フトボル男

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AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsイラン代表① 最高の前半だった日本

AFCフットサル選手権2018 フットサル日本代表vsイラク代表 仕上がってきた日本と逸見の異能 - フトボル男

試合を経ることで日本代表としてのチームの一体感は増していき、仕上がり具合はイラク戦で上々だったと思う。

アルゼンチン戦から数えて8試合目。チームとしての成長が見て取れた今大会。順当に勝ち上がり、正直イランを除いて決して難しすぎる相手とぶつかってきた訳ではないが、盤石な体制のまま迎えた決勝戦

そして、決勝の相手はイラン。

結果的には0-4の完敗だった。今も書きながら悔しさが尾を引いている。後半に至っては泣きそうになった。少年マンガなら逸見や室田が覚醒して打開する展開になるのだろうが、現実はそうは上手くいかず。

しかし、前半の日本はブルーノ・ガルシアの日本代表で最もパフォーマンスが良かったと思う。インテンシティを維持するように高速でセットを流動的に回して、イランにぶつけた日本。

前半の日本は今大会一番の集中力でDFを遂行。良い守備から良い攻撃は生まれるといったように、先制点を奪っていれば、プレーテンポを維持したままスコア優位からゲームを進められたと思うほどに調子が良かった。

それだけに悔やまれる。現場の選手たちも手応えを感じていただろうし。
日本のDFの堅実さは強みであったが、得点力という部分は最後まで突き付けられた。

一方で、前半でリードしてから、後半のイランの試合運び、スコア優位を利用した試合巧者には成す術が無かった。それだけに前半での失点の仕方、時間帯が痛恨となってしまった。仮定の話は勝負の世界では非現実的で尽きることはないが、どうしても…。

また、これまでの試合で日本のストロングポイントとなっていた1stセット(森岡、西谷、逸見、滝田)の長所をイラン戦では引き出せなかったのも痛かった。

左サイドでの森岡ー逸見のペア、森岡のキープ力、逸見のドリブルによる質的優位が封じられてしまい、森岡としては一番大人しい試合になってしまった。日本のピヴォへのマークが厳しく、今大会、森岡が最も潰された試合となった。

また、イランのピヴォを潰すためのフィクソ不足を痛感させる試合でもあり、ピヴォーフィクソの縦関係の構築がこれほど大変な試合は、今大会ではイラン戦しか無かったのは痛い。フィクソ不足は前述の記事で触れていたが、イランのピヴォを相手にするとなると更なるスケールが求められる。

イランの選手の懐の深いキープ、遠い足と足裏の使用で日本のDFのリーチでは厳しい場面が目立つ一方で、日本のFPの死角から足が伸びるイランのDFのリーチも難しかったと思う。

そういったリーチを活かした対人のDFがハードなコンタクトだったイランのファウル数が前半の早い段階で3になった後から、審判の基準が変わったことで試合の流れも動いたと思う。

日本としてはピヴォを基準にしつつも、イランの背後を狙うOFであり、イランはピヴォへの信頼から作られたOF

ゴレイロのロングスローが重要なファクターとなっていて、イランは「表」的なピヴォ当て。日本はイゴールから「裏」へのボール。詳しくは後述するが、イランの先制シーンはイゴールの「表」へのロングスローをカットしたことによって生まれたもの。

 

前半

日本は1stセットから。イランは3-1のセット。

キックオフ開始直後の日本のサイドチェンジからの逸見のピヴォ当てがカットされたシーン。強いチームの特徴として、アラーアラのパスに対する逆DFの寄せの速さと1列目のDFがどれだけサイドチェンジのパスラインを消しているかどうかが一つの目安だと思っているが、イランは日本の3-1に合わせて1-3で守る際に、どうしても逆DFは中央のスペースをケアすべく絞り気味になる必要があるので、サイドチェンジ後のアラへの寄せは物理的に遅れるわけだが、このシーンから分かるように速い。ちなみにサイドチェンジのパスラインを消してしまうというのはアルゼンチン代表がそれだった。イランはハードなDFでの球際の強さ。ボール保持者が背中でボールを守っていても後ろから足がギュっと伸びて出てくるような部分が顕著で、足のリーチを活かしたDFが目立つ一方で、細かいパスラインの消し方といった組織的なDFはアルゼンチンの方が印象的。

 

  • 19:50 西谷から森岡へのピヴォ当て。森岡の質的優位のキープ力で勝ってきた局面であったが、イランのDFに潰されたシーン。この試合を象徴するような一つの場面で、森岡の潰し方はこれまでのチームに比べるとハードすぎた。

 

  • 19:33 イランのエントレリネアスを森岡のプレスバックでボールを奪った後のイランのDF プレスバックで奪われたDFともう一枚のDFでの挟み込みからジャンプ。スペースと時間を奪うイランの寄せ方。

 

  • 19:15~ 日本の集中したDF ピヴォを降ろして旋回するイラン。ロングパラレラの要領でサイドに流れたイランの3番に付き切った逸見。

 

  • 18:26~ イランのピヴォ当て。日本の1-2列間を通すサイドチェンジ。日本のDFの撤退によるイランのスペースの確保から、日本の1列目を下げさせることでピヴォへのパスラインを作り、もう一度ピヴォ当て。

 

イランのセットプレーが続く。日本のラインが下がっていることから、シュートブロックなどでクリアが浅かったりすると、セットプレー地獄になる。仕方ないこと。イランは空中で点で合わせるようなデザインも。

イランの14番の安心感。イランのピヴォに対する日本のフィクソ不足。ボールが収まるので無理が効く。それに対してキープをさせないように森岡への潰し。日本がウィークサイドでのバランスを考えて、強みの左サイドでのスペースが狭いまま森岡-逸見のペアが活きずにセット交換をした17:19 2ndセットへ

 

  • 16:56~ 日本のセットプレーからの被カウンターシーン。イランのカウンターの起点になる選手のドリブル、DFの背中を取る動き、清水の中央スペースへの戻り方、斎藤のセカンドポストへの侵入を図ろうとするファーのイランの選手と中央のスペースの中間の取り方によるケアが良い。

 

  • 15:13~ 室田から皆本へ。室田のパラレラ。皆本から清水へのピヴォ当てによるストロングサイドの構築から、室田のオーバーラップでDFを釣って清水に時間を与える→吉川へ。サイドからサイドへ、吉川の中ドリに合わせて清水のブロック。吉川から皆本。ボールを受ける準備でのスペースの確保をしている皆本とエントレリネアスをするために抜ける動きのフェイクでマーカーを下げさせた吉川の工夫。吉川への選択肢としては皆本とのワン・ツーと清水へのピヴォ当て。

 

  • 15:00~ 日本のセットプレー後のイランのカウンター。日本の撤退とウィークサイドにいた皆本の中央を埋めた後のコース切り。その後の日本のプレッシングの矢印をズラそうとドリブルで剥がそうとするイランのプレス回避に対する日本のリアクション。1列目のDFがズレても、イランにサイドを限定させることでスペースを潰す。裏へのボールにはマーカーに付き切ること。日本の良いDFのシーン。

 

  • 13:57 セット交換をするために一部シャッフル。吉川、仁部屋、星、皆本。クワトロでの裏抜け。皆本から星へ。皆本の裏へのパスはイラク戦でも目立っていた。

裏を取られたイランのリアクションとしては、ゴレイロのカバーとDFの撤退。クリアランスになれば、ゴレイロのロングスローから前線へ。陣地の回復とピヴォへの信頼感。浮き球処理もある程度の無理が効く選手が揃っている辺りはアルゼンチンを思い出す。ゴレイロからピヴォのパスラインが効果的であるから、日本のDFとしてはどうにか対応しないといけない。クリアの優先度も高くなり、ラインが下がり、被セットプレーの機会も増える。

 

  • 12:54 森岡、逸見、皆本、仁部屋といったセットの組み方。12:50~ イランのプレッシングを回避しながら裏を狙うシーン。イゴールを使ったことでイランのDFの数が合っていないことから得られるサイドの時間、仁部屋のドリブルでDF2枚を引きつけて、皆本をフリーにさせる。裏へのロングパスの準備。逸見のダイアゴナルな裏抜けでパスを引き出したシーン。DFの死角からの移動だからこその効果的な動き出しであった。
  • 12:40 皆本に替えて滝田を投入。

自陣でも敵陣でもピサーダが効果的なシーンが2回続いた日本。イランのDFを引きつけることで2v1を作るピサーダのパスラインの有能性。

 

  • 11:52 イランのピヴォ当て。ピヴォのキープに対して逸見と森岡が対応。イランの選手がピヴォの外をオーバーラップすることで、中を切っていた逸見が引っ張られて中へのパスラインが空いたシーン。イランのウィークサイドの選手が滝田の前に出るタイミングと三角形のバランス。森岡、逸見のマークの交換をするべきだったのか否か。

 

  • 11:13 逸見、清水、西谷、吉川といったセットの組み方。
  • 10:50 イランのセットプレー後の日本のカウンター。イゴールが起点となって清水のシュート。1-2列間へのカットイン、西谷のセカンドポストへの侵入も。

 

  • 10:02 日本のキックインに対するイランのプレッシング。3-1から、西谷の中ドリに対しての逆サイドのサポートが無いが、吉川が周ってサイドを埋めることで2v1のピサーダの連動が起点になる。清水のエントレリネアス、室田のライン間への移動でプレスに掛からず。イランのDFが撤退しているスペースを使いながら、清水のダイアゴナルランでサイドのスペースを空けて、室田のドリブル。ドリブルでDFがズレるのでイランの2列目はスライドしないといけない。そのスライドしたDFの背中を取る清水のポジショニングからの決定機。イランのDFが足りていなかった状況であったが、ゴレイロのカバーと詰め切るためにゴールに侵入した室田を離さないDF

 

  • 9:10 吉川、皆本、仁部屋、星のセット。

流動的で速いテンポでのセットのローテーションでDFの強度を維持しようとしている日本。プレッシングが効いている。

 

  • 7:48 イランの旋回でのプレス回避。偽ピヴォとピサーダの組み合わせでサイドで2v1を作ることで、サイドチェンジの時間とスペースを確保。イランの抜ける動きに合わせて日本のDFが撤退するラインと前に残るラインの2-2となったシーン。1-2列の分離、2列目のカバーリングが作れていない状況を判断したイランのドリブル突破からのシュート。

 

  • 6:56 森岡、皆本、仁部屋、逸見のセット。森岡へのピヴォ当てシーンが2回続く。仁部屋―森岡のペア。ピヴォ当て前の仁部屋のDFのズラし方とキャンセルから、森岡とDFの1v1を作るために2枚目のDFを消すために抜ける。左サイドでの森岡のピヴォ当てから質的優位で作ってきたシーンであるが、DFに潰されるところの難しさ。しかし、DF面ではイランのピヴォへのマーカーになることが多い森岡のリアクションは良い。
  • 6:00 室田、森岡、吉川、滝田のセット。

 

  • 5:49~ イランのピヴォの収まり具合がオカシイ。5:43~も。吉川との距離を作ってからのコントロール。ピヴォに入ったことによる日本のDFの撤退。イランはアイソレーションをするために、ウィークサイドのバランス、滝田のカバーリングを引っ張るポジショニング。室田―森岡間が空き過ぎているので、カットインの選択肢としては余裕。

 

  • 5:17~ イランの速攻。3レーンの活用から、サイドのドリブルの時間で日本の1列目を下げることで、逆サイドを確保。セカンドポスト周辺のゾーンでは滝田vイランのピヴォのポジショニング争いが行われており、ボール保持者について対面のDFとして森岡が切るようにしているが、ゴール中央へ滝田のバックドアから滝田の身体の前にポジショニングすることでパスラインを作るピヴォへのパスとシュート。

 

  • 5:06 清水、吉川、西谷、滝田のセットに交換。

ピヴォ対滝田のゴール前でのポジション争いとイランのアラのドリブルによる日本のDFの1-2列の圧縮とスライドを強いられるので、イランとしては余裕を持ってボールを回せるだけのスペースが生まれている。

直後に吉川に替えて逸見が投入される。

 

  • 4:30 イゴールを使ったプレス回避している日本。イゴールから逸見へ。キックフェイントとドリブルによる加速。逸見へのDFはサイドに追いこんでサイドチェンジへのパスラインを切る寄せ方をするので、逸見としては縦が空く。DFが振り切られた後に清水がブロックして逸見をフリーのまま運ばせて、イランの1-2列間を通すサイドからサイドへ。滝田にシュートまで行って欲しかった日本の速攻シーン。滝田の選択は、後方からのオーバーラップをした清水を使うことで落ち着かせるためのコントロール

 

  • 4:00~ イゴールから清水へのピヴォ当て。清水のライン間の活用から生まれる時間と3レーンの抑えている日本のOF。清水が運んでDFを引きつけつつ、サイドを限定されながらもDFの股を通すことでウィークサイドの西谷へのパス。西谷はア・ラ・コルタでDFをズラし、イランのDFの門を通すパス→滝田へのファー詰め未遂。絶好機だった。

 

  • 3:43 滝田と清水に替えて皆本、星を投入。
  • 3:03 左サイドでの逸見のアイソレーション。カットインシュート後のイランの速攻を抑えるための日本のDFの撤退の仕方。1列目のDFとしての星の非言語コミュニケーションでの2列目のDFのスペース管理の連動をすることで、コースを切りながら撤退。

 

  • 2:23 吉川からウィークサイドの仁部屋へのロングボール。バックドア。ウィークサイドを空けるために星がイランのDFを引っ張ることが大事。シンプルなウィークサイドのバックドアは効果的だったが、その裏へのボールの精度が求められる。

仁部屋、吉川、逸見、星のセットの組み方になっている日本。

 

  • 1:07 日本のファウル後のイランのリスタートから速いタイミングでのピヴォ当て。日本のDFの1列目の数が合っていない状況(1-2-1的)だったので、簡単にピヴォへのコースが空いている。イランの後方の選手の上がり=オープンな選手へのマークの遅れ→ピヴォ当てによる日本のDFの視野リセットからボールとスペースの認知から、イランの選手への対応が遅れるので、シンプルなオーバーラップ+ピサーダ(2v1)からシュート。イゴールのカバーが光った。

しかし、その後のイゴールパスミスから失点。

イゴールからのロングスローが裏ではなく表だった点、イゴールの判断とサイドでの星と吉川が向けている矢印、そのスペースの違いから生まれたズレによるところ。表へのパスであったことからイランのDFは守り易かった。裏へのボールを効果的に使ってきた日本だけに悔やまれるチョイスだった。

1点のリードを許したまま後半へ。

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