おおたまラジオ

しまいには世の中が真っ赤になった。

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsウズベキスタン代表 前半マッチレポ

日本がウズベキスタンに勝利して、グループリーグ首位突破を決めた。

 1stセット 森岡、逸見、西谷、滝田

2ndセット 吉川、清水、室田、斎藤

3rdセット 皆本、渡邊、星、仁部屋

だったのが、韓国戦までの日本。

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vs韓国代表 町田セットへの依存 - フトボル男

 

この試合では、引っ張る選手とプレー時間が少ない選手がよりハッキリとなっている。詳しくは後述するが、主なポイントとしてはバランスが取れる吉川、西谷の引っ張り具合、ピヴォ枠としての森岡と清水の交代から1stセット→2ndセットへの切り替えの出発点となっている点、逸見を他のセットにシャッフルして組み込んでいた点。これについては仁部屋が前半はプレーする機会が無かったのに関係していて、アラの枠に逸見を起用して補完。

最も気になるのは皆本が後半に殆どプレーしていなかったこと。怪我だろうか?他の記事でも言及していたようにフィクソとしての枚数とセットプレーのキッカーとしてのタスクがあるから懸念材料である。

韓国戦ほど1stセットのペスカドーラ町田セットへの依存は軽減した部分もあるが、一部の選手のシャッフルによって、3セットでのバランスの取れたローテーションをしていたブルーノ・ガルシアとしてはプレー時間の偏りが生まれてきているのはどう考えているのだろうか。

 

ウズベキスタンはプレス回避でロングボールが増えたのは途中から。それに対するイゴールのカバーは欠かせなかった。

日本としては韓国の方が激しくて面倒だったかもしれない。日本がボールを持つ時間も多く、定位置攻撃で崩すことが求められる試合展開になるので。

その点、ウズベキスタンはカウンターも多いが、ボールを持つための時間を増やそうとしているので、日本のプレッシングからショート~ミドルカウンターの発動のキッカケはある。

ウズベキスタンは上手かった。タジキスタン、韓国と戦った2試合よりもフットサルが上手いチームという印象で、試合の運び方、ボール保持とプレッシングとDFラインの設定のバランスをスコア優位から進めていた前半は見事だった。ラインの高低、ライン間の活用のための選手間の調整、ロングボールなどのバックドアの仕掛けなど豊富で良いものが観られた気持ちになった。

勝たないといけなかった韓国と引き分けでも良いウズベキスタンでは、スコア優位からリスク管理、プレッシングライン、ボール保持と日本を見て試合を運ぼうとしていた。しかし、ボール保持の面では日本のプレッシングに悩まされていた部分とロングボールで割り切る部分もあり、日本としては高い位置で奪ってショートカウンターというよりもミスを誘ってセットプレーの方が目立つ展開でピリピリした内容だった。セットプレー機会は大事という再確認。

そのウズベキスタンを堂々と破った日本は、明らかに調子が上がってきている。プレー時間の偏重はあるにしても、選手個々というよりもセット毎のコンディションが上がってきた印象。チーム的にも上向き状態だと思う。

問題は3セットの回し方は、この試合のようにセットの一部をシャッフルしていくとするならば、どこまでフィジカルを維持できるのか。

 

 

前半

キックオフ開始直後

日本は3/4位置からのプレッシング

ウズベキスタンは3-1とクワトロセットの併用。

 

  • 19:47~19:27 日本のキックインはイゴールを使ってプレス回避。西谷のマークしている8番をサイドに釣ることで、中央の門が空いたので森岡へのピヴォ当て。イゴールが持っている時の横幅をそのまま活用するための森岡のエントレリネアスから、サイドの滝田へ。持ち替えてウズベキスタンのDFがボールラインまで撤退。逆サイドの逸見へ。この逸見を後方に残すのはリスク管理とドリブルのスペースを確保するためのもの。逸見が受けた直後の西谷のライン間への移動→ストロングサイドの構築のために滝田のいる右サイドへ。ライン間の西谷へのパスラインは1stDFに切られているので逸見から滝田へ。パスを出した後の逸見のサイドに開くポジショニングと非言語コミュニケーション。右サイドに流れた西谷―滝田を使うことでウズベキスタンのDFを寄せる。逸見が使うスペースが生まれる状態。ウズベキスタンの逆DFも逸見のポジショニングから予測、アタックするが、逸見の矢印をズラす持ち替え方の技術。逸見―森岡のペアが活きる左サイドの選択肢の一つのドリブル突破のシーン。

 

  • 18:57~ 日本の3-1保持。横幅を使うポジショニング、滝田のパラレラ。パラレラ前の1列目のDFに対する動き出しの変化。少し押し込んだからこそ、サイドに流れた時のリードしている瞬間を作れている。滝田→西谷。逆サイドでは目一杯開いて準備している逸見。受けた直後の森岡の中への移動。縦のドリブルへのスペースを作りつつ、中央でのポジショニングを狙う。股を通すピヴォ当てを選択して、DFにカットされたシーン。

 

  • 18:21~17:57 日本のキックインはイゴールを使ったプレス回避。先程のシーンと同じように西谷が左サイドに流れることでDFの門を空けるが、先ほどよりもマンマーク的ではなく、中央のスペース優先の守り方をしているDF 関口から森岡へのピヴォ当て。収めてくれる安心感。森岡と逸見の時間の作り方、キープ力が表れているシーンであるが、西谷のサイドでのサポート(抜ける動き)があるから、ウズベキスタンの2列目のDFはやや下がっている。森岡のエントレリネアス、右サイド(滝田)への散らしから、逸見の左サイドを使うように。逸見へのスペースを作るシーンが続いているが、森岡へのパスラインは切られており、ウズベキスタンのDFが絞っているからマークの交換が出来ている状態。逸見の1v1であるが、ウズベキスタンの2列目のカバーも用意されている。その2列目のカバーを図ったDFは森岡を見ていたが、1列目の逆DFとマークの受け渡しをしているから足りている構図。

 

  • 17:48 日本のキックイン。ファーで浮かした森岡への狙いが読まれていたシーン。その後の速攻、スペースのケアとライン撤退の甘さが出てウズベキスタンが先制した。セットプレー後の処理の甘さは他の試合でもあったと思う。セットプレーは人数を掛けやすいからこそのリスク管理が求められる。サッカーのエンリケバルサがセットプレー後のカウンターのDFが甘かったのを思い出した。

 

  • 17:12 個人的に気になったシーン。イゴールへのバックパスの間にセットの一部を入れ替えた(森岡→清水)わけだが、ボールを離すタイミングと交代のタイミングの間の悪さが出ている。逸見のサイドを埋める動きも遅いから、滝田としては出し所が無い。

 

  • 16:58 2ndセットに交換。清水、室田、吉川、斎藤。

 

  • 16:21 ウズベキスタンのプレス回避。ウズベキスタンはライン間を使ったり、裏へロングボールを蹴る意識が強い。日本のロングボールの処理からセカンドを取った後、エントレリネアスで日本の1-2列間を活用することで、どうしても日本のDFは収縮してウズベキスタンの2列目には時間がある状態になる。その間にウィークサイドのバックドアへとつなげようとしたシーン。

 

  • 16:01 斎藤のカットインからシュート。逆足配置だからこそ。左足だからこそ。夢があるシーンだと思うが、気になったのは斎藤にパスを出した吉川の動きに対して、ウズベキスタンの1列目のDFが引っ張られていない=マークの受け渡しをしていること。だから、斎藤のカットインに対してもう一つ運ぶと、そのDFに引っ掛かる状況になっていた。もう一つ運べたらシュートの角度はどうなっていたのかと考えてしまうような素晴らしいシュートだった。

 

  • 15:33 室田から清水へのピヴォ当て。森岡のようなシーンだった。ハーフスペースに移動した清水、室田の2枚目の動きでウズベキスタンの6番を釣ることで、清水としてはカットインの走路も外の走路もある状態が作れている。だから、一度中に運ぶ素振りを見せてからの縦への反転で振り切って室田へのファー詰めデザイン。清水が中に運んだ時に、ウズベキスタンの1-2列間の右サイドで要求している斎藤もいるので、DFとしては選択肢が多すぎて大変な局面であったと思う。

 

  • 15:12~ 日本のプレッシング。単発なのが気掛かり。室田のコースを限定させているジャンプに対して連動していない日本の1列目。ウズベキスタンの3枚への距離感の悪さ。1列目がウィークサイドへのコースを切れていないので、簡単にサイドチェンジを行われてボールラインまでの撤退を強いられる。室田の暴走とみるか、1列目の怠慢とみるか。ウズベキスタンのプレス回避も見事。偽ピヴォ、ウィークサイドのアラ裏を突くためのパラレラとサイドチェンジ、エントレリネアスで日本のDFを揺さぶる。隙を狙ってピヴォ当て、レイオフを受けるための3人目の配置があるからセカンドを拾えているので、サイドでのワン・ツーからシュートまで持って行かれてしまう。EUROのロシア代表もサイドでのワン・ツーが結構パンチあった。

 

  • 14:25 セットの一部を交換。吉川、皆本、星、斎藤。

 

  • 14:19 星へのピヴォ当て。皆本のオーバーラップに対して中央のDFが引っ張られ、中央のスペースが空き、吉川のスペースアタック。星としては外と中の選択肢がある状態。足元に入った後の吉川のリカバリーとサイドへのドリブル、斎藤へのピサーダが結果的にズレたことで斉藤がブロック役になり、中央のスペースをマネジメントしていた星のミドルシュートまで至った。

 

  • 14:09 3rdセットに交換。星、皆本、渡邊、吉川。吉川をこの時点まで引っ張っていた。

 

  • 13:13 吉川に変えて逸見を投入。セットの一部をシャッフルしている。仁部屋の出番がまだ無い。逸見の使い方は1stセットと変わらない。逸見の時間と突破力+ダブルピヴォにしてターゲットを増やす+フィクソ専用の皆本とハッキリしたセットを組みたいためだろうか。しかし、逸見の縦パスがカットされているシーンが目立つ。ウズベキスタンのDFの切り方が良い。ピヴォ当て後の取られ方も悪い。それが12:03のウズベキスタンのカウンターシーン。3レーンの活用とサイドからサイドへ。

 

  • 11:38 森岡、逸見、皆本、西谷のセット。1stセットに近い組み方となっている。
  • 11:37 皆本―逸見のパス後のアクション、逸見がゴー&ストップでサイド寄りで受けることで、皆本とのワン・ツーの出し手の選択肢と、交代ゾーンからボールに合わせて右サイドに流れている森岡へのピヴォ当ての2つがある。森岡の非言語コミュニケーション、皆本のバックドアによるウズベキスタンの門。選択したのは森岡へのピヴォ当てであるが、ボールが入った瞬間のウズベキスタンのDFのタイトさ。2列目の予測とスペースを空けておくことでの誘導。

 

  • 11:13 日本のキックインから森岡の1v1のシーン。アイソレーションほど寄せているわけでもなく、ウズベキスタンの2列目でのマークの受け渡しとカバーリングの準備が出来ている。セカンドポストへのパスを切るためのDFのポジショニングと責任感から生まれるスライディング。

 

  • 10:51 西谷から森岡へのピヴォ当て。森岡の反転と西谷のセカンドポストへの侵入シーンであるが、西谷のセカンドポストへの入り方がファーに膨らむことでDFの背中を取っているプルアウェイの要領そのままで素敵。

 

  • 9:52 2ndセットに一部交換。斎藤、室田、清水、西谷。ウズベキスタンのセットプレー後に西谷に替えて吉川が投入されて2ndセットになった。一気に変更しなかったのはセットプレー時のマークの確認、西谷のDFを考えたためだろうか。

 

  • 9:22 日本のキックインによるバックパスの展開からウズベキスタンのカウンターに対するイゴールのケア。室田のDFと吉川のゴール中央~ファーを切って埋めるポジショニング。

このセットはボールの回し方がスムーズで、アラの位置としての室田の突破も光っていた。ウズベキスタンのプレッシングを回避するためのスイッチとなる中央レーンの吉川の保持とピサーダを使うことでウズベキスタンのDFの逆を取れているので、DFとしては撤退が求められるシーンが続いているためスペースの確保が出来ている。

 

  • 7:44 日本のキックイン。時間を目一杯を使った後の選択から、斎藤のパラレラに対して吉川のピサーダが相手1列目のDFに引っ掛かって、そのままウズベキスタンのカウンターが発動。その時のカウンターのDFが良かった日本。

その後に3rdセットに交換。仁部屋の枠に逸見を起用しているのが特徴的。タイムアウト後には渡邊が森岡と交代。逸見のダイアゴナルなピヴォ当てに対してマークから外れて反応が出来ていなかった部分もあった渡邊であったが、韓国戦同様にプレータイム時間に偏りが出てきている。

 

  • 5:07 日本のプレッシングが良いシーン。ウズベキスタンの偽ピヴォに対してマンマークで対応。クリアランスに対してラインを少し下げてから上げるアクションの連続。キックインを得てから1stセットに交換した日本。4:48の西谷がファウルを得たシーンでの、滝田から森岡へのピヴォ当てに対しての3人目の動きが速い西谷のライン間への移動。1、2、3、枚の距離感が近いからこそ判断と実行が速くなった例であるが、その分、DF間も近い。

 

  • 3:21 森岡へのピヴォ当てに対するウズベキスタンのDF対応。森岡のキープ力、1v1、西谷のブロックで森岡のカットインを促して外そうとしたが、1列目のDFに捕まったシーン。ウズベキスタンのDFのバランス、1-2列間、西谷の動きにDFが崩れず、スペースを優先しているからこそカウンターに繋げられている。その後の滝田のケア、日本の撤退も見逃せない。

 

  • 2:28 2ndセットに交換。事前に清水は森岡と交代していた。

セットプレー後のカウンターケアは課題になりそう。シュートまでは行かれていなくても大きく運ばれている事実はある。

 

フットサルマガジンピヴォ!Vol.59 感想

 

 

古本でピヴォを集めるのにハマっている。読んで琴線に触れたものについて紹介と感想。あくまでも一部抜粋。気になる人は買いましょう。

 

テクニック、タクティカル、フィジカル、メンタルなどのそれぞれのトレーニングを一つのトレーニングに落とし込み、実際のゲームの中で起こりえる負荷をかけるトレーニングをインテグラルトレーニングと定義し、ドリルトレーニングとは真逆のコンセプトだとミゲル・ロドリゴは言う。

提示されたメニューは以下のように。図で大まかな動きと練習毎のポイントが簡素に書かれている。

3v1のパストレーニング(視野の確保)

6v6のウォームアップゲーム

4v2+1のボールキープ(周辺視野)

3v3のシュートゲーム(速攻)

数的優位、不利、同数状況でのシュート

ハーフコートでの1v1

 

  • P19~ ミゲル・ロドリゴが講習会で用意した映像はスペインリーグ。筆者曰く、日本とスペインでのフットサル観の違いが映像から読み取れたと。アラでの1v1シーンが目立っていたとのこと。

ミゲル・ロドリゴ「フットサルのカウンターのゲームと言ってもおかしくない」

フィジカルによるスピードの問題ではなく、攻守の連続性によるスピードが求められる。サッカーとフットサルの関係性についてバルサを引用。この時のバルサはペップが監督。

ミゲル・ロドリゴ「非常に狭いスペースでクリエイティブに細かくボールを繋いで運び、みんながいい判断をし続けながら有機的に動いていく。彼ら(サッカーのバルサ)のトレーニングを見ると、実は後ろから中盤、前線のシュートゾーンまで、すべてスモールサイズのゲームとして移動しながら全体のピッチの中を動けるようにプレーしている」

サッカーにおけるフットサル要素としてエントレリネアスを持ち出し、

「典型的なのがチャビとかイニエスタとかで、ボールを動かしてマークを外して、エントレリーニャで間に入ってボールを受けて、その瞬間に数的優位を作って、空いているスペースを一瞬、作り出す。パスを回して回して、狭いスペースになってきたと思ったら、下げてまた逆サイドに展開する。それを動きながら繰り返している」

「だからといって、パスばかりのチームではなく、1v1の局面は避けられないため、この部分にも非常に価値を高く置いている」

後段の件、 ペップのバルサでいえばレオ・メッシ。ペップのバイエルンでいえばドウグラス・コスタ、ロッベンがそれ。

 

北海道のトランジションを活かしたカウンターについて書かれているが、佐々木によれば「特に決まった形はない」とのこと。カウンターにおけるモデルは無いということか。

17節町田戦の水上のゴールシーンで、相手のドリブルに付き切った佐々木がカットする動きから連動して、水上が前線の基準点として移動している点が書かれているが、個人的な意見として、1stラインの形成、町田の選手のドリブルで空けたスペースに対して町田の逆FPが絞って中央を締める動きをマークするための移動、バックパスの牽制、コース切りなどの意味合いもあると思うが、どうだろうか。結果的にカウンターの基準点になったのは水上のポジショニング。図で観る限りでは相手の後方のリスク管理と枚数調整が怪しい気がする。

 

相手の急所を突くフリーランニングとしてスポットを浴びているのは木暮賢一郎。ペアの相方は森岡。木暮のオフザボールがエグイのが分かるシーン。

木暮のゴール前までの走り込みによるフィニッシュへの絡みが増えたことについて書いている。

図解の第16節神戸戦は、木暮の抜ける動き~マークの外し方~DFの死角(裏)を取るためのターン~ゴレイロの表を取る動き。抜ける動きの表と裏のシーン。

 

  • P50~ スペイン人監督のミキによるコーチング道場。逆DFの守り方について書いてある記事。

 ミキからの提言「プレーはしないけど、自分の前のスペースを支配しなければいけない」

ボールサイドにいない逆アラのDF2カ条

・味方が自分のマーカーへのパスコースを切っているときは、自分のマーカーに密着する必要はない

・反対側のアラは、プレーしないけど、自分の前のスペースを支配しなければいけない

逆アラはプレーに関与していないからといってサボってはいけないのは当たり前で、バランスを取ることでコレクティブなDFをすることが出来る。

DFの1stライン形成による基準作り、カバーリングの準備、逆アラの判断力、チームDFのバランスを保つためには逆アラのポジショニングが重要なことが示されている。サッカーでいうシメオネアトレティコの逆SHがそれに近い。

 

  • P52~ セゴビアに所属している高橋健介に尋ねるスペインリーグの魅力。インタビュー記事。

高橋によればスペインのフットサルはスピード感が顕著。フィジカル的なものではなくて、判断の速さやトランジションによるもの。ただ、走るだけのものではないと高橋は言う。

「その切り替えと判断の速さが全体のゲームスピードを速くしているし、ボールがラインを割らないのでゲームが途切れない。ミスで終わらない。DFが上手くいっているときはボールを奪えるけど、上手くいっていなければ、抜かれてしまう。戦術と戦術、またそのプレスを回避するそれぞれの選手の技術と技術がぶつかり合っているから、それがスピード感に繋がっていると思います(略)」

「パスの貰い方など、ピッチを上から見ているような感覚のままプレーをピッチでやれているような。ここで止まったら相手は嫌だろうなって思うところで止まるとか。あそこに走ったらいいパスを貰えるだろうなってところが見えているとか。」

「パラレラっていう戦術は、「こうだ」っていうのを学び、その後にチャビが「そうじゃないよ。こうだよ」と言われ、シドが来たらまた全然違う戦術で。自分の経験上、それぞれの監督のいろんな戦術を学んでいって、それが選手自身の引き出しになっていくんだと思います。スペインではそれこそ子どもの頃から本当にたくさんの監督のいろんな戦術をこなしながらプレーをするから、トップになったときに監督に試合中、戦い方の変更を指示されても「ああ、こっちね」ってたくさんある引き出しからそれに適したものを開けられる。それが歴史なのかもしれないですね」

 ミゲル・ロドリゴによれば、スペイン人は10代前半、小学生くらいまでフットサルをやって、その後、ソサイチや8人制、11人制というふうにサッカーを選択する人も取り組んでいるとのこと。サッカーでいえばイニエスタやアセンシオなどが代表例か。

 

  • P60~ 王者エルポソのディフェンスと攻撃。それらを分析した記事。あくまでもケース毎全般に言及することは不可能なので、ある程度、枠に嵌め込んで記述している。

本誌で最も驚いたのは以下。

  • P62 あふれる攻撃オプション。

ドゥダによれば、練習ではセットプレー以外の攻撃パターンの練習はしない。

監督としては選手のプレーエリアや特徴が被らないようにデータを参考にしてセットを組む以外、攻撃には触らないとのこと。

データについては、ドゥダが練習後に先週末の試合を観ながら、各選手のプレーをひとつひとつパソコンに記録。毎節データを集積。選手のシュートエリア、シュート数、ミス、ボールロスト回数、ファウル数など。組み合わせ毎のFPの統計を取るのは、プレー時間と失点数とゴール数から、ゴールを狙うセットと失点を避けるセットを見つけていく。

 

  • P80~ ピヴォに必要なカラダ作り。

星翔太と吉田直人のフィジカルトレーニングについてのレポ。

「お尻を出してキープをしろとミゲル・ロドリゴからも言われているので、お尻周りは必要。ただ、お尻だけを出してしまうと上半身のバランスが崩れるので、腕で押さえたり上半身も必要。あとはピヴォは首を鍛えた方が良いと思います。後ろからDFが勢いをつけて突っ込んでくるので、頑張っても腰とか身体全体に衝撃が来て、むち打ちになります」

 お尻のキープが上手かったのは、先日のアルゼンチン代表。手と尻の使い方が抜群だった。手押しだけで空間を得てから反転や上半身を先に預けて空間を作ってからボールを迎えに行くなどもあるが、密着した状態だと腕に頼り過ぎると上半身と下半身のバランスが悪くなる。下手すると泳ぐから。適切なコーディーネーションはボールキープから求められる。そのための身体作りである。

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vs韓国代表 町田セットへの依存

日本が韓国を5-2で破った。

苦しい試合であり、森岡の存在感が凄まじかった。

試合前から、具体的にはアルゼンチン戦から、森岡のDF時の粘りが気になっていた。

怪我の影響だろう。1列目のDFとして、後方のカバーありきになってしまう部分は見逃せない。それはマークの交換という綺麗なものでもなく、2列目のチャレンジによるもの。しかし、韓国のPP時の1列目としてのDFは凄かった。経験値とPPの守り方がある程度のポジションが固定的になるからだろうか。

DFだけではなく森岡のOF時の1v1もアルゼンチン戦、タジキスタン戦からも結構シビアだったので疑問視していたが、見事に韓国戦で爆発。参りました。凄かったです。韓国の監督が試合後にもお手上げの様子。

【アジア選手権】韓国代表監督も日本のエースに脱帽 「我々は森岡薫という一人の選手に負けた」 | FUTSAL X

 

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsタジキスタン代表 セットの組み方と左足 - フトボル男

アルゼンチン戦×2、タジキスタン戦からの大きな変更として、ペスカドーラ町田セットが1stセットとなった韓国戦。

ピヴォの使い方とアラをみると、タジキスタン戦ではこのセットが一番機能していたから不思議ではない。

しかし、1stセット(ペスカドーラ町田+逸見)以外はどうなのか? 森岡ー逸見のペア間、その他のセットの潤滑油となる吉川の頭が抜けている感じは強いが、その他のバランスを考えるとなると難しくなっていく。

日本としては撤退したDFの崩し方とカウンターのケアがテーマ。それはタジキスタン戦もそう。ボールを預けることでショート・ロングカウンターを狙ってくる相手に対してどのようにマネジメントしていくかが問われている日本だが、この2試合は実際に上手くいっていない。

 

フィクソがどうなるのだろうか。カウンター時のDF~定位置守備において、皆本のタスクが増える予感があったのはタジキスタン戦だったが、フィクソの枚数が足りていないのは明らか。でも、この試合では皆本のプレー時間は少なかった。

また、サポート、3人目の動きなどの速さが光る西谷の身体が重い。コンディション的に、判断のスピード的にももっと速いイメージがあるが、重さはアルゼンチン戦から改善されていない。

1stセット以外のピヴォ当て後の強みは依然として課題。かといって1stセットも、森岡の質的優位に頼っている感覚が強くなったのが韓国戦。この偏りがどうなるのか気になる。カウンターケアのDF構造、斎藤の左足のパス設計は好きだがフィクソ起用は厳しいか。期待しているんだけど。

 

プレー時間の偏りが明らかになった韓国戦。

後半では3rdセットよりも1stセットを優先。そして結果も出たし、今後はどうなるのか。確かに3rdセットは機能していなかったし、狙われていたから当然なんだが(後述)、ダブルピヴォもオプションとしては微妙。そうなると3rdセットを解体して、1stセット+2ndセット+αのサポートになるのかどうか。でも、個人的にはブルーノ・ガルシアは3セットでの回し方のコンセプト自体は崩さないと予想しているが、1stセット以外をどうするのか気になるところ。

 

1stセット 森岡、逸見、滝田、西谷

2ndセット 斎藤、清水、室田、吉川

3rdセット 皆本、渡邊、星、仁部屋

 

前半 

日本は1stセットから

  • 19:36 日本のDFのバランス、西谷の寄せ。その直前の韓国の抜ける動きでのパスライン作りに対して逆算しているような西谷の寄せ方。

日本のプレッシングを嫌う韓国のプレス回避はロングボールが多かった。ゴレイロを一つ挟んでから前線に送り込むのもある。ロングボールは同サイドも対角線もある。前線の抜け方からストロングサイドに流れるのは前半最初。対角へのロングボールならば、日本の2列目のDFを引っ張って中央のスペースに抜ける狙い。

  • 18:36 逸見の時間とキャンセル。視線とボールサイドへの寄り方、滝田、3人目の動きの西谷が抜けることで逆サイドの森岡が受けられる形に。森岡のデスマルケ、ストロングサイドの構築、日本のバランスとしては深幅が足りていないから一枚飛ばしのパスでサイドを変える。森岡のロングパラレラと安定のキープ。逸見→西谷(サイドを変える)パスの直前の滝田のブロックでのパスコース確保があり、西谷のサポート、バックパスでの回避から韓国DFの釣り出しから、逸見の突破→3レーンの活用(森岡、逸見、滝田)
  • 17:51 セットの一部交換。清水、逸見、西谷、吉川。
  • 17:23 逸見の突破。逸見をどのように活かすのかがテーマとなっているのは、1stセットだけの話ではない。個の質に直結。気持ち良くスペースと受けられる形を作るまでのプロセスが問われている。苦しい時は時間を作ってくれる。アルゼンチン戦の異物感から空回りしていない感じにはなってきている。DFの重心のズラし方と抜くための置き方、キャンセル込み。吉川の横幅があるから韓国の逆DFは絞れない。1列目のDFとして日本のサイドチェンジはケアするところ。だから、ライン間に入った西谷に絞りきれない。DFの動かし方とスペースへの移動。

 

西谷→室田に交代。

  • 16:50 逸見からの清水へのピヴォ当て。清水のポジショニング、レイオフ、逸見へのカバー。相手DFのマークの交換はフィクソと逆アラの関係性。
  • 16:29 斎藤からのピヴォ当て。右サイドでの左足の価値がこのシーン。それに合わせた清水のポジショニング(斎藤は逸見との交代)。味方の利き足と特徴を把握しているからこその準備である。
  • 16:20 ピヴォ当てのシーンみたいに中央のスペース管理ではなく、ウィークサイドを取っていることが多い日本。この特徴はアルゼンチン戦から変化は無し。ウィークサイドのバランスを考えると、中央~ストロングサイド付近に集まると詰まるから。アラーフィクソの部分と前のめりな感覚が強い。ピヴォ当て後のアクションとして、DFにスライドさせてからウィークサイドを使う意図はある。そのためのウィークサイドでの2列目のポジショニングと1列目のセカンドポストのポジショニングによる2枚の関係性だから。しかし、それがカウンターケアの甘さに繋がる。
  • 15:45 日本のキックイン 斎藤からのチョン・ドンフェイクからファーへの清水へ。清水がいるセットの時はどれだけ清水をフリーで使えるかどうか。基本的にはファーでボレー。ニア~中央での変化とブロックが欠かせない。前半14:02 前半4:54 前半4:52 後半7:24などがそのケース。

対して韓国のセットプレーは豊富。裏に送る指示はベンチからよく出ている。日本のフィクソを釣ってアラ裏をどう使うか。シンプルな裏抜けであるが、ロングボール使用が増えていく傾向。

  • 14:35 日本の左サイドでのチョン・ドン→斎藤がいるからの選択。左サイドでの左足のシュートコースは右足には無い部分。

 

3rdセットに交代。星、渡邊、皆本、仁部屋。

  • 13:03 トランジション、バックパスで韓国のDFのバランスが崩れたシーン。前後の距離感、1-2列間の分離。ピヴォ当てからシュート。バックドアも。
  • 11:46 中央のカバーが速い。ボールの奪われ方の問題で、韓国の1列目のポジショニングがトランジションで2v1を作っている。日本の撤退の仕方が求めれるシーンであるが、アラ裏のカバーで日本のDFが釣られる可能性と逆DFとしてのバランスの難しさ。シュートをストップするイゴールの詰め方。ゴレイロに詳しい人は子のイゴールの上体の寝かせ方はどうなのか教えて欲しい。その後の自陣でのボールの取られ方も最悪。まさにイゴール様様。
  • 10:51 キックイン。森岡の中ドリ、仁部屋の韓国のDF1列目の動かすための抜け方、皆本とのスイッチプレー(森岡のピサーダ)+ミドルシュート
  • 10:08 セット交換。セットが一周した。皆本、森岡、西谷、逸見。9:20 皆本から滝田を投入。
  • 9:26 日本のキックイン 3-1 逸見―森岡のピヴォ当て。(受ける前とは違って)ペアでの熟練度というよりもお約束の逸見が抜ける動き、ストロングサイドの1列目のDFを消すことで、森岡のカットインの走路を作る。アイソレーション。反転シュート。このシーンと同じ構造がこの試合の勝利に繋がったわけだが。西谷の旋回の動きで14番のDFを動かしているのも大きい。それがあるからDFの門が空いた。
  • 8:32 滝田のポジショニングの難しさ。逸見の中ドリからサイドを埋めないといけない滝田のタスクであるが、サイドを変更して速いタイミングでのピヴォ当て、森岡の反転からウィークサイドの滝田のバックドアというシーン。滝田のポジショニングがもう少し高ければ門を通せたが、その前の逸見のサポートでサイドを埋めるマイナスの動きがありつつ、ウィークサイドのバランスがあるからポジショニングが難しい。
  • 7:25 2ndセットへ。
  • 6:48 日本の失点シーン。キックイン。被セットプレーが続いていた日本。ロングボールで日本をプレス回避する韓国の徹底ぶりからピヴォに入らなくても、日本のDFがクリアすればセットプレーへとなる。それに加えて韓国のセット毎でのプレッシングラインの変更がある。恐らく、日本のスカウティングの結果から、1stセット以外はプレッシングラインを高めに配置しているかもしれない。ハーフでのDFだけではなく、3/4のプレッシングでセットプレーを作る機会を増やしている。
  • 5:03 吉川のターン、清水のエントレリネアス。清水はライン間の意識が強いのが特徴。1-2列間の活用から、吉川のバックドアで1列目のDFの背中を取る→斎藤の動きで外を空けてマークのズレを生もうとする日本だが、最後まで滑る粘りの韓国のDF
  • 4:14 3rdセットへの交換。吉川は残っている。3rdセットはオープンゲームになりがち。1-2列間、中央スペースの管理、トランジションによるところ。
  • 3:51 吉川から渡邊へのピヴォ当て、レイオフのズレ。吉川のランニングよりもミドルシュート待機の皆本を使ったシーン。府中コンビを表すシーンであるが、渡邊のパスの受け方、韓国のDFの圧力を外に流すようなトラップをしているので、吉川のランニングに対して目線から外してしまう持ち方だったと思う。

 

仁部屋の足裏でボールを舐めてア・ラ・コルタの外し方から決定機2本が印象的。これが決まっていればもっと楽な展開になっていただろう。

 

後半

日本は1stセットから。ゴレイロイゴールから関口に交換した。関口としては韓国のロングボールへのカバーが求められる。

 

  • 19:30 日本のバランス。逸見のサイドとストロングサイドの作り方。逸見―森岡のペア作りのためのボールをサイドに寄せて、DFを引っ張ることで逸見の1v1からピヴォ当てを狙ったシーン。滝田からパスを受けた逸見がボールを足元に入り過ぎたために、その時間で間合いを詰めた韓国のDFが良い。逸見が奪われかけたので日本のウィークサイドは中央に絞るから、ボールを落ち着かせたくても横幅が足りていない距離感になる。それによるバランスの悪さから、韓国のDFの1列目のジャンプに捕まる。
  • 18:56 森岡のアイソレーション。滝田が1列目、ラインを下げるため背中を取る動きことでライン間への移動。DFは滝田のマークよりもボール保持者の森岡を優先したことで局所的に1v2の数的不利と苦しい森岡であるが、このシーンではウィークサイドの逸見のポジショニングが気になる。日本のピヴォ当て、特に森岡に入った時の逸見のストロングサイドでのサポートとは別で、ウィークサイドに回っている選手のポジショニングがアルゼンチン戦からどうなのかと思っている。このシーンでの逸見は森岡のバックパスへの顔出しが無い状態だから孤立してしまっている。
  • 17:45 2ndセットに交換。旋回によるプレス回避。フィクソとしての斎藤の中抜けから右サイドを埋めて左足の展開。個人的にはタジキスタン戦からこのような仕掛けを作って欲しかったが、この試合もプレー時間は多くなく。その前の中ドリでサイドへの運びによるDFの収縮、バックパスでのスペースの確保、ウィークサイドの斎藤のデスマルケがあるからこその左足。
  • 17:00 日本のFK ボールに近い1枚目が抜けて清水が蹴るのが特徴だったが、それを欺いてサイドの角を取っている斎藤へ。面白いセットプレーだが不発。
  • 16:44 中央レーンの吉川の運びによる韓国の1列目が下がる。日本の横幅 3-1 韓国のDFは菱形になるので、サイドの時間は確保される。吉川の抜け方の工夫(走路とリズム)からシンプルなパラレラが強力な武器になる。斎藤→吉川→清水へのファー詰めデザイン。吉川からのファーの清水へのボールもゴレイロの肩口を狙って高さのある清水へのクロスを出している。このシーンだけでも吉川の凄さが分かると思う。
  • 16:10 室田から吉川のパラレラ。吉川のDFの死角に入りながらのフェイクとパラレラであるが、直前のパラレラでやられた部分を修正してきた韓国のDF 上手くはいかないものである。
  • 16:02 日本の3v2 清水がもう一つ運んでほしかったシーン。中央レーンの仕事であるが、外にパスを出してファー詰めデザインなんだろうけど。
  • 15:38~15:35 ストロングサイドの作り方によって日本のバランスが崩れたシーン。4枚が集まることでスペースを消している。ボールを守るためのカーテンと保持。1列目のダブり、相手の門を活用ができない。
  • 14:57~14:48 ピヴォ当て後の問題。アルゼンチン戦からの課題の一つであるが、ペア、トリオが薄い。ペアとしての2枚目の抜ける動き、3枚目がアンダーラップ、オーバーラップ、ピヴォのサポートとして中央に絞るポジショニングの使い方、タイミングと展開の停滞感。
  • 14:31 3rdセットへの交換。

ラインを上げてきた韓国のプレッシングに苦労した。日本の1stDFの緩さはこのセットも目立つ。そして、韓国のセットプレーが続く展開だが、その要因として、韓国に押し込まれてセットプレーが続くことで日本のラインが下がり、日本がボールを持っても韓国の前プレに悩まされる。ラインが下がり、日本のボールの前進の基準点が無いので、韓国のDFに囲まれてカウンターを食らってセットプレーへのサイクルに入っていた。

 

  • 12:25 1stセットに交換。

韓国のラインが下げさせるための持ち方、特に逸見が生み出す時間が効果的であった。

 

  • 11:50 森岡のアイソレーション。韓国の1-2列間。ウィークサイドのDFのブロックをする滝田。タジキスタン戦では逆DFのインターセプト狙いが露骨だったので、そのための予防策としてのブロック。西谷のポジショニング。シュートまで繋げて欲しかったシーンであった。
  • 11:42 森岡のアイソレーション。 1v1の質的優位。相手DFの孤立させるための配置、DFの右への重心移動、相手DFの左足に掛からないために浮かす技術とシュート精度。完全に森岡のマッチアップの強さが出たシーンとなった。
  • 9:55 森岡、サイドでのアイソレーション。逸見の抜ける動きで2枚目のDFを消してからゾーン間へ。1-2列間が空く韓国。森岡から西谷へ。後半11:50と同じ構造のシーン。シュートは不発だったが、ボールへの迎えに行き方は良かった。やっぱり横幅は大事。だからこそ、ウィークサイドのバランスが難しいのだけど、それは森岡のキープ力があるからが大きい。
  • 9:11 森岡に替えて清水の投入。クワトロセットのコンセプトは変わらず。清水と森岡ではピヴォとして受ける位置が違う。清水はハーフスペース、森岡はサイド。清水がニアでポジショニングしているから逸見の突破が活きるシーンも。サイドの森岡へのピヴォ当てをすると、どうしても逸見は2枚目の動きとしてオーバーラップか中に抜ける必要性があり、サイドのスペースは森岡に使わせるシーンが多くなるから、逸見によるサイドの突破は減る。しかし、この試合では森岡のアイソレーションからの質的優位が明らかだったので文句なんて出る訳でもなく。

その後、2ndセットに交換。韓国もセットを交代して前プレをしてくる。プレス回避がテーマになるけども、時間は作れない日本。3rdセット同様にセットプレーのサイクルに捕まる。まるで3rdセットと同じ感覚であるが、自陣~ハーフ付近でも速いタイミングでピヴォに入ればキープしてくれる清水の違いは大きかった。

  • 5:52 1stセットに交換。3rdセットのタイミングであったが、飛ばす判断をしたブルーノ・ガルシア。韓国のPPに対しても1stセット主体だったので、プレー時間の偏りが進んだ。

残り時間5分を切った段階で韓国のセットプレーが続く。日本のラインが下がった時のリアクション、2ndセットや3rdセットには無い部分としての森岡の質。時間を作るキープ力で対応していた。

  • 4:36~3:59 1stセットのクワトロ~偽ピヴォ、関口の活用、西谷のサポートによるプレス回避からのボール保持
  • 3:59~ 森岡へのピヴォ当てまで。ウィークサイドの逸見の移動(これまでとは違う変化の付け方。例として後半18:56のシーン)、ブロック、滝田のスペースへの侵入(ウィークサイドへの移動を促す森岡の非言語コミュニケーション)からのゴール。森岡へのピヴォ当てからの工夫。アイソレーションによるフリの効かせ方(森岡、逸見、滝田)によって繋がったゴール。このような得点を見てしまうと試合の文脈を感じてしまう。