を2本を観て、一人喋りの意欲が湧いたというか、今月のお…

『ゆるキャン△』感想 自己完結中のソロ充の志摩リンよ、どこへ行く?

まったりと『ゆるキャン△』を観ている。 ゆるキャン△ 1 [Blu-ray] 出版社/メーカー: フリュー 発売日: 2018/03/28 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (9件) を見る 文脈は以下の1話感想記事で概ね語っているので、そちらを先にどうぞ。 本当は國分功一…

フットサルのポエム化と観測位置の苦悩

政夫:フットサルのポエム化の話をしてもいいですか。 ろこ:いいよいいよ!それは。 政夫:分かるんですよ。フットサルの実況ツイートって単語、単語、単語みたいになっちゃうじゃないですか。在原さんとかがやっていたのはハッシュタグでタグ付けするとい…

『ゆるキャン△』第1話「ふじさんとカレーめん」感想 自己完結しているソロ充の現在地

政夫:『ゆるキャン△』第1話を観たという感想を話したいと思います。 ろこ:またアニメかよ… 政夫:いや、やろうって言ったのろこさんですよ(笑)積極的に動いたのは。 ろこ:いや。確認してください。あの、話せる強度をね。 政夫:僕は第一話しか観ていな…

宇野常寛編『PLANETS10』を読解して『PLANETS11』を予想する

本稿は『PLANETS10』の一部の文脈のみを恣意的に取扱い、それを読解していくことで次号の『PLANETS11』への足掛かりといった予想を膨らませる記事である。 手掛かりは『PLANETS10』で提示されている。 PLANETS vol.10 作者: 宇野常寛,家入一真,イケダハヤト,…

おおたまラジオの未来 俺たちが幸せになるには

ろこ:今年どうだったか…ラジオが走り始めたからね。俺の中ではやっぱり。 政夫:エポック・メイキングですね。 ろこ:そうだね。結局、自意識の話をしているけど。 政夫:俺たち自意識ボーイズとしてはね。 ろこ:反省とかするの? 政夫:反省…んー。 ろこ…

『ボヘミアン・ラプソディ』感想 現実/虚構で現実に耽溺しきったフレディと虚構に救われたオタク(『SSSS.GRIDMAN』を添えて)

政夫:スタートに語り難いと言ってしまった『ボヘミアン・ラプソディ』の話をしましょうか。(昨夜に)観て来ましたよ。ろこさんはいつ頃行ったんでしったけ。 ろこ:先週くらい。 政夫:率直な感想をまずやりましょうよ。どうでした? ろこ:俺は好きよ。め…