おめでとう宇多丸師匠、フットサルの実況性
- 宇多丸師匠が出世した。
めでたいニュースだ。
TBSラジオは野球中継からの撤退を昨年に発表していたが、その枠に宇多丸師匠が入るようだ。
嬉しい悲鳴もあり、不安もある。
『タマフル』の移動と拡張版と素直に受け取っていいものなのか。ムービーウォッチメンのコーナーがどれだけ確保されるかは気になるところ。野球中継延長で、時間が押された時の語りの圧縮や処理は生放送だからこそのパーソナリティの腕の見せ所でもあるが、じっくり聴きたい時に限っての延長決定に肩を落とした日もあったけ。
毎日ゴールデンに生放送なので、果たして評論に必要なだけの映画観賞の時間を取れるのか。
決して映画評論だけが『タマフル』の醍醐味ではない。ポップカルチャー、サブカルチャーに言及する師匠のソフトな語り口とロジック、そして何よりも愛と情熱が伝わってくるのが良い。
基本的に何かしらに対して私見を述べる時は、リアルタイムな需要があって一個人としての意見が求められている場合や自発的な興味関心が乗っかった場合、それへの専門性を持ちわさることで説得力などは研鑽されるもので。 専門性が高くなるほど壁は出来がちだが、その堀を下げることでの厭味たらしさは無いし、語りも攻撃の色を帯びていると思わせないのはセンスなのかなと。
ラジオという場での宇多丸師匠のパフォーマンスに多く触れられるのはリスナーとして僥倖である。
TBSラジオ、今後も付いていきます。
*
- 1月25日、28日にフットサル日本代表戦があった。
W杯王者のアルゼンチンとの試合だったが、ネットニュースの露出度は少ないという感覚。中にはどこで観れたのか?すら知らない人もいた。
試合については別記事で自分なりに纏めているので割愛。
展開の速さ、切り替えの多さが魅力の連続性のスポーツであるフットサルにおいて、実況性との相性はあまりよくない。
実況性は盛り上がるバロメータの一つだと思う。エンタメと実況性はユーザー間の祭りみたいなもので、題材に対して2ちゃんねるでは専用スレッドがあって、ニコ動やらニコ生、今ではツイッターにはハッシュタグが実装されて、実況性との相性が良いバラエティ番組、スポーツ、ドラマ、深夜アニメなどは顕著。
大衆文化と実況性について軽く触れられているのは片上平二郎『「ポピュラーカルチャー論」講義-時代意識の社会学―』。「主に生活に定着しているインターネット文化は、ポピュラーカルチャーといえるだろうか?いや、私はそう思わない。何故ならインターネットの使い方は~の件(詳しくは文献を)」で、片上は論じていた。インターネット黎明期における白地のスケッチに描かれていた青写真は、今とは違う使い方が期待されていたのは過去の文献を読むと明らか。端的にいえば、アカデミックな集合知の側面が期待されていたわけだが。梅田望夫の著作諸々や中川淳一郎『ネットのバカ』、『ウェブはバカと暇人のもの』、ティム・オライリーの「ウェブ2.0」などがそれ。インターネットの在り方の変遷や片山のインターネット論が気になる人は読みましょう。
フットサルはマイナースポーツだから露出度が少ないのは仕方ないかもしれない。しかし、実況性との相性の悪さ=実況する暇がない展開の速さが、フットサルの特徴の一つではないか。かといってエンタメ性が無いと言っているわけではなくて。魅力たっぷり面白さマシマシだと思っているから、こういう記事を書いているわけで。
ユーザーの実況祭りにメディアが面白いと思ってちょっかい出して国の祭りとなった「バルス祭り」のように、人が群がる場所のパワーは計り知れない。
アルゼンチン戦の認知と露出は、キッカケの一つに繋がると思ったが、代表戦といえども実況しているユーザーは体感的にはそんなに多くなく。
勿論、実況していない=観戦していないと短絡的に考えることはできない。それでも、実況の質量は一つのバロメータだと思う。魅力や露出を発信する一つにはリアルタイムでの更新が挙げられるだろうから、実況板やらSNSやらで実況することは大事。その書き込みを見た人が興味を持つこともあるはずだから。
ただ、実況が難しいのは確か。そのスピード感や複雑さも魅力なんだけど。
AFCフットサル選手権チャイニーズ・タイペイ2018 | JFA|公益財団法人日本サッカー協会
告知。
AFCフットサル選手権が開催される。
2月1日 (木)午後7:55~ BS1でAFCフットサル選手権2018 1次リーグ グループB「日本」対「タジキスタン」が放送される。
日本戦が全試合放送されるから観ましょう。楽しく実況しましょう。祭りは盛り上がらないと。